巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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永遠に広がるこの大地

2018-01-24 23:48:54 | 
永遠に広がるこの大地

群青色の糸を曳いて
惜しみなくつなぎとめる心
何と折り合いをつければ
僕は彼の地に帰れるのだろう

造物主は大往生さ

空が涙に暮れるから
陽が海に浸かるから
月が闇に浮かぶから
悪が瞑想に耽るから

大地が鳴動し、裂ける
張り裂けそうなこの思い

木枯らしに涙する夜
静寂に木霊が響き渡る

掌の中のにぎやかな広場
指をくわえて見ているうちに
翼がほしいと願ってしまう

永遠の大地に広場が見えるよ

皆が急き立てるから
僕は急行列車に飛び乗ったのさ
永遠の大地は遥か遠く
でもきっといつか彼の地へ

君のスタイル、僕のスタイル
彼の生き様、彼女の生き様

みんな誰もが違っているから
みんな誰もが繋がってるから
無視しないでほしい
ずっと一緒にいてほしい

現実という夢を見たんだ
大地が永遠でよかった


悠久の時の流れに溺る

2018-01-19 23:50:55 | 
悠久の時の流れに溺る

夢や現は誰のもの
人生を風見鶏に喩えたら
少しは納得いくだろうか
確かに消え逝く
すべて消え逝く
ならば風の吹く儘に

華やぐ街を闊歩して
四方八方見渡して
君は何を盗まんとす
道行く女子は皆振り返る
心を奪っては喰らう
嘘か真か
快楽を求める
愉快犯

無心の防御は
心の解れを許さず
火照った頬が
徐々に染まって
陽光が突き刺すから
喉の渇きも覚えず
大河の一滴に溺れ
ならば飛翔せよ
誰かが唆す
その一瞬の隙間を
突き刺す

ざわつく心の嘘を
消し去りたいから
アンチノイズ
吸収してしまおう
反射してしまおう
音が消える
灯りも消える
すべて消える
織り込み済みのシナリオ
ただ淋しさだけが残らんとす

永すぎた生は我が咎の代償
半死半生の毎日を送って
大切が何か分かったから
大陸を越えて
大海を跨いで
大空を飛び越え
大宇宙へ飛翔せよ

時間という概念を超えるのだ
腐りゆく雑念を振り払え
神をも超越する圧倒的な存在は
産まれたての赤子かもしれない

西方の空が灼けてゆく
夜闇がしっとり訪れる前に
妖艶な天女が空を駆ける


真夜中の決断

2018-01-19 02:43:46 | 
真夜中の決断

絶妙な均衡は不安定の極み
やがて去りゆく静寂
何もかもすべて
自然に委ねるから
君は壊れてていいよ

努力は報われる
そんな美しい世界だといいね

真顔で皮肉る僕を責めないでくれ
気遣いは励みになるだろう
せいぜい頑張るがいいさ
百回空振りしたんだって?
一〇一回目に挑むかどうかは君次第

「勝算は五分五分」という君は能天気
ステップ・バイ・ステップ
そんな軟なこと言ってる場合じゃないね
この人生は憂さ晴らしじゃないんだ

突き抜けるんだ
駆け抜けるんだ
スタートラインに立ったが最後
意図的なペース配分なんて不要
超特急の駆け引きで滑り込みセーフ

ホンモノになりたくて
随分無理もしてきたよね
いつ壊れてしまうかなんて
僕は医者じゃないし、わからない
あの日がスタート地点だとしたら
今頃がちょうど折り返し地点
痛み止めを打ちさえすれば
君も僕もまだ走れるよ
逆に引き返すならまさに今このタイミング

天から授かったこの命
決して無駄にはしない
どう使うかは自分次第
ただしバッテリーの残量は不明

君ならどうする?

もうすぐ24時を迎えるね
暦のページをめくり
また戦乱の地へ想いを馳せる君
敵は手強いだろう
僕は腹を決めた
君のご武運を祈るよ

あゝ、あらゆるバランスが崩れゆく
自然、天、大地、そして自由
この世の凹凸が垣間見えたとき
僕は戦意を取り戻せるだろうか
空振る君はいつ刺し違えるのだ
そこまで僕は待てるのか
果てゆく命の炎は消えぬのか

リーダーは君だ
僕のとっておきのエースを預けるよ
最強布陣のイメージはできているかい
すべてを君に託してみよう

城下町はパレードだね
誰もが我らの勝利を確信し
この世の自由を謳歌する

君はこの平和を守る戦士
課せられた責任は極めて重大

敗北を知らない僕を着火してほしい
勝敗はどうあれ百戦錬磨の君
一〇一回目のトゥッシェの結果次第
僕は目を瞑ってその結果を待つ

壊れゆく君のその手で
世の中を変えてご覧

努力は報われる
そんな美しい世界だといいね



制限時間30分

2018-01-18 01:20:52 | 
制限時間30分

愚鈍だね、僕は
僕が愛してきたのはきっと単なる幻

微風が知らせてくれたんだ

君が、本物の
幸せを手に入れたってね

素直に喜べぬ僕がいる

君の幸せも、喜びも、笑顔も
僕が届けるものだと思ってた

踏ん張れるのはせいぜい30分間
辛さを感じないギリギリの線

さあ、勇気を出して駅舎へ行こう
僕を待つ君の旅立ちの場所

微笑む君に時間制限の意味が解るかい?
いくらでも作れる時間ではないんだ
張り詰めた限界をわかってほしい

30分
そうしたら別れよう、キレイに
じゃれ合っていた鳥達が
別方向に羽ばたくように

ほら、目を背けずに
普通に話せるじゃないか

20分
いつもの僕たちのよう
変わらない二人の関係

10分
ふたり一緒の時間と空間を
時計の針が切り刻む

永遠はないと気付き始めた……
僕の心はカウントダウン開始

5分
僕は君のお腹に耳を遣った
ドクン、ドクン、ドクン
生命の証は別れの律動

さあ、これで踏ん切りをつけよう
すべては僕を中心には回らない
やっとそう理解できたんだ

10秒
抱き寄せる掌は汗だくさ
何気ない右頬への接吻が
遣る瀬無いね

愛憎を断ち切れない僕を
愚か者と笑うがいいさ

好き合ったはずの二人だから仕方ない
だからキレイに、せめてキレイに
今までのいつよりも、誰よりも

この夜を遥かに越えて
グッドナイト


悪魔笑いて、子は育つ

2018-01-17 23:37:19 | 
悪魔笑いて、子は育つ

とろけそうな心は
やがて散りゆく氷の華

早く舞い降りることを願って
君たちは空高く見上げるけど

そこには何もなくて
音も色彩もなくて

ただのドンガラだったりする

だったら僕の純真を捧げよう
君たちの目が真剣だから

空っぽの地球
子供たちの叫び声が反響してる

鳴動せよ!
誰もが夢に現を抜かしている間に
この世は悲劇を通り越して喜劇へ

悪魔が工場で大量生産する残酷な未来
それに群がる愚かな一群の大人たち

皆が不要と切り捨てるのならば
奴等を撤退に追い込めるのに

これが社会だ、これが世界だ……

諦めを促す断末魔の叫び

どこから聞こえてくるのだろう
音源を探せ
消し去るのだ
踏みつぶしてしまえ
君たちの未来を等価交換してはならない!

苦しみは分かち合うもの
そんな都合よい御託を並べて
悪魔は君の心に宿る、棲みつく
魂を奪い去る憎き暗黒物体

幸も不幸も分かち合うもの
小さな幸せを大切に感じていたい

そんな大人になりたかった君たちは
なるべくして「大人」の仲間入り
望まない人生のはじまり