みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

夕されば‥‥。

2018年11月27日 | 俳句日記


〈夕されば 鵯(ヒヨ)がついばむ 木守柿〉放浪子
季語・木守柿(冬)

11月27日〔火〕薄曇り

時折日の差すほどの天候だったが、気温はさほど
下がらなかった。
むしろ時節としては暖かい方だったろう。
日中はオタクして居た。

夕餉の支度に出て日足の速さを感じ、今日のお題を「夕されば」と決めて季語を探すことにした。
冬の日の短さを、短日・日短(ひみじか)・暮早し
等という、何れも季語である。

「夕されば」は季語では無い。
単に「夕方になると‥‥」と言う古語である。
これを発句として句作に挑むのである。
画像を得るのが難しいところに面白さがある。



〈夕されば 銀杏落葉も いと寂し〉放浪子
季語・銀杏落葉(冬)

日中の陽射しを照り返す銀杏の葉は黄金の華やかさがあるが、日が翳り出すと途端に精彩を無くし
薄ら寂しくなる。



〈夕されば 友待つ子供に 風邪の神〉放浪子
季語・風邪の神(冬)

通学路の角っこで、男の子が友達を待っていた。
直前まで身体を動かしていたのか、上着を脱いで
しまっている。
風邪をひくなと声を掛けた。

秋の夕暮れは静寂な空間の情趣があるが、冬の日暮れは侘しさと危険が潜んでいる。
年寄は物好きに出歩くものでは無い。(終わり)