今日 お客様のところにお伺いしたところ・・
数日前に ご親戚の方から お着物が届いたそうで
(ご親戚の方ように)
大島紬と長襦袢を組み合わせて コートを作って欲しいというご相談がありました。
大きなテーブルの上に 着物をひろげ
あんな風に・・こんな風に・・・
襟は こんな感じで・・・
いや・・こっちの方が・・・
・・っと
そんなやりとりをしながら 過ごす時間は ほんと楽しいもので
あっという間に時間がすぎてました。
ある程度の 柄の配置を決め
コートを着はじめる秋まで時間があるので あとは ゆっくりデザインをかためていくことにしたのですが
ご自分用にも 背裏を使ってワンピースをつくろうかなっというご要望をいただき
「これ!こんな風にもう一枚作ろうかと思って。」
っと 持ってこられたのが・・・
かれこれ 1年半前 まだ お客様と出会ってすぐの頃、
泥大島と背裏を組み合わせてお作りさせていただいたワンピースでした。
当時、まだ この工房を始めたばかりで 久留米絣では 商品づくりをしていたものの
お客様の”着物”を活かす オーダーは まだまだ 自信がなかっただけに
デザインもなにもかも・・
「任せる!」
と生地だけ渡され・・ドギっとしたのを覚えています。
お客様には その時 まだ1~2回しか お会いしてなかった頃で
お好みもまだ把握しておらず
背裏をいかす方法も よく分からず・・
内心 ドキドキでしたが
悟られまい?!っと 必死で ”できます!”オーラ?!をだして
ご注文をお受けした お客様 初オーダーでした。
今 思えば あんな自信たっぷりに よく受け答えしたものだと 自分の度胸に驚いてしまいます・・
でも その時でした・・
お客様からみたら
”洋服を仕立てる仕事=工房”をしている私は
着物をわたせば ”なんでもつくれる人・なんでも活かせる人”
・・でなければならないのだと・・・自覚させられたのは・・。
”経験が浅かろう””自信がなかろう”は 傍から見れば まったく 関係ないんですよね。
自信がない態度をみせれば 相手が不安がる・・ので
絶対 相手を不安にさせるような態度をとってはいけない。
そう昔 教えられたことがあります。
”できません”の一言で 切れてしまう縁もある。
”やってみる”ことで 繋がる縁もある。
そして、繋がったのが お客様との縁です
そんないろんな想いのこもったワンピース。
”もう一枚 これと同じデザインでっ”と お言葉を頂くと
本当に 涙が出そうです。感謝感謝
平安絵巻の背裏
を サイドのポケットに。
タックを寄せ ドレープ感をだし・・
切り替え部分にも 同じ 背裏を挟み込み 全体に統一感をだしてみたワンピース。
私もこんな平安絵巻の優雅な背裏が欲しいなぁ~っと探してみるのですが
案外 見つからないものですね。
人との出会いも 着物との出会いも
すべて 縁。
その時がくるまで のんびり 待ちます