みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

新暦の卯月、旧暦の如月

2018年04月03日 | 俳句日記
今日は旧暦の2月18日、如月の十日あまり八日である。
新暦4月の旧暦月名は卯月、現代歳時記
では、卯月を夏の季語としている。

おまけに明治以来、新暦が罷り通ってい
るから、歳時記を繰るのも一苦労。
特に春から夏のこの時期、俳句の世界は
季節を季語で表すのに混乱してしまう。

と言うのも、蕉門以来季語が整い始めた
ころ、世界は近世の小氷期にあった。
第一期が、秀忠・家光の40年間、第二期が綱吉から吉宗の50年間である。

欧州では、テムズ川やアムステルダム港
が凍り、凶作故の戦争が絶えなかった。
日本では、第二期が蕉門俳句が興り、
蕪村が蕉門を再興する頃までである。

この頃の季語の数は千近くあったそうだ
が、現代は五千位になっているらしい。
それはそうだろう、天文・時候は変わら
ずとも、生活・行事・動植物は増える。

現在は、其れに温暖化や異常気象が加わ
るから、きのう今日のような事になる。
小学校の染井吉野は新緑の候となった。


街路樹の銀杏の新芽が一斉に芽吹き、


よく見ると葉の形が、すでにイチョウに
なっている。


入り会い墓地のイロハ紅葉は、すっかり
青葉若葉の日の光となった。


福岡市の最高気温は24.6度、夏日です。
もう、伝統的な季節俳句は、北陸・中越
・東北・北海道でしか詠めないのかも知
れない。

〈惜春の 思いも遂げず はや卯月〉放浪子
季語・惜春(春)、卯月(夏)

4月3日〔火〕晴れ
春休みなのに、しきりに男の子の話す声
がする。
ベランダから覗いてみた。

通学路の入り口の角で、子雀が二羽腰を
下ろし、何やら表情豊かに話している。
話の内容は聞き取れないが、なんとも親
しげな様子にほっこりして、一杯にズー
ムアップして画像を納めた。

街路樹を撮った帰りに、自販機の前で女
の子がボンヤリと立っている。
「どうかした?」
いやいやとかぶりを振る。
「大丈夫?」
コクリと頷く。
「あ!写真を撮らせて⁈」
また、コクリ。


シューマンやドビッシーならずとも、
子雀の情景や領分を大人が守ってあげ
れば、世界は平和になると思うのだが。