☆♪☆ 鉄のみゅーじしゃん ☆♪☆

作編曲家・ギタリスト塩塚博のブログ。
近年は駅メロディの作曲で知られています。

今日のオペラは「こうもり」♪

2020年05月19日 16時52分54秒 | クラシック音楽
先日、久しぶりにオペラのDVDを楽しんだことを書きました。
その日見たのはドニゼッティ作「連隊の娘」。明るいコメディタッチの作品で、午後のひとときを気分よく過ごせました。

その記事には、僕が愛してやまないオペラをいくつか書きましたが、ある方から「私も『こうもり』大好き」とのコメントをいただきました。
ということで、今日は予定変更で「こうもり」(ヨハン・シュトラウス2世)を楽しんでいます。

久しぶりに見てみたら、おお、指揮は最も華があり絵になる指揮者カルロス・クライバー。オケはバイエルン国立管弦楽団、1987年。





もう、序曲から心と目が奪われます。
この「こうもり」もコメディで、明るくてポップなメロディのオンパレード。
またクライバーが繊細に脚色していて、ホントに素敵なんです。
いいなぁ、オペラ♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日はオペラのDVD♪

2020年05月16日 20時45分35秒 | クラシック音楽
皆さん、STAY HOMEお疲れさまです。

僕も毎日の過ごし方をそれなりに工夫し、「今日のテーマ」を決めて、なるべく意義のある一日を過ごそうとガンバッているのですが、今日も「やる気スイッチ」が散歩に出たまま帰ってこない・・・。

ということで今日は気分を変えて、久しぶりにオペラのDVDを見ました。
2006年ころから2012年ころまでオペラにドはまりしていた僕は、DVDも20枚以上買い集め、生のオペラも何度も見に行きましたねぇ。
好きな出し物は「フィガロの結婚」「魔笛」(モーツァルト)、「カルメン」(ビゼー)、「こうもり」(ヨハン・シュトラウス2世)、「メリーウィドウ」(レハール)などなどですが、明るいコメディタッチのものが好きなんです。
プッチーニやヴェルディのオペラはいいんだけど、悲劇ばかりで、見てて疲れるんですよね。

そんな僕のお気に入りの作曲家がガエターノ・ドニゼッティ。



代表作のひとつ「連隊の娘」は底抜けに楽しいコメディで、素敵なメロディのオンパレード。
午後のひとときを楽しく有意義に過ごせて、よかった(^O^)



ドニゼッティは他に「愛の妙薬」というこれまた楽しくて名曲ぞろいのオペラがあって大好きなのですが、次はこれを見よっと♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼・アーノンクールさん

2016年03月07日 14時06分03秒 | クラシック音楽
大好きな指揮者の巨匠、ニコラウス・アーノンクールさんが亡くなりました。86歳。



2010年11月、当時80歳の彼は、最後の日本公演と宣言し、日本のファンにお別れの挨拶に来てくれました。
その公演を見ている僕は、あの最後のコンサートを、懐かしく安らかに思い出して、故人を偲んでいます。

11月4日、コンサートで見たアーノンクールさんのことを僕はブログに書きました。
その時の文章が、僕の彼への思いを余すところなく語っていますので、そのままコピペさせていただきます。
どうぞ、ご覧ください。

---***---***---

昨日、東京オペラシティに見に行ってきました。
指揮ニコラウス・アーノンクール、ウイーン・コンツェントゥス・ムジクス。

巨匠アーノンクールが一生かけて追求する、
古楽器(ピリオド楽器)による古典音楽のリアルで瑞々しい再生。
その時代の音楽は、その時代の楽器を使ってこそ、最も説得力を持つという考え方。

見たことないような、スライドトランペットや、ずんぐりしたコントラバス、
でっかい南瓜のような可愛いティンパニなどなど。 見ているだけで楽しい。
弦楽器は、基本的に金属弦でなくガット弦を張っており、
シャープさや音量で劣るものの、やさしく味わいのある音色。
現代のオーケストラとは明らかに異質の、懐かしく暖かい音世界でした。

僕がアーノンクール師を敬愛するのは、けっして古楽器を使っているからではなく、
楽器を含めた「こだわり」の人だから、であります。

指揮者というのは、指揮する作業は最後の締めであって、
音楽監督あるいは演出家という役割が一番大事なところです。
師は、この曲をやると決めたら、その曲に最もふさわしく最も魅力が生きるであろう
テンポ設定や細かいアーティキュレーションを、こだわりを持って楽団員にディレクションをする。
師によって脚色された楽曲は、作者の魂を甦らせ、
聴く者の琴線をゆさぶる、活き活きとしたものに生まれ変わります。

東京で6日間あった公演の最終日だった昨日の演目は、モーツァルト特集。
セレナード第9番「ポストホルン」と
交響曲第35番「ハフナー」。
どちらも、曲の生い立ちに「惜別」のテーマを持った曲。

そう、今年80歳、「これが最後の日本公演」と師は宣言。
日本の音楽ファンとの最期を惜しむ、素敵なプログラムです。


最初にアーノンクールさんが登場してくる。
長身。そして一度見たら忘れないあのいかつい顔立ち。
もう、カラヤンもベームもチェリビダッケもクライバーもジュリーニもこの世にいない中、
20世紀の巨匠と呼べるほんの少数の大物のひとりが、
なんともありがたいことにそこに立っている。(僕の席は2列目)

顔立ちはいかついけど、そんなに威圧感はなく、団員との信頼感と愛情がよく伝わってくる。
そして楽曲に対する愛情とこだわりも、ビシビシ、伝わる。
アーティキュレーションが、半端でなく繊細に脚色されて、
作者のモーツァルトも草場の陰でビックリしているのではないだろうか。

そして、プログラム終了後、鳴り止まぬアンコールに応えて
予定外の短い曲(これもモーツァルト)を演奏。
楽団員が全員ステージから去っても、名残を惜しむファンの拍手が更に熱を帯びてくる。
師はそれに応えて何度もお一人でカーテンコール。
客席のファンはみんな、最前列に駆け寄って、
至近距離でアーノンクールさんに拍手を贈り、「ブラボー!!」と叫び続ける。
にこやかな笑みをたたえながらも、日本のファンと最期の別れを惜しみ、
2階席3階席のお客さんにも手を振り、語りかける師。
クラシックのコンサートには珍しい、アイドルの公演のような光景です。

感動しました。
ホントに、行ってよかったです。

ありがとう、アーノンクールさん。

---***---***---

5年半前の文章ですが、あのコンサートが、目の前に蘇ってきます。
あの、掘り込みの深いオーケストレーション、鮮やかに語る楽器たち、
それを演出し束ねるアーノンクールさん。

これから、モーツァルトの「ホルン協奏曲」(ヘルマン・バウマンhorn、1973録音)を楽しみたいと思います。
もう一度、ありがとう、アーノンクールさん。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ショパンコンクール!!

2015年01月28日 16時54分24秒 | クラシック音楽
友達に「藤原伊央里」ちゃんというクラシックのピアニスト、若手のバリバリの実力者がいます。
ご縁があって12月に共演させていただいた、この伊央里ちゃんが、
先日、「ショパン国際ピアノコンクールin ASIA」の「一般部門」に出場しました。



ショパンコンクール、といえば、
過去にアルゲリッチやブーニンやツィメルマンといったそうそうたる人たちが優勝して名をあげた、
5年に1度ワルシャワで開催される大きなコンクールで、大変権威のある大会です。
伊央里ちゃんの出場したのはそのアジア地区予選でもあります。

国内予選を2位で勝ち抜いて、
本選では、韓国や中国・ベトナムの実力者たちと戦って、結果「銅賞」に入賞しました!!
本人は1位じゃないことに納得していないようですが、でもすごいことだと思います。
僕も本選の現場に応援に行きましたが、他の人も当然すごく上手くて、緊張感みなぎる現場でした。
そんな中、伊央里ちゃん、見事に弾ききりました。
本来ならブラボー!!と拍手喝采したいところでしたが、この種のコンクールでは一切の拍手喝采は禁止!!なんです。
なので、一緒に行った知り合いと二人で、ニコニコしながら、拍手してるパントマイムで労をねぎらいました。
伊央里ちゃんは壇上からそれが分かったそうで、とても喜んでくれました。

今回藤原伊央里ちゃんが出場したのは「一般部門」で、ここでもし優勝してもワルシャワには行けません。
ワルシャワのコンクールの予選は「派遣コンクール」と呼ばれる部門で、
それこそトップクラスの実力者たちがしのぎを削る、一番真剣な競技会になります。
伊央里ちゃんも、次回の2020年にはぜひこの部門で優勝してワルシャワに行って、
さらにそこでも栄冠をつかんで、ブーニンやアルゲリッチの後輩になってほしい、と期待しています。
皆さんも、ピアニスト藤原伊央里を応援してあげてくださいね。

ところで、伊央里ちゃんが銅賞に輝いたこのショパンコンクールの金賞は誰だったのかお教えしますと、
金賞は、「第一パン」、銀賞は、「山崎パン」でした!!
・・そりゃ、食パンだっ!!っちゅうの。
チャン、チャン♪
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モーツァルトの短調作品、ザ・ベスト10

2014年09月01日 22時39分06秒 | クラシック音楽
今日9/1放送のラジオ番組「ミラクルショット」でモーツァルトの短調作品のことに触れました。
番組は時間の制約もあり、あまりマニアックな話題を延々と話し続けるわけにもいかなかったので、ブログでその続きを書かせていただきます。



モーツァルトは、35歳の若さで亡くなってしまったというのに、 恐るべき数の名曲を世に送り出した奇跡の天才。
汲めど尽きせぬメロディと楽想の泉、音楽創作の世界の永遠のお手本です。
長調の楽しい作品が圧倒的に多く、「アイネクライネ・ナハトムジーク」とか、「クラリネット協奏曲第3楽章」とか、「オペラ・フィガロの結婚・序曲」とか、いずれも「親しみ易く、覚えやすく、明快」な作風は現代のポップスに通ずるものがあります。
なんでも、彼が生涯残した作品の73パーセントが長調だという調査結果もあり、カウントの方式によれば16分の15が長調だという意見もあります。
一方、数は少ないけれど短調の作品にも聴く者の琴線を掴んで離さない傑作が多いです。
人としての悩み悲しみの情念が見事に表現されていて、僕は大好きです。

今日は、僕の大好きな、オススメのモーツァルトの短調作品・ベストテン!!を勝手にご紹介しちゃいます。

まず、「ミラクルショット」の番組内でもかけましたが、僕のベストワンはこれ。
◆ピアノ協奏曲第24番(第三楽章)

彼が生涯に書いたピアノ協奏曲は27作あり、20番以降の晩年の作品は特に傑作が揃っています。
全Pコンの中で短調は20番と24番だけです。
24番は、減七和音(ディミニッシュコード)が多用され不安感・悲壮感をあおる第一楽章、も素敵ですが、
第三楽章にたまらない魅力を感じます。
哀愁と品格がありながらマーチのような軽快なリズムを持つユニークな曲で、ただひとつの主題旋律を手を変え品を変え変奏しまくっていく、とても楽しい短調作品です。
オススメ盤/クララ・ハスキル(p)イーゴリ・マルケヴィチ指揮 1960年

◆ピアノ協奏曲第20番

作品トータルの出来は24番を凌駕し、それどころか全Pコンの中でも恐らく最高傑作です。
緊張感がありながらも美しい第一楽章、天国のやすらぎの第二楽章、激情とユーモアの交錯する華やかな第三楽章。
映画「アマデウス」でも重要な場面とエンディングで使用されていました。
オススメ盤/24番と同じ

◆交響曲第40番(第一楽章)

この甘くせつない魅惑の旋律は、誰も文句のつけようのない永遠の名作。
幾多の指揮者やオーケストラが録音していますが、
僕はワルターやベームのようなあまりカッチリしたのは好きでなく、
さざ波のように寄せてくるといったニュアンスで演奏されるものが好きです。
オススメ盤/ジュリーニ指揮ニューフィルハーモニア管弦楽団 1965年

◆弦楽五重奏曲第4番(第一楽章)

「疾走する悲しみ」と表現される名曲。
モー先生の短調作品の中では、琴線の揺さぶられ度合いがトップクラス。
作者の指定するテンポよりも少しスローな方が僕は好きです。
オススメ盤/スローなテンポ→ブタペスト弦楽四重奏団+1・1966年
通常テンポ→アマデウス弦楽四重奏団+1・1969年

◆ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)

みんな大好き、「トルコ行進曲」が第三楽章に出てくるピアノ曲。
第一楽章も第二楽章も超名曲です。
モー先生のピアノソナタは先生の一番ピュアなものが見えるような気がして、興味がつきません。
オススメ盤/内田光子・1983年

◆ピアノソナタ第9番(旧8番)

勇ましく始まる、テンポのよい短調作品。
パッセージが速いので、よく集中して聴いてみて下さい。
珠玉のメロディがこれでもかこれでもか、とザクザク出てきます。

◆ピアノ協奏曲第23番第二楽章

前後の第一・第三楽章ともカラッと明るいのに、突然深い悲しみのどん底に突き落とされるすごい曲。
先日、友人が亡くなった翌日この曲を聴いて、僕ははらはらと涙を流しました。

◆交響曲第25番

短調の交響曲として大変有名。
映画「アマデウス」のオープニングや、CMなどで盛んに使用されています。
あまり琴線はくすぐられないかな。

◆バイオリンソナタ第28番
あなたもきっと、聴いたことがある、印象的なメロディのユニゾン。

◆ピアノソナタ第14番

以上がベストテンです。

「レクイエム」、通称モツレクも悲しい名曲です。だって、鎮魂曲ですもの。
ただしこの曲の作曲中にモーツァルトは絶命して、弟子が加筆して完成させたため、
このベスト10は「欄外」としました。

いかがですか。モーツァルトの短調作品に興味を抱いていただけましたか。
よろしかったらぜひCDなどでこの魅惑の世界をご体験なさって下さい。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼、クラウディオ・アバドさん

2014年01月21日 01時07分58秒 | クラシック音楽
佐久間正英さんを追悼する声が多いですね。
とても残念ですが、一方、数少ないご存命のマエストロがまた一人、旅立ってしまいました。
指揮者クラウディオ・アバドさん、80歳で永眠。
http://www.asahi.com/articles/ASG1N66G6G1NUHBI02N.html



僕は個人的には、大好きなブラームスの交響曲第4番(ベルリン・フィル、91年)を特に愛聴しました。
また、僕の一番好きな曲であるラヴェルの「ダフニスとクロエ」は、彼の振ったものを聴いて初めて引き込まれたという経緯があり、とても思い出深いマエストロでした。

残念です。
合掌m(_ _)m

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ダフニスとクロエ」

2011年05月29日 15時30分19秒 | クラシック音楽
昨日、東京文化会館に、英国バーミンガム・ロイヤルバレエ団のバレエ公演を見に行ってきました。

出し物は、ラヴェル作曲の「ダフニスとクロエ」、
そしてメンデルスゾーン作曲の「真夏の夜の夢」(シェークスピア作の戯曲をバレエ化)。

皆さんは、この世の中のあらゆる楽曲の中で一番好きな曲は?と聞かれたならば、すぐ答えられますか。
僕は迷わず「ラヴェルの、ダフニスとクロエ」と答えます。



モーリス・ラヴェル(1875~1937)の作風は、幻想的・神秘的な奥深い響きを持った独自のものです。
存命中に既にジャズが誕生しており影響も受けましたし、
逆にガーシュインやデューク・エリントン、そして後のジャズ作編曲家達にも大きな影響を与えた人です。
そして「ダフニスとクロエ」は「ボレロ」「マ・メール・ロワ」などと同じくバレエ作品の為に作曲されました。
二世紀に書かれた古代小説を原作とするロマンティックなバレエをドラマティックに彩る、美しくも幻想的な大作。
聴けば聴くほどその奥深い魅力にハマってしまう、麻薬のような曲です。

僕はこの曲をこれまでずっとCDやコンサートで楽しんできましたが、本来バレエの為に書かれた曲。
いつかバレエと共に楽しんでみたいと熱望していました。それが昨日やっと叶いました。

僕はバレエのことは詳しくないのですが、それでもバーミンガム・ロイヤルバレエ団のパフォーマンスが
とても素晴らしく品があるということはよく分かりました。
暗記するほどに聴き込んでいるこの曲の展開が、実はこんな踊り、こんな場面設定とリンクしていたのか!!
という事が初めて分かって、とても新鮮でしたね。
唯一気になったのは、男性のバレエダンサーが全員シャツとチノパンというユニフォーム衣裳。
二世紀のお話なのですから、布をまとったような、もっとリアルな衣裳でお願いしたかったかなー。
でも、本当に満喫しました。楽しいアートをありがとうございました。

今後は再びバレエ抜きでこの曲を聴いていくことになりますが、
昨日見たバレエをフラッシュバックしながら聴けるのでありがたいです。
でも、バレエなしで曲だけ聴いても、充分楽しめるし泣けます。

この曲をまだ聴いたことがない方、ぜひ聴いてみてはいかがでしょう。

僕は2008年から「クラシックジャーナル」誌に名曲の聴き比べリポートの連載記事を5回にわたって書きました。
その第3回が「ダフクロ」でした。
自前で既に8枚くらい持っていましたが、編集長に貸していただき結局13枚くらい聴き、レポートしています。

その中で間違いなくお薦めできるものをいくつかご紹介します。
(クラシックジャーナル誌の中ではもっとじっくり解説しています。)

☆デュトワ指揮/モントリオール交響楽団 80年
82年のディスク大賞の類を総ナメにしたという作品。
デュトワがフランス人らしい美意識で色彩感豊かに表現した「ダフニス」。

☆ブーレーズ指揮/ベルリン・フィル 94年
録音が新しいので音がキレイで、きらびやか。
ピッチは、さすがに現代の録音らしく、一番合っていて気持がいい。

☆クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団 62年
ラヴェルファンのマストアイテム、鉄板のダフクロとして知られるもの。
ドラマティックで、エキサイティング。テンションが高い。
ストーリー性が強く、胸にドカンと来る。

☆ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団 55年
ステレオ初期の録音だが楽器の音は超リアルで、いわばかぶりつき状態。
何か古い名作音楽映画、例えば「南太平洋」やディズニーの「ファンタジア」や「白雪姫」の
サウンドトラックを聴いているような、 不思議で強烈なノスタルジーを感じて、涙がこみあげる。
ちなみに、添付したレコードジャケットの写真はこの作品の初版のもの。

☆ミュンシュ指揮/ボストン交響楽団 61年
6年で録音技術が進化し、ホールの山彦残響や自然な定位にめざましい変化が。
合唱のバランスはかなり大きめで、しかもエモーショナルに歌い上げてグッド。
冒頭からの3分間の感動はすさまじく、胸を揺り動かされて涙。
ソロバイオリンと合唱のピッチがシャープするのが唯一、惜しいかな。
でも、傑作。

そんなわけで僕は最近はミュンシュの61年と55年のものを交互に聴いています。
皆さんも、ラヴェルの魅力をぜひ味わってみて下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

N.アーノンクールの古楽器オーケストラ

2010年11月04日 11時56分16秒 | クラシック音楽
昨日、東京オペラシティに見に行ってきました。

ニコラウス・アーノンクール指揮、ウイーン・コンツェントゥス・ムジクス。



巨匠アーノンクールが一生かけて追求する、
古楽器(ピリオド楽器)による古典音楽のリアルで瑞々しい再生。
その時代の音楽は、その時代の楽器を使ってこそ、最も説得力を持つという考え方。

見たことないような、スライドトランペットや、ずんぐりしたコントラバス、
でっかい南瓜のような可愛いティンパニなどなど。
見ているだけで楽しい。
弦楽器は、基本的に金属弦でなくガット弦を張っており、
シャープさや音量で劣るものの、やさしく味わいのある音色。
現代のオーケストラとは明らかに異質の、懐かしく暖かい音世界でした。

僕がアーノンクール師を敬愛するのは、けっして古楽器を使っているからではなく、
楽器を含めた「こだわり」の人だから、であります。

指揮者というのは、指揮する作業は最後の締めであって、
音楽監督あるいは演出家という役割が一番大事なところです。
師は、この曲をやると決めたら、その曲に最もふさわしく最も魅力が生きるであろう
テンポ設定や細かいアーティキュレーションを、こだわりを持って楽団員にディレクションをする。
師によって脚色された楽曲は、作者の魂を甦らせ、
聴く者の琴線をゆさぶる、活き活きとしたものに生まれ変わります。

東京で6日間あった公演の最終日だった昨日の演目は、モーツァルト特集。
セレナード第9番「ポストホルン」と
交響曲第35番「ハフナー」。
どちらも、曲の生い立ちに「惜別」のテーマを持った曲。

そう、今年80歳、「これが最後の日本公演」と師は宣言。
日本の音楽ファンとの最期を惜しむ、素敵なプログラムです。



最初にアーノンクールさんが登場してくる。
長身。そして一度見たら忘れないあのいかつい顔立ち。
もう、カラヤンもベームもチェリビダッケもクライバーもジュリーニもこの世にいない中、
20世紀の巨匠と呼べるほんの少数の大物のひとりが、
なんともありがたいことにそこに立っている。(僕の席は2列目)

顔立ちはいかついけど、そんなに威圧感はなく、団員との信頼感と愛情がよく伝わってくる。
そして楽曲に対する愛情とこだわりも、ビシビシ、伝わる。
アーティキュレーションが、半端でなく繊細に脚色されて、
作者のモーツァルトも草場の陰でビックリしているのではないだろうか。

そして、プログラム終了後、鳴り止まぬアンコールに応えて
予定外の短い曲(これもモーツァルト)を演奏。
楽団員が全員ステージから去っても、名残を惜しむファンの拍手が更に熱を帯びてくる。
師はそれに応えて何度もお一人でカーテンコール。
客席のファンはみんな、最前列に駆け寄って、
至近距離でアーノンクールさんに拍手を贈り、「ブラボー!!」と叫び続ける。
にこやかな笑みをたたえながらも、日本のファンと最期の別れを惜しみ、
2階席3階席のお客さんにも手を振り、語りかける師。
クラシックのコンサートには珍しい、アイドルの公演のような光景です。

感動しました。
昨日はホントに、行ってよかったです。

ありがとう、アーノンクールさん。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

偉いぞ!!ネトレプコ。

2010年09月24日 16時44分41秒 | クラシック音楽
先日、アンナ・ネトレプコ主演のオペラ「マノン」(マスネ作曲)を見に行ったレポートを
書かせてもらいました。



表現力、声量とも素晴らしく、さすがは現代の歌姫、オペラ界のスーパーアイドルです。
ただ体型については少し辛口なことを書いてしまいました。
しかし妊娠中でもあり、充分栄養も取らないといけないし、
あまりそれを言っては酷、ですよね。

ネトレプコさん、すいませんでした。

そして、ネトレプコに関する大きな出来事が。

今回「英国ロイヤルオペラ」は「マノン」と、ヴェルディの「椿姫」の二本を公演してくれました。
ところが「椿姫」の主役ヴィオレッタ役が予定されていた歌手が事情で降板、
今回の日本公演は急遽代役の歌手が務めましたが、この歌手も体調を崩して途中降板。
大変なことになってしまいました。

ネトレプコは20日の「マノン」公演で今回の出番は終了だったのですが、
22日の「椿姫」最終公演に、なんと!!中一日で主役ヴィオレッタ役を急遽務める、という仰天のニュースが。
ヴィオレッタ役はもともとネトレプコの当たり役で、過去何度も演じているという事情はあるにせよ、
「マノン」を演じきって疲労もあるだろうしテンションも切れた状態、
しかも妊娠中でありながら、まさかの大英断。

素晴らしいではありませんか。
偉いぞ!!ネトレプコ。

ネットでの評判を見ると、素晴らしく感動的な舞台だったとのことです。
たまたまチケットを買っていた人にはとんでもなくラッキーな一夜になりました。
僕は行けませんでしたが、とても行きたかったですねぇ。

ネトレプコの責任感、男気(!?)に惚れ直しました。
ホントに、体型のことを揶揄してすいません。

来年はプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」と単発アリアコンサートの為
また来日が予定されるネトレプコ。
もちろん、参上させていただきます!!

ところで、昨日23日は駒沢の養護施設「育成園」でのイベントに、
嵐の荒天の中多数ご来場いただきました。
どうもありがとうございました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンナ・ネトレプコの「マノン」

2010年09月15日 00時19分27秒 | クラシック音楽
行ってきましたー。

オペラ「マノン」(マスネ作曲)。



僕が女性オペラ歌手の中で一番好きな、アンナ・ネトレプコがマノンに扮するこのオペラ。
第二子を妊娠したと伝えられたネトレプコが、果たして本当に日本に来て歌ってくれるのか、
直前までファンをやきもきさせましたが、ついにアンナは予定通りステージに立ってくれました。
11日に初日が開き、僕も緊急にチケットを入手して14日の公演に駆けつけました。
会場は上野の東京文化会館。

54000円。
これは、僕がこれまでオペラ公演にはたいた金額の中で最高。
ということはこれまでのすべてのコンサート、ライブの中での最高金額です。

今回の「英国ロイヤルオペラ」は、このチケット代金に恥じない
最高のキャスティング、素晴らしいオーケストラ(指揮はアントニオ・パッパーノ)、
そして充分にお金をかけた優れた舞台装置・セットを日本に持ってきてくれました。
4時開演、2度の休憩を挟んで8時までの約4時間。
重厚にしてゴージャスなエンターテインメント。
たーっっっぷりと堪能しました。

何と言ってもやはりネトレプコ。
美しく、ふくよかな歌声。
しかもオペラグラスで見ると、歌っている時に実にイキイキと表情が変わり、とても惹きつけられる。
と、ここまではほぼ期待どおり。

しかし、妊娠中とは言え、ちょーっっっと、体格もふくよかなのでは?
僕が所有している何本かのオペラDVDで見たネトレプコは、
とても可愛くてセクシー、しかも歌も文句なく上手い、
オペラ界のスーパーアイドル。
でも昨日目の前で見た彼女は、残念ながら丸々とした貫禄あるお顔で、
「オバさん」への道をダダーッとローリングしている実感が。

うーん、ちょっとイタい・・。

そりゃあ人間ですから、歳はとります、しょうがないことですが。
できれば、美しいままキャリアを重ねてくれるとありがたいですね。
出産を終えたら、少しダイエットして、また正しいオペラ界のアイドルへと戻ってくれるといいな。

来年もネトレプコはプッチーニの「ラ・ボエーム」と、オペラアリアのコンサートで
来日する予定なので、その時にはぜひお願いしたいですね。

ネトレプコの「マノン」はまだあと2回公演が残っていますが、チケットは完売のようです。
ちなみに公演のホームページは
http://www.nbs.or.jp/stages/roh2010/opera/manon.html


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする