寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3228話) 「まだ〇歳」

2021年11月11日 | 意見

 “名古屋市に住む長女から無料通信アプリで「九月二十日にいつものお祝い弁当送るわね」とのメッセージが届きました。以前、母の日と父の日は直接やって来てプレゼントを渡してくれましたが、新型コロナウイルスの影響で昨年、今年と会うことはできずにいたら、京都の料亭弁当を送ってくれたのです。でも九月二十日って何の祝い? 誕生日は先なのに・・・。そこではたと気付きました、敬老の日だと。夫ともども健康で趣味に忙しく毎日楽しく過ごせているため年齢を忘れていました。
 弁当はおいしく、ありかたくいただきました。自分の中で「もう何歳」というのは禁句にしています。この先いくつになっても、「まだ何歳」と言い続けるつもりです。人生はずっと上り坂だと思いますから。”(10月19日付け中日新聞)

 岐阜県可児市の主婦・冨士さん(72)の投稿文です。「もう何歳」と思うか「まだ何歳」と思うかは大きな違いがある。先がもう少ないと思うか、先はまだまだだと思うか、気分が違う。心意気も違ってくる。もう早く終末を迎えたいと言う人もあろうが、実は言っているだけで、本音は違うのである。その証拠に、どの人も少し体調が悪いと思うとすぐに病院に走る。ボクの母もそうであった。仏心の厚い母は早く迎えが欲しいと、常に言っていた。ところが、少し体に変調を感じるとすぐに病院へ行くのである。その母が「まだ90歳だから」と言った時には驚いた。そして97歳まで生きた。人生に勝者も敗者もないかも知れないが、ボクは長生きした人の方が勝者だと言っている。どんな状況の人も、ほとんどは死にたくないと思っているからである。冨士さんはまだ72歳である。本当にまだまだである。人生はずっと上り坂だと思うといわれるのも凄い。


コメントを投稿