みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

ゴーンショックの背景

2018年11月22日 | 俳句日記

マクロン仏大統領

11月22日〔木〕冬曇り 夕刻より月が覗く

毎日、ゴーン報道が喧しい。
概して、地上波TVや新聞報道はゴーン氏の容疑ばかりをなぞって隔靴掻痒の感を否め無い。
コメンテーターも保身なのか無知なのか同様だ。

私は一昨日、これは外交マターだと書いた。
更に、グローバリズムとナショナリズムの確執だ
とまで書いた。
そんな匂いがしたからである、勘である。

今日もこの問題を追いかけていた。
すると経済評論家の渡邉哲也氏が物の見事に背景を語っているネット映像を見つけた。
日本人が認識すべき事柄なので要点をまとめた。

①日産は労組が強い企業であった。
②故に、バブル崩壊後業績不振に陥った。
③そこで技術提携をしていたルノーに相談する。
④ルノーはゴーンを送り込む。
⑤ゴーンは労組解体の為に2万人の首を切る。
⑥ルノーは日産の経営改善の為と株の持ち合いを
日産に持掛け、44%を取得する。

ここまでがルノーの日産戦略の第一段階である。

⑦ル社は仏国が株の15%を持つ国策企業である。
⑧ル社は現在経営不振で日産の利益に依存する。
⑨欧州日産は生産拠点を英国に置いている。
⑩マクロンは仏国内に拠点を移動させたい。

これに対して英国は、

11.EU離脱後を睨んで日産を国内に留めたい。
12.マクロンは牽制策として中国と連携した。
13.ゴーンは一兆円の持参金付きで、今年の2月中国進出を図った。

ここから国際問題に発展する。

14.マクロンはそれ以前に対米政策として、仏中露の欧州軍の創設を国際社会に公表した。
15.トランプは、これに激怒した。
16.ペンス副大統領は、インディアナ州の知事の
時代、熱心に日本企業の誘致に奔走した人だ。
17.インディ州は自動車産業に依存している。
18.従って日産・三菱の技術協力が欲しい。
19.大統領と副大統領の意図は一致した。

ここで日本が登場する。

20.逮捕以前、ゴーンは日本政府にルノー・日産
・三菱の経営統合を打診した。
21.これを経産省はきっぱり拒否した。
22.これをきっかけに日産の経営陣内に確執が起
こり始める。

そして、内部告発により今回の事件発覚となるのである。

世界の先進各国のメディアは、グローバル企業の
トップが日本の国内法によって逮捕された⁉︎と驚きを持って報道しているそうである。
安倍政権は毅然として日本の主権を示した。

「天網恢々、疎にして漏らさず」
トランプ大統領の出現とゴーン氏の不始末は、正に日本にとって天佑神助なのかも知れない。
国際社会は国益或は私益の為に常に戦っている。

国策を誤れば途端に国民は生活基盤を失う。
経済的にも、軍事的にも、各国は常に連携してそれを防衛して来た。
それが人類の歴史である。

明日は満月、月に願いを祈る日である。
世界がどうであれ、人が人らしく、企業が企業らしく公器である事を望みたいものである。
ゴーン氏が日本に生まれていたならば世界に福音
をもたらす人として名を残しただろうに。

〈冬曇り のちに雲間の 月の影〉放浪子
季語・冬曇り(冬)