今日は、午前中の笛の教室をギリギリまでやった後、T先生と笛の仲間4人で千葉駅まで走って12時11分発の電車に飛び乗り、品川・蒲田で乗り換えて、下丸子の大田区民プラザに行きました。
地元の自治会連合会などのお世話で開かれる、歌舞伎「神霊矢口渡・頓兵衛住家之場」の上演を観るためです。
近くシンガポールに転勤するi君は、荷造りを途中にして会場で合流しました。
芝居の内容は、下丸子の近くに「矢口渡」と言う駅がありますが、今から650年前にこの地であったとされる、足利方と新田方の争いに絡んで起きた庶民の欲と愛を巡る悲劇の話でした。
演じたのは、秩父歌舞伎正和会です。
主役のお舟は、この劇団のリーダーでもある第十二代喜熨斗屋坂東彦五郎さんで、化粧と衣装、振る舞いが大変艶やかでした。
約2時間近い舞台でしたが、大道具、小道具、描き割り、黒衣の動きなど目に見えるスタッフばかりでなく、義太夫や下座音楽まで、本当に見事で、ずっと引き込まれ、満喫しました。
彦五郎さんは、笛の教室のT先生と一緒に、数年前に我が家の初釜にお出で頂いて以来、笛の教室の発表会や昨年末の秩父の火祭りなどで、何かとお世話になっていましたが、舞台を観るのは初めてでした。
素晴らしい女形ぶりでした。
脇役では、下男の六蔵役の坂本さんの細部まで心配りを感じさせる演技が良かったと思います。
幕が下りた後、T先生を先頭に、笛の仲間と楽屋を訪ねましたが、鬘を外して化粧落とし途中の彦五郎さんは、「やり切った」と言う充実した表情をしていました。
皆様、ありがとうございました。