風の掟

焔はゆらり揺られど
魂はぴくり揺るがぬ

空間を占有す大気の神は
風を媒介し万物を消滅す

ゴーッ、ゴーッ、ゴーッ

ひとり、ひとり、ひとり
誰もいなくなった街は
あまりにも静かすぎて
温度を失ってしまった

私の心が騒めきたつ
空っ風が吹いてくる

心の揺れに気付いて焦る
夜の静寂の中で何ができる
陽は昇るのにまた堕ちた
何に怯えているというのだ

おい、小僧

またどこかへ旅に出るのかい
だったら次の風を待つがよい

我が示す路は良風なり
揺るがぬ魂は永遠なり