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藤城清治「光のメルヘン展」/奈良県立美術館で 7月3日(日)まで!(2016 Topic)

2016年04月23日 | お知らせ
4月20日(水)、スゴい美術展を見てきた。それは奈良県立美術館の「藤城清治 光のメルヘン展」(4/2~7/3)だ。藤城清治氏は著名な影絵作家であり、あの「ケロヨン」の原作者でもある。金・土は19:00まで開館している(入館は18:30まで)。4/29(祝)には13:30からご本人によるサイン会もある。公式HP(関西テレビ)によると、



日本における影絵作家の第一人者藤城清治の創りだす作品は幻想的で、鮮やかな色彩で彩られています。童話や聖書、実在する風景や建造物まで、藤城が描きだす作品のテーマの多様さは見るものを飽きさせません。作品に光を透すことで生まれる光と影のコントラストと豊かな色彩は、今までに見た事のない圧倒的な世界観を創りだし、多くの人々の感動を呼んでいます。

91歳を迎えてなお精力的に創作活動に向かい、独自の世界を切り開き人々に夢と希望、そして癒しを与え続けています。本展ではモノクロのシンプルな初期作品から最新作、油彩画、水彩画などもあわせて展示いたします。


 銀河鉄道の夜
 藤城清治
 講談社

作品は、基本的に影絵(背後から光を当てたカラーまたはモノクロの絵)である。光のファンタジーというと月並みだが、メルヘンチックで不思議な世界を創り出している。鏡や水槽を使った立体的な展示もあって、これは楽しめる。県立美術館のHPに「見どころ」が紹介されている。

 藤城清治 光と影の世界
 藤城清治
 平凡社

展覧会の見どころ
(1)今回の展覧会は、日本における影絵作家の第一人者藤城清治が創り出す作品の特別展。童話や聖書、実在する風景や建造物など多様なテーマで展開され、作品に光を透かすことで生まれる光と影のコントラスト、豊かな色彩やその世界観は、多くの人々に感動や夢、希望、癒やしを与え続けている。
(2)モノクロのシンプルな初期作品から最新作、油彩画、水彩画等が展示され、新作「法隆寺の国宝釈迦三尊像」や「雪の室生寺」、「大神神社」、「二上山と當麻寺」、「興福寺五重塔」等の社寺風景の影絵等も出品され、県立美術館が光と影と色彩のパビリオンになっている。(総数269点。うち奈良ゆかりの作品は46点(新作影絵は7点)
(3)会期中の6月には、恒例のムジークフェストなら2016(6/11~6/26)が、県内各地で開催され、当館でもミュージアムコンサートが会期後半に開催予定。
(4)4年前(平成24年春)、初めて藤城清治展を当館で開催した際、約10万人の集客と大きな話題性を得た。


 ジグソーパズル300ピース 藤城清治 3台のピアノ
 藤城清治
 アップルワン

4年前の展示はたいそう評判が良く、見逃した私はとても悔しい思いをした。今回、初めて足を運び「これなら話題になるはずだな」と納得した。来場者アンケートには「今までの展示の中で、これが一番良かった」という声が続々と上がっているというが、それも当然のことだろう。

県立美術館は先日、展覧会による経済波及効果をまとめた。詳細は、こちら(PDF)。奈良新聞のコラム「国原譜(くにはらふ)」(4/13付)がその結果を紹介している。



バブル経済後の平成2年、日本の実業家がゴッホの絵「医師ガシェの肖像」をオークションで落札。当時約125億円の価格は世界を驚嘆させた。ゴッホは生前、ほとんど絵が売れなくて極貧の中、亡くなったのだから何とも皮肉。美術作品は芸術品であるとともに投資の対象でもある。美術と経済との関係は、なかなか興味深い。

県立美術館がこのほど、展覧会の経済効果をまとめた。「単なる集客人数だけでなく、観光消費額による地域に与える経済効果が重要」というユニークな視点からの分析だ。昨年開催された浮世絵版画展の入場者からアンケート調査。観覧者総数から総消費額を積算すると、1展覧会(2万人規模)なら約3億円前後の経済効果があるとみられるという。

もちろん、宿泊など波及する消費すべてを含めての数字だろうが、集客力のある展覧会を開くことが経済活性化につながるのが数字で明らかになっている。県の豊かな文化を生かした質の高い展覧会を開くことが、大きな経済効果につながるのなら一石二鳥ではないか。県立美術館の取り組みに注目している。(栄)


藤城氏は画集もたくさん出されているが、やはり美術館に足を運び、映画館のような暗い空間に浮かび上がる影絵を見るというワクワク感を味わっていただきたい。今日(4/23)からは、興福寺北円堂の特別開扉も始まる(5/8まで)。

皆さん、ぜひ奈良県立美術館に足をお運びくださ~い!
※奈良県立美術館のホームページは、こちら

コメント (2)
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