今日9/1放送のラジオ番組「ミラクルショット」でモーツァルトの短調作品のことに触れました。
番組は時間の制約もあり、あまりマニアックな話題を延々と話し続けるわけにもいかなかったので、ブログでその続きを書かせていただきます。
モーツァルトは、35歳の若さで亡くなってしまったというのに、 恐るべき数の名曲を世に送り出した奇跡の天才。
汲めど尽きせぬメロディと楽想の泉、音楽創作の世界の永遠のお手本です。
長調の楽しい作品が圧倒的に多く、「アイネクライネ・ナハトムジーク」とか、「クラリネット協奏曲第3楽章」とか、「オペラ・フィガロの結婚・序曲」とか、いずれも「親しみ易く、覚えやすく、明快」な作風は現代のポップスに通ずるものがあります。
なんでも、彼が生涯残した作品の73パーセントが長調だという調査結果もあり、カウントの方式によれば16分の15が長調だという意見もあります。
一方、数は少ないけれど短調の作品にも聴く者の琴線を掴んで離さない傑作が多いです。
人としての悩み悲しみの情念が見事に表現されていて、僕は大好きです。
今日は、僕の大好きな、オススメのモーツァルトの短調作品・ベストテン!!を勝手にご紹介しちゃいます。
まず、「ミラクルショット」の番組内でもかけましたが、僕のベストワンはこれ。
◆ピアノ協奏曲第24番(第三楽章)
彼が生涯に書いたピアノ協奏曲は27作あり、20番以降の晩年の作品は特に傑作が揃っています。
全Pコンの中で短調は20番と24番だけです。
24番は、減七和音(ディミニッシュコード)が多用され不安感・悲壮感をあおる第一楽章、も素敵ですが、
第三楽章にたまらない魅力を感じます。
哀愁と品格がありながらマーチのような軽快なリズムを持つユニークな曲で、ただひとつの主題旋律を手を変え品を変え変奏しまくっていく、とても楽しい短調作品です。
オススメ盤/クララ・ハスキル(p)イーゴリ・マルケヴィチ指揮 1960年
◆ピアノ協奏曲第20番
作品トータルの出来は24番を凌駕し、それどころか全Pコンの中でも恐らく最高傑作です。
緊張感がありながらも美しい第一楽章、天国のやすらぎの第二楽章、激情とユーモアの交錯する華やかな第三楽章。
映画「アマデウス」でも重要な場面とエンディングで使用されていました。
オススメ盤/24番と同じ
◆交響曲第40番(第一楽章)
この甘くせつない魅惑の旋律は、誰も文句のつけようのない永遠の名作。
幾多の指揮者やオーケストラが録音していますが、
僕はワルターやベームのようなあまりカッチリしたのは好きでなく、
さざ波のように寄せてくるといったニュアンスで演奏されるものが好きです。
オススメ盤/ジュリーニ指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団 1965年
◆弦楽五重奏曲第4番(第一楽章)
「疾走する悲しみ」と表現される名曲。
モー先生の短調作品の中では、琴線の揺さぶられ度合いがトップクラス。
作者の指定するテンポよりも少しスローな方が僕は好きです。
オススメ盤/スローなテンポ→ブタペスト弦楽四重奏団+1・1966年
通常テンポ→アマデウス弦楽四重奏団+1・1969年
◆ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)
みんな大好き、「トルコ行進曲」が第三楽章に出てくるピアノ曲。
第一楽章も第二楽章も超名曲です。
モー先生のピアノソナタは先生の一番ピュアなものが見えるような気がして、興味がつきません。
オススメ盤/内田光子・1983年
◆ピアノソナタ第9番(旧8番)
勇ましく始まる、テンポのよい短調作品。
パッセージが速いので、よく集中して聴いてみて下さい。
珠玉のメロディがこれでもかこれでもか、とザクザク出てきます。
◆ピアノ協奏曲第23番第二楽章
前後の第一・第三楽章ともカラッと明るいのに、突然深い悲しみのどん底に突き落とされるすごい曲。
先日、友人が亡くなった翌日この曲を聴いて、僕ははらはらと涙を流しました。
◆交響曲第25番
短調の交響曲として大変有名。
映画「アマデウス」のオープニングや、CMなどで盛んに使用されています。
あまり琴線はくすぐられないかな。
◆バイオリンソナタ第28番
あなたもきっと、聴いたことがある、印象的なメロディのユニゾン。
◆ピアノソナタ第14番
以上がベストテンです。
「レクイエム」、通称モツレクも悲しい名曲です。だって、鎮魂曲ですもの。
ただしこの曲の作曲中にモーツァルトは絶命して、弟子が加筆して完成させたため、
このベスト10は「欄外」としました。
いかがですか。モーツァルトの短調作品に興味を抱いていただけましたか。
よろしかったらぜひCDなどでこの魅惑の世界をご体験なさって下さい。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
番組は時間の制約もあり、あまりマニアックな話題を延々と話し続けるわけにもいかなかったので、ブログでその続きを書かせていただきます。
モーツァルトは、35歳の若さで亡くなってしまったというのに、 恐るべき数の名曲を世に送り出した奇跡の天才。
汲めど尽きせぬメロディと楽想の泉、音楽創作の世界の永遠のお手本です。
長調の楽しい作品が圧倒的に多く、「アイネクライネ・ナハトムジーク」とか、「クラリネット協奏曲第3楽章」とか、「オペラ・フィガロの結婚・序曲」とか、いずれも「親しみ易く、覚えやすく、明快」な作風は現代のポップスに通ずるものがあります。
なんでも、彼が生涯残した作品の73パーセントが長調だという調査結果もあり、カウントの方式によれば16分の15が長調だという意見もあります。
一方、数は少ないけれど短調の作品にも聴く者の琴線を掴んで離さない傑作が多いです。
人としての悩み悲しみの情念が見事に表現されていて、僕は大好きです。
今日は、僕の大好きな、オススメのモーツァルトの短調作品・ベストテン!!を勝手にご紹介しちゃいます。
まず、「ミラクルショット」の番組内でもかけましたが、僕のベストワンはこれ。
◆ピアノ協奏曲第24番(第三楽章)
彼が生涯に書いたピアノ協奏曲は27作あり、20番以降の晩年の作品は特に傑作が揃っています。
全Pコンの中で短調は20番と24番だけです。
24番は、減七和音(ディミニッシュコード)が多用され不安感・悲壮感をあおる第一楽章、も素敵ですが、
第三楽章にたまらない魅力を感じます。
哀愁と品格がありながらマーチのような軽快なリズムを持つユニークな曲で、ただひとつの主題旋律を手を変え品を変え変奏しまくっていく、とても楽しい短調作品です。
オススメ盤/クララ・ハスキル(p)イーゴリ・マルケヴィチ指揮 1960年
◆ピアノ協奏曲第20番
作品トータルの出来は24番を凌駕し、それどころか全Pコンの中でも恐らく最高傑作です。
緊張感がありながらも美しい第一楽章、天国のやすらぎの第二楽章、激情とユーモアの交錯する華やかな第三楽章。
映画「アマデウス」でも重要な場面とエンディングで使用されていました。
オススメ盤/24番と同じ
◆交響曲第40番(第一楽章)
この甘くせつない魅惑の旋律は、誰も文句のつけようのない永遠の名作。
幾多の指揮者やオーケストラが録音していますが、
僕はワルターやベームのようなあまりカッチリしたのは好きでなく、
さざ波のように寄せてくるといったニュアンスで演奏されるものが好きです。
オススメ盤/ジュリーニ指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団 1965年
◆弦楽五重奏曲第4番(第一楽章)
「疾走する悲しみ」と表現される名曲。
モー先生の短調作品の中では、琴線の揺さぶられ度合いがトップクラス。
作者の指定するテンポよりも少しスローな方が僕は好きです。
オススメ盤/スローなテンポ→ブタペスト弦楽四重奏団+1・1966年
通常テンポ→アマデウス弦楽四重奏団+1・1969年
◆ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)
みんな大好き、「トルコ行進曲」が第三楽章に出てくるピアノ曲。
第一楽章も第二楽章も超名曲です。
モー先生のピアノソナタは先生の一番ピュアなものが見えるような気がして、興味がつきません。
オススメ盤/内田光子・1983年
◆ピアノソナタ第9番(旧8番)
勇ましく始まる、テンポのよい短調作品。
パッセージが速いので、よく集中して聴いてみて下さい。
珠玉のメロディがこれでもかこれでもか、とザクザク出てきます。
◆ピアノ協奏曲第23番第二楽章
前後の第一・第三楽章ともカラッと明るいのに、突然深い悲しみのどん底に突き落とされるすごい曲。
先日、友人が亡くなった翌日この曲を聴いて、僕ははらはらと涙を流しました。
◆交響曲第25番
短調の交響曲として大変有名。
映画「アマデウス」のオープニングや、CMなどで盛んに使用されています。
あまり琴線はくすぐられないかな。
◆バイオリンソナタ第28番
あなたもきっと、聴いたことがある、印象的なメロディのユニゾン。
◆ピアノソナタ第14番
以上がベストテンです。
「レクイエム」、通称モツレクも悲しい名曲です。だって、鎮魂曲ですもの。
ただしこの曲の作曲中にモーツァルトは絶命して、弟子が加筆して完成させたため、
このベスト10は「欄外」としました。
いかがですか。モーツァルトの短調作品に興味を抱いていただけましたか。
よろしかったらぜひCDなどでこの魅惑の世界をご体験なさって下さい。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
15番は、残念ながら他の作品を凌ぐ傑作ではありませんが、味のあるいい曲と思います。
ただ、長調ですからここには関係しません。