車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

年の初めの神楽三昧「悪狐(あっこ)退治」

2022年01月14日 10時00分00秒 | 日本の伝統・芸能・技の美

昨日に続いての狐退治は2013年4月21日、神楽門前湯治村にて、神楽デビューの二幕目・「広森神楽団(安芸高田市)」による【悪狐伝】。

その昔、中国やインドで悪行を重ねた金毛九尾の狐が、今度は日本の国を乗っ取ろうと海を渡って都に入り、絶世の美女『玉藻前』として鳥羽院に仕え、やがて帝の寵愛を一身に受けるようになります。しかし、『陰陽師・阿倍清明』によって正体を暴かれ、下野国那須野原へと逃げ去ります。このお話は、都から逃げた後の『玉藻前』が主人公です。

舞台に登場したのは『上総之介、三浦之介』、いわゆる神楽の演目ではイケメン担当で正義の味方。悪狐退治の為に旅を続ける二人、ひとしきり華麗な舞を見せて、舞台の奥に消えていきます。

お囃子の音が微妙に変わり、舞台の袖から進み出てきたのは、絶世の美女設定の「玉藻前」。今宵の宿と餌(笑)を求めて、一軒の古寺にたどり着きました。何やら面白おかしくおしゃべりしながらお掃除をしているのは、「目かづら」を着けた十念寺の和尚『珍斉さん』、神楽では道化役担当です。

軽妙なおしゃべりと、目が廻りそうに軽快でアップテンポな箒の舞を披露した『珍斉さん』に会場は爆笑の渦。ひとしきり客席を沸かせた『珍斉さん』の演技が終わると、いかにも儚げな風情で先ほどの美女が登場。ここで団員の美女設定にイチャモンをつける『珍斉さん』。笑いをこらえつつ、美女設定を押し通す玉藻さんに、会場は再び笑いの渦(笑)

ひとしきり客席を笑わせた後は、真面目に舞台に戻る珍斉さん。そのギャップがまた笑いを誘うのですが・・・一応美女と言う設定なので(笑)一夜の宿を貸すことにし、賞味期限不明の味噌など摺って、美女に夕餉をご馳走しようと張り切りますが・・何やら背後に忍び寄る危険な気配・・珍斉さ~~~~~ん、後ろ!!後ろ!! 

ビックリ仰天の珍斉さん。食われてなるものかと味噌棒片手に必死で応戦。人間死ぬ気になると意外と手強くなるもので(笑)、ましてや食い殺されるとなれば、それはもう死に物狂いにもなろうというもの。

意外と手強い珍斉さんに業を煮やした玉藻さん、遂に正体を現し珍斉さんを追い詰めたのですが・・

舞台から逃げ出した珍斉さん、何と、客席に紛れ込んでバナナを食べたり、お客のふるまい焼酎に舌鼓をうったり。もう何でもありに笑いが止まりません。

そんな珍斉さんの帰りを舞台の上で待つ悪狐さん。お囃子さんの前でおとなしく待っているその姿がお行儀良すぎて、会場はまたしても大爆笑。

とまぁ、色々ありましたが、珍斉さんも無事に悪狐の餌になり(^^;)、ゆっくりと英気を養った玉藻の前に、悪狐退治の旅を続ける『上総之介、三浦之介』が・・。怪しい者と問い詰める美形コンビ。次第に追い詰められる玉藻の前。

伊達に悪狐退治の勅命を受けたわけではない二人、遂に女の正体を玉藻の前と見抜きます。

追い詰められる玉藻の前、と、見る間に、怪しい霧が玉藻の体を包み始めます。

再び顔を上げた玉藻、そこには絶世の美女として時の帝まで迷わせた美しさの片鱗さえない、恐ろし気な狐の姿が・・

もちろん、そんな事で怯むような二人ではありません。激しい攻撃についに本性を現した悪狐。・・・・これが何故かちっとも怖くないと言うのが(^^;)・・多分 パジャマと言ってもおかしくない白いファーの衣装の所為だなんて・・いえいえ、そんな事、口が裂けても言えません(書いてるけど)

ともあれ、弓の名手と謳われた二人を相手に激しい戦いが繰り広げられ、ラストは二人の矢に射抜かれて壮絶な最期を迎えます。

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2013年7月6日「安芸高田神楽特別公演」は「神幸神楽団(安芸高田市)」による【悪狐伝】。
朝廷の命を受けて悪狐征伐に向かう『三浦介、上総介』の美形コンビ。自己紹介代わりの舞を披露し、ひとまず退場。

【悪狐伝】ではすっかりお馴染みの『珍斉さん』、相変わらずユーモラスな仕草で会場を沸かせます。そこへなよなよと登場する絶世の美女、『玉藻前』

女人禁制のお寺の和尚さんの癖に、美女の色香に迷って、寺に泊める事を約束しちゃった珍斉さん。あれやこれやと楽しい想像にふけっていますが・・ほら・・・もう、すぐ後ろに・・・・!!!

という事で・・色に迷って戒律を破ったばかりに、あわれにも『悪狐』に捕り食らわれてしまいました。

多少筋張ってはいましたが、とりあえずお腹も朽ちた悪狐。再び美女の姿で先を急ごうとしたその矢先、『三浦介、上総介』に見咎められてしまいます。

しおらしく項垂れてやり過ごそうとしますが、朝廷より直々に悪狐退治を仰せつかった二人。やすやすと騙されるはずもなく、徐々に化けの皮を剥され追い詰められてゆく玉藻前。この時の玉藻さんの指先の演技、人に有らざる者の姿が顔をのぞかせる・・その瞬間が見事に表現されています。

「初めての神楽」に比べると、見る事に集中してきだしたのが如実にわかる画像の少なさ(笑)

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ラストは2019年4月21日、「因原交流神楽大会」での「中川戸神楽団(北広島町)」による【悪狐伝】

花道より登場するのは、悪狐の正体を見破られ逃亡を続ける『玉藻前』。ひとしきり悪行の数々を披露&自慢。反省などと言う言葉は悪狐には存在しません(笑)

見れば何やら頼りなさそうな爺様が、愚痴などこぼしながら掃除をしておる。今宵の宿と食事は確保できた。と、ほくそ笑む玉藻さん

綺麗な姉さんの色香に迷った珍西さん、正体を現した玉藻の恐ろしい顔にも気づかない様子・・こんなに危機感のない珍斉さんと言うのも珍しいかも(笑)

しかも食べられちゃう前に記念写真まで撮ってるし。悪狐さん、ピースサインだし。っていうか、ファーの前ボタンが外れそうだし(^^;)

とまぁ、色々ありましたが、珍斉さんも無事悪狐のお腹に収まったところで、弓の名手『三浦介、上総介』の登場。

追い詰められて正体を現す玉藻前、その顔はさらに人ではないものに変化し・・

恐ろしい悪狐の顔で『三浦介、上総介』に襲いかります。

とはいえ、都に名だたる弓の名手の攻撃には、流石の玉藻前も歯が立たず、遂に最終形態へ。狭い客席の間を逃げ回る悪狐。

物凄く真面目な顔で悪狐を追う『三浦介、上総介』

美形を翻弄するのが楽しくて仕方ない悪狐。手拍子に乗って踊り始めましたが・・この画像、どうみても病院から抜け出してきた白髪のおじいちゃん(^^;)

調子に乗って機嫌よく踊っていただけなのに、何がどうしてそうなったのか、気が付いたら弓に射抜かれて断末魔。?????顔が無いっ!!!!顔がっっっ~~~~!!!

2022年 一月十四日

 


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