車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

伊弉諾(いざなぎ)神宮 in 兵庫県淡路市多賀(旧一宮町)

2021年06月16日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・兵庫県

淡路市多賀に鎮座される「伊弉諾(いざなぎ)神宮」。御祭神は国生み神話に登場される『伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)』。式内社(名神大社)、淡路国一宮。旧社格は官幣大社。兵庫県下では唯一「神宮」の名称を持ち、地元では親しみを込めて「いっくさん」「伊弉諾さん」と呼ばれます。阪神・淡路大震災で倒壊した鳥居に代わって11月に再建された一の鳥居、青空に映えて美しい姿を見せています。

鳥居左右の狛犬も真新しい石灯籠も、おそらく同じような時期に奉納されたものと思われます。

由緒「古事記・日本書紀には、国生みに始まるすべての神功を果たされた伊弉諾大神が、御子神なる天照大御神に国家統治の大業を委譲され、最初にお生みになられた淡路島の多賀の地に「幽宮」を構へて余生を過ごされたと記される。その御住居跡に御陵が営まれ、至貴の聖地として最古の神社が創始されたのが、當神宮の起源である。地元では「いっくさん」と別称され日之少宮・淡路島神・多賀明神・津名明神と崇められている。」公式HPより

明治15年(1882)、禁足地であった御陵の上に建てられた本殿は、三間社流れ造向拝付。本殿大床下には、神陵に築かれていた数十個の聖なる石が格納されています。

表神門は明治16年(1883)に随神門を現在の様式に改めたもの。真っすぐに続く拝殿は銅板葺入母屋造で、舞殿を兼ねた様式になっています。

拝殿前左右より神域を守護されるのは、文政4年(1821)4月吉日建立の浪花タイプの狛犬さん一対。まるで何かを訴えるように三角に口を開けた阿形さん、言いたい事が言えなくてといった風情の吽形さん・・可愛い・・

神門に広がる「放生の神池(しんち)」。幽宮(かくりのみや)跡の御陵を中心にあったとされる濠の遺構とされ、古くより放生神事が行われていました。今でも病気平癒のための命乞に「鯉」を放ち、快癒の感謝に「亀」を放つ信仰習慣があります。

その所為なのかどうか、池には沢山の亀が気持ちよく日向ぼっこをしていました。ただし、岩の上の大きな亀やカエルは本物ではありません😅

神池の中に鎮座される「延壽宮(えんじゅのみや)」。水神様が祀られています。

明治九年に創建された「境内社・淡路祖霊社」淡路島ご出身の英霊が祀られます。

「境内社:岩楠神社」。子授け・安産の神とされる推定樹齢800年から900年の「夫婦の大楠(県指定天然記念物)」が祀られます。

西鳥居の内側より神域を守護されるのは、招魂社系の狛犬さん一対。正面から移した顔が・・・一人で楽しむには勿体ないほど素敵だったので😅

香木伝来の石碑。「推古天皇三年の夏四月に 沈水 淡路嶋に標着れり其の大きさ一圍 嶋人 沈水といふことを知らずして 薪に交てて 竈に焼く 其の烟気 遠く薫る 則ち異なりとして 獻る(淡路島に、沈水(ぢん)という香木が漂着した。島人がそれをかまどに入れて薪とともに燃やしたところその煙と香りが遠くまで届き、そのことを不思議に思った島人は朝廷にこの木を献上した。)」「「日本書紀」巻第二十二日本に初めて 香木が漂着してより一千四百年ここに記念の碑を建立して 我が国香文化の永久なる繁栄を祈念する」 聖徳太子はこの香木で観音像を造ったと云われています。

参道の途中に見つけた「陽の道しるべ」。そこには伊弉諾神宮を中心として、春分と秋分の日の出・日の入りライン、夏至・冬至の日の出・日の入りラインそれぞれの方向に、国生み神話にゆかりの神社が記されています。

「伊弉諾神宮」から、夏至の日の出の線上に「出雲大社」。冬至の日の入りの線上に「熊野那智大社」。夏至の日の入りの線上に「諏訪大社」。冬至の日の出の線上に「高千穂神社」。真東に「伊勢神宮」、真西に「海神神社」。真北に「出石神社」真南に「諭鶴羽神社」・・・地理学、天文学などいう学問が存在する遥かな昔から、これらの聖域は確かにそこに存在していたのです。その不思議さに惧れにも似た感動を覚えます。

ラストは伊弉諾神宮の「神桃絵馬」。死んでしまった妻に会いたくて黄泉の国に行った伊弉諾尊は、変わり果てた妻の姿に恐れ慄き、黄泉の国から逃げだします。追いすがる伊弉冉尊を阻んだのは黄泉比良坂に生えていた桃の実でした。桃はその功績により『意富加牟豆美命(おおかむづみのみこと)』の神名を授けられたと神話は伝えます。

死んだ妻を慕って黄泉の国に行き、共に帰ろうと無理を言う伊弉諾尊。その願いを叶える為、伊弉冉尊は常世の国にたどり着くまで、決して自分の姿を見るなと約束させた筈。その願いを裏切り、黄泉の者となった妻の姿に恐れ逃げ出した夫。殺してしまおうと思うほど・・醜く変わり果てた自分の姿を見られたくなかった妻。桃に阻まれて血の涙を流す伊弉冉尊の悲痛な叫びが聞こえる気がします。

参拝日:2019年9月19日


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