キャラブキを作りました。
キャラブキを作るにはまず裏の草むらで蕗を集めてきます。
それから葉っぱを切り落とします。
食べるのは茎だけですからね。
葉っぱは残り物というか邪魔者。
その邪魔者の葉っぱを使って染物をします。
草木染めはその原理から絹やウールによく着色する性質です。
なのでその色を移すには絹の布が一番適しています。
またそのしなやかさや繊細な技術で織られた日本の絹織物は
一度手にすると離れられない魅力を持っています。
そのメイドインジャパンの絹こそ
この地の植物で染めるに適していると感じるようになりました。
それ以来、絹の白生地を探しては染めています。
時には白の長襦袢を解体し、時にはオークションで競り落とし、
リサイクルショップを回っては白生地を探していると
色々なタイプの絹と出会えるのが面白いのです。
私の好きなのは綸子。
綸子は絹の紋織物で
文様の入っていることが多い生地です。
その文様も日本人が長く愛してきたものは着物などに伝統柄としてよく使われていますよね。
これはおととい蕗の葉っぱで染めた綸子ですが、
七宝の文様が織り込まれています。
アイロンをかけてないのでよく見えませんか?
丸を重ねて作る模様です。
日本の伝統的な文様の一つで七宝と呼ばれていて、
次のような意味があるそうです。
「
- 仏教の経典に書かれている七つの宝物「金、銀、瑠璃、珊瑚、瑪瑙(めのう)、玻璃(はり)、千年生きるとされるシャコガイ」に由来すると言われている
- 耐えることのない永遠の連鎖と拡大を意味し、円満、調和の吉祥文として親しまれている
- 中心に花を据える「花七宝」、重なる円弧の部分に小円を重ねる「星七宝」、連続させた「七宝繋ぎ」などがある 」
麻の葉や青海波、亀甲なども伝統柄として知られています。
綸子にはこの伝統柄が織り込まれていることが多いですね。