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天使幼稚園

カトリックの精神に基づいて未来を生きる子どもたちを育てます

<園長だより:3月号>天使幼稚園創立75周年

2023年02月21日 08時00分00秒 | 園長だより

 1947(昭和22)年4月、太平洋戦争が終わって1年半。戦後の混乱した時代の中、日本の将来を支える子どもたちのための健全な学びの場を設けようと、ガブリエル神父様とお告げのフランシスコ姉妹会のシスター方が、久が原の地に幼稚園を開設しました。


 日本はその後、戦後復興期から高度成長期を迎え、子どもたちの人数も増え続け、「一億総中流」という言葉が生まれるなど、豊かさを感じることができる時代になりました。しかしその後、バブル経済が崩壊し、さらに少子高齢化が問題になるなど、社会を取り巻く環境もだんだん厳しくなってきました。また、国際化が進み情報科学技術が発展するなど、過去の体験、知識だけでは乗り越えることができない時代がやってこようとしています。


 教育現場でも、戦後の経験主義カリキュラムから、高度成長期における科学技術教育へと改革が進みました。しかし、それが詰め込み教育になっているという反省から、ゆとり教育が導入されたものの、その本来のねらいが充分に達成できず、脱ゆとり教育へと舵が切られました。これから小学校・中学校・高等学校、そして大学へと学びを進めていく子どもたちは、自ら課題を発見しそれを解決していく「主体的な学び」が求められています。


 このように、この75年の間、日本の社会も教育現場も時代の流れの中で大きく変化してきました。


 天使幼稚園も、設立当時、修道院の一室で保育をスタートした後、子供寮の敷地の園舎、現在地での木造の園舎を経て、1985(昭和60)年、現在の園舎を建てました。さらに、日本国内に子どもの数が増える中、お告げのフランシスコ姉妹会のシスター方の手によって、高崎や箕面、つくしの(町田市)などにも天使幼稚園を開設していきました。しかし、子どもの数が減り、シスター方がお年を召される中、幼稚園を閉じたり教区に委ねたりし、現在は高崎天使幼稚園と天使幼稚園(久が原)の2園が学校法人聖フランシスコ学園の幼稚園として子どもたちの教育にあたり、他にも認定こども園生野フランシスコ学園でも子どもたちの保育に取り組んでいます。


 本園では、カトリックの理念を土台に据え、「美しいこころ・強いからだ・明るいこども」を目標に掲げ子どもたちを育ててきました。また、子どもたちの健やかな成長を援ける手段としてモンテッソーリ教育を導入し、縦割りクラス(全クラスに年少・年中・年長が在籍する)を設けるなどあゆみを重ねてきました。


 天使幼稚園は、今年度を含めると7029名の卒園生を送り出してきました。久が原の町を歩くと、あちらこちらで「天使幼稚園の卒園生です。」という方にお会いすることができます。このような卒園生や地域のみなさん、さらに保護者の方々やシスター方、そしてこれまで子どもたちを導き育ててきた先生方のおかげでこうして75周年を迎えることができました。


 今、天使幼稚園のあゆみを振り返り、園に込めた多くの方々の思いを皆様方と分かち合うことができるようにと、創立75年記念誌の発行準備をしています。また、記念行事として3月1日(水)に記念植樹を予定しています。選んだ木はオリーブの木です。園児数が多い時代、天使幼稚園では聖劇のなかでノアの箱舟も演じていました。そのお話の中で、陸地を探すためにノアが放したハトがくわえて帰ってきたのがオリーブの枝です。洪水が引き再び平和が訪れたというこのお話しから、ハトとオリーブは平和の象徴となりました。


 76年目からの新たなあゆみを、このオリーブの木に見守られながら踏み出していきたいと思います。
                        (園長 鬼木 昌之)

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