たとえば、源義経や新撰組の沖田総司はその実、ちっとも男前ではなくて。でも彼らはたぶんヒーローになろうとして自ら悲劇を選んだ訳じゃなく。ヒーローは周りに美化されてできあがるもの。自分から希望してなれるヒーロー、生まれながらにして存在そのものがヒーローなんて人間、いるわけがないし。それが、映画『 ライフアクアティック 』を観た感想。
冒険ドキュメンタリー映画を作る監督であり、同時に作られた事実を演じる主演男優であり、事実がどうだったかなんてことより、事実をどう見せるかの方が大事。いつも自分のカメラ写りを気にしている。そんな胡散臭いけど憎めない冒険家を、ビル・マーレイが演じているのだけれど、その冒険家は、自分の作った嘘の世界に心酔していて、彼の潜水艦の世界に住む人たちは誰もそれに逆らえなくて。外の世界から入ってきて彼の嘘世界には批判的な人間ですら、いつの間にか彼のペースに巻き込まれている。そんな冒険家たちが繰り広げる活劇は、ググッとカメラを遠くに引いて見てみるとけっこう滑稽だったりして。
ちっちゃな黄色い潜水艦の中に窮屈に身を寄せながら、潜水艦の外の世界、その美しさと残酷さを見ようと挑戦してる迷作(一応ほめたいという意思はあります)でありました。
★今日の一曲★
THE BEATLES 『 YELLOW SUBMALINE 』
黄色い潜水艦の中は、お魚や珊瑚、いっぱい見られて楽しいな~。でもその潜水艦が海底を通る道すがら、キレイな珊瑚を傷つけたり折っちゃったり、自由に泳いでるかわいらしいお魚たちを蹴散らしたりしてないでしょうか? 潜望鏡とフロントガラスから見た世界だけで、“本日も異常なし!”なんて果たして言えるのかな?
冒険ドキュメンタリー映画を作る監督であり、同時に作られた事実を演じる主演男優であり、事実がどうだったかなんてことより、事実をどう見せるかの方が大事。いつも自分のカメラ写りを気にしている。そんな胡散臭いけど憎めない冒険家を、ビル・マーレイが演じているのだけれど、その冒険家は、自分の作った嘘の世界に心酔していて、彼の潜水艦の世界に住む人たちは誰もそれに逆らえなくて。外の世界から入ってきて彼の嘘世界には批判的な人間ですら、いつの間にか彼のペースに巻き込まれている。そんな冒険家たちが繰り広げる活劇は、ググッとカメラを遠くに引いて見てみるとけっこう滑稽だったりして。
ちっちゃな黄色い潜水艦の中に窮屈に身を寄せながら、潜水艦の外の世界、その美しさと残酷さを見ようと挑戦してる迷作(一応ほめたいという意思はあります)でありました。
★今日の一曲★
THE BEATLES 『 YELLOW SUBMALINE 』
黄色い潜水艦の中は、お魚や珊瑚、いっぱい見られて楽しいな~。でもその潜水艦が海底を通る道すがら、キレイな珊瑚を傷つけたり折っちゃったり、自由に泳いでるかわいらしいお魚たちを蹴散らしたりしてないでしょうか? 潜望鏡とフロントガラスから見た世界だけで、“本日も異常なし!”なんて果たして言えるのかな?