期待していただけに、大変残念な出来でした。
先ほどまで、BSフジで、「三屋清左衛門残日録」をみていました。
原作は、私が、災害時の避難物品に唯一入れており、退職間近の後輩に必読書として薦めている、藤沢周平さんの小説です。
田舎の小藩の中級幹部として隠居した男の、引退後の生き様を描いた作品で、「人間関係を大事にしながらゆったりと過ごしつつも、藩の一大事には、陰ながら、しっかり力を尽くす」と言うものです。
多くの読者の共鳴を得ているポイントは、「引退後の生き様即ち残日の過ごし方」だと思います。
今日のドラマでは、「残日録」と言うテーマを見失い、専ら、藩の派閥争いに積極的に関与させてアクションを重視してしまっていました。
まるで、「現役の動き方」です。
大道具、小道具、ロケ、俳優などには、民放の記念番組らしく手抜きは無かったが、肝心要のテーマを掘り下げたストーリー展開つくりが雑過ぎて、「心に残る作品にはならなかった」と思いました。
行きつけの小料理屋が、藩の幹部が出入りしそうな大料亭なのは不自然だし、妻に先立たれている老年期の主人公が仄かな思いを寄せるからこそ行きつけにしている女将よりも、息子の嫁の存在が目立つのは、有り得ない。
小説が「カレイの塩焼きで日本酒の熱燗」とすれば、このドラマは「ヒラメのバター焼きでワイン」のイメージだった。
先ほどまで、BSフジで、「三屋清左衛門残日録」をみていました。
原作は、私が、災害時の避難物品に唯一入れており、退職間近の後輩に必読書として薦めている、藤沢周平さんの小説です。
田舎の小藩の中級幹部として隠居した男の、引退後の生き様を描いた作品で、「人間関係を大事にしながらゆったりと過ごしつつも、藩の一大事には、陰ながら、しっかり力を尽くす」と言うものです。
多くの読者の共鳴を得ているポイントは、「引退後の生き様即ち残日の過ごし方」だと思います。
今日のドラマでは、「残日録」と言うテーマを見失い、専ら、藩の派閥争いに積極的に関与させてアクションを重視してしまっていました。
まるで、「現役の動き方」です。
大道具、小道具、ロケ、俳優などには、民放の記念番組らしく手抜きは無かったが、肝心要のテーマを掘り下げたストーリー展開つくりが雑過ぎて、「心に残る作品にはならなかった」と思いました。
行きつけの小料理屋が、藩の幹部が出入りしそうな大料亭なのは不自然だし、妻に先立たれている老年期の主人公が仄かな思いを寄せるからこそ行きつけにしている女将よりも、息子の嫁の存在が目立つのは、有り得ない。
小説が「カレイの塩焼きで日本酒の熱燗」とすれば、このドラマは「ヒラメのバター焼きでワイン」のイメージだった。