“愛知県大府市の国道を走行していた六月上旬の暑い日でした。時は正午ぐらい。停止した交差点の信号が青となったのに私の車はびくともしません。そこでハザードランプを点灯してから降車し、路上に三角表示板を置いた。すると後続車の男性三人が私の車に駆け寄って「車を押すよ」と。おかげて交差点を何とか抜け出すことができた。ここは大型車も行き交う交通量が多い国道交差点だけに、私に手を差し仲べてくれた三人の親切さ、優しさが身に染みた。感謝の念が込み上げ、「世の中捨てたもんじゃない」と思えた。
この一週間後、自転車から転倒した女性を私が進んで介抱したのも過日の「恩送り」からだ。多くの人を経ていつかあの三人にも届くといいな。”(8月6日付け中日新聞)
愛知県東海市の公務員・片岡さん(女・26)の投稿文です。大きな交差点で突然車が動かなくなったら慌てるだろう、パニックになるかも知れない。片岡さんは冷静に対応された。そして3人の助っ人も現れた。本当にホッとされたとともに感謝されたことであろう。更にこの恩を、すぐ返す場面に遭遇された。世の中を見直されたでしょう。こういうことはなかなか忘れないものです。良い体験になりました。
恩送りにつてもこの「話・話」 で何度も触れたと思う。受けた恩をその人にもので返すことはできても、行為で同じ人に返す機会はなかなかないものです。でも他の人にならこの話のように機会はいくらでもあるでしょう。そうして恩が継続していく。これが良い社会でしょう。