みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

四月尽

2018年04月30日 | 俳句日記
季語「四月尽」は四月の晦日、今日のこ
とである、(しがつじん)と読む。
春の名残りに浸る趣がある。

春は尽きせぬ天然である。


春の雪。


朧月夜。



春の花。


春の鳥。


春の風。


行雲。


流水。

そして、

春の宵。

麗らかな春の陽気を壁紙にして、
まだまだ無尽蔵な天然がある。
それもひとまず今日でお別れにしよう。
一期一会の春が尽きる。

〈朧麗暁暮 幾歳愛でて 四月尽〉放浪子
季語・四月尽(春)

4月30日〔月〕晴れ
天地自然は尽きることはない。
が、選択を誤ると人の世は尽きる。
お花畑に遊んでばかりいるとそうなる。


昭和の日に想う

2018年04月29日 | 俳句日記


「人生なんてアッ!と言う間のもんだ」
本当にそう思ってしまう。

《降る雪や 明治は遠く なりにけり》

と詠んだのは中村草田男先生だが、明治
34年生まれの氏が、昭和6年に母校の小
学校を訪ねた際の句である。

当時30歳、明治が終わってからまだ30年
しか経っていない。
随分と早熟な感性をお持ちだと思ってい
たら、東大俳句会でご活躍なさっていた
頃と知って納得した。

まあしかし、あの頃は今よりまして激動
のご時世、誰もが一抹の不安を抱えて生
きていた時代だけに、雪の中に佇んで校
舎を仰げばそんな気になるのも自然だ。

昭和の前半は、有史以来の激動だった。
団塊の我々も、その時代を引きずって生
きて来たとも言える。
けして穏やかな半生ではなかった。

特に福岡県の筑豊という炭鉱町で育った
私は、空を見上げればロッキード戦闘機
、地には米軍のジープが疾駆していた頃
に物心ついた。
朝鮮戦争の辺縁に生きていたのである。

労働争議も間近に見た。
荒くれ者の切った張ったも身近だった。
キューバ危機は中学の頃、大学に入れば
70年安保、御託に違わず渦中にあった。

社会に出れば保革伯仲の選挙戦。
世界はというとずっと冷戦が続いた。
そして昭和64年1月7日天皇陛下御崩御。
同時に昭和が終わる。

殉死なさった方も多くいらした。
昭和天皇と共に戦前戦後を生き抜いて来
られた方々の心情が、この歳になるとよ
く分かる。

昭和という時代はそんな時代だった。
私にとっても、天皇といえば昭和天皇で
あることは間違いない。
すでに30年、昭和は遠くなりにけり。



〈穏やかに 省みすれば 昭和の日〉放浪子
季語・昭和の日(春)

4月29日 〔日〕晴れ
昭和は終わっていたと思っていたら、宿
題が残っていた。
憲法改正と拉致被害者の救済である。
どちらも朝鮮戦争の終結とリンクしてい
る課題だ。
だからなのか、野党は板門店宣言を歓迎
するコメントを出さずにいる。




勲章菊と板門店宣言

2018年04月28日 | 俳句日記


ゴールデンウイークの初日は晴れた。
街路樹の根元を飾る勲章菊が、殊の外生
き生きとしている。
南北宥和を寿いでいる訳でもあるまい。

海外でも儀礼的な評価に終始している。
ローマ法皇も一応の祝辞は述べられた。
昨日書いた様に、将軍様の腹の内を何処
の国も読めずにいるからだ。

宜なるかな、本心からのビッグイベント
であるならば、本国でも大々的に祝賀の
行事が有ってもよさそうなものなのに、
他人事の様にニュースが流れた由。

穿った見方をすれば、その事だけでも衣
の裾から甲冑である。
早速、ロシアは5カ国協議を、中共は4カ
国協議のメッセージを送った。

さてトランプはどう中継を観ていたか?
北鮮の内情を一番掴んでいるのは米国で
ある事を世界は知っている。
各国は、固唾を呑んで米国を見ている。

勲章菊は秋蒔きで、晩春から秋口まで咲
いているから、季語ではない。
この花が咲いてる内に、半島問題の答え
は出るのだろうか?

第二幕にかかっている。

〈半島の 勲章菊や 誰咲かす〉放浪子
季語・無し

4月28日〔土〕 晴れ
半島の休戦協定が平和条約に変わると
在日朝鮮人の在日根拠が失われるのだ
そうだ。
戦時中の徴用者や朝鮮戦争の難民に与
えられていた特権だったからである。
だが、95%は勝手に渡ってきた連中で
あるらしい。
日本は世界に先駆けて難民問題に苦し
んで来ていたのだ。

蛙の目借り時と南北会談

2018年04月27日 | 俳句日記


終日、済生会病院にいた。
午前は検査で、午後が抗癌剤の点滴だ。
昼食は、天神中央公園の青葉若葉の櫻葉
の下で取る事が出来た。

食事をすれば眠くなる。
特に今時期の睡魔の誘いを、俳句の世界
では「蛙の目借り時」と季語に詠う。
蛙が目を借りに来るから眠いのだと。

病院に戻ると3時間半の点滴が始まる。
テレビをつけて世紀のイベントを観た。




蛙に目を借りられないように力を入れて
観ていたつもりが、やはり借りに来られ
て、爆睡してしまった。
会談の予定変更がいけないのだ。

6時を回って棲家に帰り着くと、サンド
イッチをパクつきながら一連の流れを、
ネットで追った。






「板門店宣言」の内容といい、式典の流
れといい、明らかに半島統一への第一幕
が切って落とされた。
コンパクトに纏められた旨い演出だ。

文大統領は「民族の統一」という悲願を
前面に打ち出し、国際世論に訴えた。
正恩将軍は「非核化への譲歩」を表明し
て、米中会談に水を差した。

これでついに第二幕は、米中露の半島に
対する「三国干渉」がテーマとなる。
但し、かつて日本が受けた三国干渉とは
違って、これを仕掛けたのは正恩だ。

この将軍は、まだ季節は早いが「かぐや姫」になろうとしているようだ。
三国を相手に、韓国をお土産にしたオー
クションを開こうとしている。

正恩は侮れない将軍であると分かった。
彼は、核廃棄の見返りの最大化を目途し
ている。
それぞれから貢ぎ物をさせる気だ。

トランプの脅しを逆手にとって、習皇帝
の懐に飛び込んだのも、すがりついたの
ではなく、中共にもカードを持たせて、
三国をテーブルに着かせたのだ。

ひょっとして、その指南役はプーチンか
も知れない。
プーチンも半島全体の利権が欲しくて、
堪らない、シベリア開発のために。

彼と正恩は、北鮮の存在が次の世界大戦
の引金となることを十分知っている。
共にイラン、シリアというも一つの火種
と連携しているからだ。

世界のトップや軍人達は半島が常に火種
であることを歴史から学び取っていた。
半島に手を出して、したくもない戦争に
巻き込まれた国が多くある。

古くはペレポネソス・イタリア、そして
アラビア・バルカン・クリミア・インド
シナ、さらに朝鮮半島と、大国間のパワ
ーバランスが軋んだ時、地政学的に脆い
半島から戦いが始まるのだ。

ある意味今日、両刃の剣が抜かれた。
蛙に目を借さぬ様誰も寝てはいけない。
日本にとって半島は、二千年に亘る鬼門
である事も。

〈人知れず あわや蛙の 目借り時〉放浪子
季語・蛙の目借り時(晩春)

4月27日 〔金〕晴れ
何処に居ても、世界が知れる時代だ。
フェイクニュースやプロパガンダそして
パフォーマンスに騙される時代は終了。
保守も革新も、もはや不要な色分けだ。

搔き集めた真実から、将来を見透す能力
(情報リテラシー)を鍛えること。
それが大きな災いの被害を、最小限に抑
えることが出来る入り口なのである。

ネットは切取りのない映像を見せてくれ
る、顔つき所作等で、人物像を推し測る
ことも出来る。
繰り返しチェック出来るのも強みだ。

今日見た天神中央公園の鳩は、残念なが
ら平和の白鳩ではなく黒灰色だった。


昨日の黒猫も気になってしょうがない。
現在、午前4時30分。
ブログのアップが遅くなって御免‼ ︎🙏











其々の暮の春

2018年04月26日 | 俳句日記


団地の裏庭に、もう小アヤメの花が群れ
咲いていた。
火襷の花瓶に投げ込もうと、貰って帰る
ことにした。

バス停への道すがら、黒猫の子がしきり
に何かを捕まえようとしている。


近づくと、こちらに気付いて睨まれた。


前脚の間から、何かがツツーッと這い出
て、伸び初めた夏草へ隠れようとする。
瞬間シャッターを押したら画が撮れた。


トカゲである、尻尾が既に切れている。
子猫が、今にも飛び掛ろうとしたので、
前に回り込んでもう一枚撮った。


トカゲは、かなりダメージを受けている
ようで動かない。
摘み上げて草の茂みに放した。
どちらも、人間ならば中学生位だった。

良い事をしたよな〜、と悦に浸りながら
坂を下って行くと、いつもは吠える番犬
が、垣根の間から鼻面を出して虚ろな顔
をしていた。


つい20m先で、生死を賭けたバトルが行
なわれた事も知らず、天下泰平である。

〈命あり 皆それぞれに 暮の春〉放浪子
季語・暮の春(春)

4月26日 〔木〕晴れ
自衛隊に統合司令部が出来るそうだ。
統合幕僚本部は主に陸海空の管理調整に
力点が置かれていたが、今回は実戦配備
を目途した改編である。
中共と北鮮を睨んでのことだ。
実は、雪解けなどとは言えないほどに、
事態は緊迫の度を増している。