tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

山帰来

2007年06月21日 | グルメガイド
飛鳥寺(明日香村)のまん前に美味しいそば屋があると以前から聞かされていたので、6/16(土)に訪ねてみた。

山帰来(さんきらい)に着いたのは11:40だったが(開店は11:30)「只今満席です。しばらくお待ち下さい」の札が出ていて、外に列ができていた。しばらく待った後、座敷に通される。テーブルが3つ(大1、中2)あり、計15人ほど座れるようになっている。食べている人の方をチラと見ると、全員「海老おろし」(1100円)だった。ここの名物で、そばの上に辛味大根(きれいな紫色)を載せ、小エビの天ぷらを散らしている。
http://www.naraliving.com/special/spe_060616.html

食指が動いたが、ここはグッとこらえてシンプルな「ざるそば」(800円)を注文。具のない方が、そば本来の味が分かるからだ。なおこの店のそばはすべて十割そばである。

店内にはきれいな陶器が並べられ、大きな額が掛かっている。写真の門や庭、看板も含め、すべてご主人とお友達の手作りだそうだ。ご主人はサラリーマン生活の後、そばの修業を経て、故郷の村でこのお店を開いた。店名は「山里へ帰っておいで」という意味だそうだ。

そばが出てきたのは12:20だった。極細の麺をひと口。そばの香りが立ち、歯応えが素晴らしい。自家製の石臼で粗く挽いた麺だそうだが、極細なのでのど越しも良い。薄口のツユとの相性も抜群で、これは待った甲斐があった。

隣の人が注文したのは、だし巻き玉子やそば団子のついた「海老おろしセット」(1500円)だった。次に来るときは、ぜひこれにしよう。

満足して店を出ると、「本日は終了いたしました」の札が出ていた。どうやらすべり込みセーフだったようだ。つまり11:30開店で12:30終了だったわけだ。皆さん、どうか時間には十分お気を付け下さい。
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チタンを極める生駒のR&D企業

2007年06月19日 | 奈良にこだわる
6/18の産経新聞夕刊(大阪本社版)の「しごとVIP」欄に、生駒の社長が登場した。見出しは「チタン一筋 未来見据える」。

チタン加工のパイオニア、(株)昭和(生駒市北田原町)の安輝樹社長(46歳)へのインタビュー記事である。同社は経済産業省・中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれた、文字通り元気一杯のメーカーである。
※産経新聞記事を掲載したブログ(拡大すると記事が読める)
http://blog.livedoor.jp/omine_chemistry/archives/50990876.html

私は以前、2度ほど本社工場を見学させていただいたことがある。関西大学で非常勤講師(テーマは「知的財産権」)も務めておられる安社長自らホワイトボードの前に立ち、チタンという金属の特性から、同社が現在取り組んでいるR&D(研究開発)まで、詳しくご説明いただいた(写真は3/1撮影)。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/5kinki/29nara_03.html

チタンは軽くて熱や腐食にも強い金属である。ただし高価(ステンレスの10倍、鉄の100倍)なので細く薄くして使うことが求められるが、同社はその技術に長じている。
http://www.showa-titan.com/index_fl.html

同社のオリジナル製品にチタンテープ(チタン箔の裏面に接着剤を塗ったもの・接着剤がミソ)があるが、これを船底に貼るとフジツボなどの海洋生物が付着しない。しかも従来の有機スズ化合物塗料と違って、海を汚染しない。

さらにチタンの表面全体を酸化させると(=同社独自の技術・世界初)、優れた抗菌効果を発揮する。光触媒の技術を組み合わせることで、空気の浄化や土壌汚染の除去などに応用できる。将来有望な「エコ・マテリアル」として、実用化に向け自治体などと組んで開発を進めている。

現在同社にはドクターも含め、8人の研究者がいて(全従業員=40名)、保有する特許は22件(基本特許は4件)に上るという。

奈良県というと製造業が少ないというイメージだが、このような元気な研究開発型企業もあるのだ。21世紀のキーワードは、環境、健康、安全だそうだ。優れたエコ・マテリアルを極めるこの企業の将来に期待している。
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天竺渡来のドリームチーム

2007年06月18日 | 奈良にこだわる
日本ホッケー渡来100年記念行事として、「女子ホッケー日印国際交流試合」が6/16~24まで行われている。

印はインド(印度)で、ハウスの「印度カレー」(固形ルウで、今でも売っている)などでおなじみだろう。752年の東大寺大仏開眼供養には、南インドの高僧が導師を務めているから、奈良とは古くから縁がある。

インド代表チーム(ナショナルチーム)はこの期間中、南都銀行、天理大学、日本代表の各チームと戦う。インド代表は、昨年のアジア大会で3位(日本代表は2位)という強豪だ。私はこの試合の第1戦、対南都銀行戦(6/16 於:天理市親里ホッケー場)を見に行ってきた。http://www.nantobank.co.jp/news/070606.htm

インドといえば天竺、つまり西遊記のゴールである。彼女たちは天竺の代表チームなのだ。この日は試合開始(午後3時30分)より早く着いたので、このチームの練習風景を見た。シュートも走りも、キビキビとしてムダがない。筋肉質の引き締まった体に鋭い目線。インド南部にいるという黒ヒョウが、シルクロードを通って奈良に乗り込んできた趣だ。これは手ごわい。

試合は手に汗握る展開となった。南都銀行チームは引きつけて守りきる、といういつものパターンだ。インドチームは、慎重に相手チームの力量を見極めている様子で、一気には攻めてこない。

それが前半戦の終盤になって、一転して激しい攻勢となった。早い足を活かしたカウンター・アタックで、まずは1点。後半戦でも、インドは果敢に攻め続ける。南都チームにもチャンスがあるが、うまく得点に結びつけられない。暑さ(奈良の最高気温は29.4℃)のせいか、南都チームにミスが出始めると、すかさず突いて得点に結びつける。

最後は実力の差というより身体能力の差が出たようで、後半にインドが2点を追加し、試合は3-0でインドチームの勝利となった。
なお、6/17の対天理大学戦も、インドは3-1で勝っている。

残念な結果だったが、海外チームとの対戦経験の少ない南都チームには、貴重な経験になったことだろう。現在のところ同チームに日本代表候補選手は2人だが、着実に選手は育ってきている。日本チームの出場が決まっている北京五輪に、少しでも多くの選手を輩出してほしいものだ。
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BEKKAN PIATTO(別館 ピアット)

2007年06月17日 | グルメガイド
近鉄奈良駅のすぐ南、小西通り商店街の(民営)駐輪場が改装され、ガラス張りのおしゃれなビルに生まれ変わった。

ビブレの北隣で、1階は駐輪場だが2階の一角にできたのが「BEKKAN PIATTO(別館ピアット)」だ。もと(本館)は奈良市神殿(こどの)町にあって、とても評判の良いパスタの店だ。そこからノレン分けされた店ができたと盟友のおぜんさん(料理研究家)に教えてもらったので、早速訪ねてみた。
※おぜんさんのブログ
http://blog.goo.ne.jp/ozen1_2006/e/0359b39af0c427951ce710f992cc77d9

訪ねた日の「今週のおすすめ」ランチは、「フリウリ(イタリア)産生ハムとほうれん草のクリームソース 800円」だったので、この大盛り(+200円)を注文した。

これは美味しい。濃厚なクリームソースに、しっかりとした味の生ハムとフレッシュなほうれん草がたっぷりとからむ。何よりパスタそのものが良い。歯応えも小麦の風味も抜群だ。十割そばに塩だけつけ、そばの風味を楽しみながら食べる食べ方があるが、このパスタも塩だけかけて食べてみたいものだ。

白を基調とし木質感覚あふれるお店は、とてもセンスが良い。カウンターが11席ほどと、テラス部分に2~3人掛けのテーブルが2つある。

入口の看板には「パスタはもちろん、アンティパスト(前菜)からドルチェ(デザート)まで、ワインもございます」とある。ガーリックトーストは300円、前菜は600~800円、デザート400円、ビール(エビス スーパープレミアム生)は500円だ。

わざわざ神殿までくり出さなくても、駅前で本格的なパスタが食べられるようになったのは、とても有り難い。会社の帰りに同僚と、前菜をつまみながらビールやワインを少々、というのも良い。いちどお試しを。

奈良市小西町24 フラッツ小西2F ℡0742-26-5581
11:00~14:00と18:00~21:30 月曜定休

コメント (5)
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ムッシュ・ペペのブイヤベース!

2007年06月15日 | グルメガイド
職場の連中と飲み会をすることになり、まっ先に浮かんだのがこのお店だった。チラシには「晩ご飯は5名様より、2日前までに予約。@3500円~。メニューはご相談に応じます」とあった。シードル(リンゴの発泡性ワイン)も、飲んでみたかった。

「予算は飲物別で@4千円、フランスの田舎料理をたっぷりと」とリクエストした。上品なフレンチは、披露宴とか歓送迎会でいただく機会は多いが、フランスの家庭料理にはお目にかかることがない。予約を入れると「実は、晩ご飯をお受けするのは(今年4月1日の)開店以来初めてです」とのことだった。

それで訪れたのが一昨日(6/13)。オーナーシェフ&ソムリエの奥さんと、昼間はサラリーマンのご主人のお二人が温かくお迎えしてくれた。仲間5人でテーブルにつくと、A4版のカラー用紙に絵の具で「ようこそ Monsieur Pepe(ムッシュ・ペペ)の晩ごはんへ tetsuda様お献立 2007.6.13」とメニューが手書きされていた。中身は(番号は私が付番)、
①チーズ焼きトマト
②イカのハープ焼き
③新じゃがいものサワークリームとイワシのカナッペ
④ブイヤベース!
⑤牛肉の赤ワイン煮 きのこ添え
⑥デセール(デザート) リンゴの赤ワイン煮 生クリーム添え
⑥パン、コーヒー

ブイヤベースだけに「!」が付いている。ブイヤベースは、地中海沿岸で生まれた南仏プロヴァンス特有の魚介類スープだ。もとは、漁師が獲れたての魚を大きな鍋に入れて煮込んだ豪快な料理である。「ご馳走スープ」付きランチが売り物のこのお店のことだから、これが今夜の目玉であることは間違いない。

さてお料理であるが、完熟トマトの甘さが引き立つ①、一夜干しイカとはひと味違うハープ味の②と来て、③は初対面だった。カナッペ(フランス語で肘掛けのない長椅子の意)は薄切りのトーストかクラッカーがベース、というのが定番だが、これは蒸して半分に切った新ジャガに具を載せる。トッピングのイワシのすり身には臭みがなく、旨みだけ引き出したような逸品だった。

いよいよお待ちかねのブイヤベースだ。シェフが鍋のままテーブルに持参された様子をカメラに収めた。これを5人分の小皿に取り分けていだく。ご覧の通りムール貝やアサリ、イカや白身魚のほか、たっぷりの野菜やぶつ切りのアナゴまで入っていて、これは「!!!」だ。「差し上げたのは時間です」というCMがあったが、材料の吟味から煮込みまで、相当の時間も手間がかかっている。スープにパンを浸し、お皿の底までいただいた。

このお店のパン(フランス直送でお代わり自由)は、中身がギュッと詰まってずっしり重い本格派だ。⑤のソースにも浸し、計3個も食べてしまった。白ワインやシードル(やや辛口とやや甘口の計2本空けた)は、1本1300~1800円という安さなのに本場の味で、料理との相性も良い。なお、メニューになかった「鴨肉のロースト」をサービスメニューとして(煮物を待つ間に)ご提供いただいた。深謝。

ムッシュ・ペペに関しては、店主のお友達が瀟洒な店専用のHPを立ち上げておられる。今後も掲載情報を充実されると思うので、要チェックだ。
http://homepage3.nifty.com/monsieur-pepe/

さて、たっぷり3時間近くかけて料理とお酒をいただいているうちに、お店は漆黒のとばりに包まれていた。奥のサンルームは闇の中だ。東京や大阪だと、高層ビルの上から夜景を楽しむところだが、奈良公園では山小屋風のお店で、こうして夜のしじまを味わうのである。なんという贅沢!

こうしてムッシュ・ペペ初公開の晩ご飯は、美味しい料理とお酒のオンパレードでめでたく幕を閉じた。今度はぜひ、職場の全員(26人)でお邪魔したい。
コメント (7)
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