そして今日は過ぎ行く

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ホワイトデーの収穫

2005-03-14 19:33:38 | 似非小説家的之妄想思考
 先月、田舎に住む父と兄にバレンタインのお菓子を贈ったところ、きっちりと今日、宅急便でお返しが届きました。ありがとうごぜえますだ。中身はウマそうなチョコとくるみのパウンドケーキ。チョコレートリッチな見た目のボリューム感とは裏腹に、ひとくち食べると今流行のさっぱりと軽い口当たり。チョコ×ナッツ×パウンド生地=……、と、食感が重たくなりがちな組み合わせですが、どうやってあの軽さを出してるんだろう? 食べたときの感じが少しシフォンケーキに似ていたので、もしかしたらバターを使わずにほかのサラダ系の油を使っているのかな。なんて、ケーキ工場勤務、ちょっと研究魂が入りすぎてます。すんません。
 ここのお店、『 ガトーよしだ 』。うちの家族のファミリー内ブームだけかと思っていたのですが、チーズケーキがおいしいと地元でけっこう有名なお店のようですね。自然がいっぱいのカフェも併設されているそうなので、今度帰るときに連れてってもらおうかな。

 夫からはホワイトデーに何ももらってない!!、とウェブログで吠えてたら、今日、しっかりと買ってきてくれました。袋の中身はお菓子じゃなくて本。村上春樹さんの『 海辺のカフカ(上・下) 』。もう文庫化されてるのですね。早っ!新潮社さん、ちょっと焦り過ぎですよ。少し前までは、村上さんの本の文庫化なんて何年も待ったような気がするんだけど。ハードカバーの部数が思うように上がってないのかな。
 ところで肝心の中身ですが、まだ50ページしか読んでないので何とも言えないですな~。最近映画化された短編『 トニー滝谷 』を収めた『 レキシントンの幽霊 』あたりまでは、夏場にカキ氷を掻きこむほどの勢いでガリガリッと読破してたのにな。『 神の子どもたちはみな踊る 』ぐらいからかしら、読んでてしっくり来なくなったのは。
 主人公である15歳の少年の考え方がシックでシステマチックに整い過ぎてる気がします。たとえば、よくドラマの回想シーンなどで若い役者さんを使わずに、壮年の俳優さんがそのまま青年時代の役を演じたりしますよね。まさにああいう違和感が、読んでいる間中ずっと、頭に付きまとって離れないのです。
 同じ理由で、父から誕生祝いに買ってもらった『 アフターダーク 』も実はあまり進んでません。まあ、でも全部読んでみないことには何とも言えないので、もう少し頑張って読んでみますわ。読書で頑張るのって久しぶりだな~。若いときには、何回か読み直さないと解らないようなムズカシイ本、けっこう好きだったんですがね。

 余談ですが、今まで一番大ウケした若作り回想シーンは、関口宏さんが真っ赤なアロハシャツ着て砂浜で集団レイプする不良少年を演じるというもの。トレードマークのポイント白髪は染められていたものの、不良仲間役の若い役者さんたちに混じっての熱演ぶり。違う意味で感動して泣けました。

 ところでこのところ、ネットの評判とか新聞の書評を頼ることなしに、本屋でヒトメボレ→即購入、ということをしなくなりました。ちと感性が老化したかな? ちょくちょく本屋には行くのだけど、イマイチ引っ掛かりを感じる本にうまく出会えないのです。
 慣れ親しんだ文体と世界観。作家生活25年の手足れにより、完成度高く創られた若者の精神世界。もう一方のトレンドはといえば、リアルな若さをそのまま丸出し、イケメン・ギャル作家による、どちらかというと技術よりも感性が勝ってるように思える最近の小説群。
 さあ、あなたならドッチを読みますか?