典顧堂日月鈔 on blog

日記というか雑記というか…… 人様にお見せすることを前提とはしておりません。

おはよう考古学

2005年04月28日 03時46分07秒 | Weblog
 奈良県明日香村の特別史跡・キトラ古墳(7世紀末~8世紀初め)で、昨年6月に出土した大刀の装具のサビ落とし作業が進み、金象眼の装飾が姿を現した。高度な技術で作られていたことが分かり、文化庁が27日公開した。
 刀装具は鉄製で、長さ3.9センチ、高さ1.7センチ、幅1センチの環状。さやに取り付け、腰から下げるための布を通した「帯執(おびとり)金具」とみられる。
 上面には縦4ミリ、横1.5ミリのS字形が2列に連なり、また上面と側面に幅2ミリの帯状と、幅0.3~0.5ミリの線状の象眼が施されていた。作業を担当した奈良文化財研究所の村上隆・主任研究官は「シンプルで洗練された文様。これほど高度な技術は類例がない。非常に高級な刀装具だ」と話した。


 奈良文化財研究所飛鳥資料館(明日香村奥山)で、春期特別展「飛鳥の奥津城(おくつき)―キトラ・カラト・マルコ・高松塚―」が開かれている。キトラ、高松塚両古墳をはじめ、飛鳥地域を中心とする6~8世紀初めの計13古墳を遺物112点、パネル写真39枚で紹介。「飛鳥の終末期古墳の集大成」といえる内容だ。
 同地域では昨年度、キトラ、高松塚、マルコ山――と重要な古墳の発掘調査が相次いだ。キトラの石室からは、40~60代の男性とみられる人骨や副葬品が出土し、壁画の詳細も明らかになった。高松塚は規模が確定し、キトラより「格上」と判明。またマルコ山は、極めて珍しい六角形墳と分かった。
 展示では、これらの新成果を踏まえ、同地域に点在する終末期古墳を網羅。次世代の火葬墓に至る変遷を追った。
 遺物のうち、キトラはコハク玉や鉄製太刀に加え、今月末からは初公開の金象嵌(ぞうがん)刀装具も並ぶ。他に植山、束明神など。またキトラ、高松塚、中尾山は、石室の原寸大模型を公開した。
 図録(1000円、税込み)も内容が濃い。築造時期や石室構造の類似から「兄弟古墳」と言われるキトラ、高松塚、マルコ山、石のカラト――の4古墳を詳細に比較し、築造順や被葬者像、「ランク付け」にまで踏み込んだ。
 5月29日まで。問い合わせは同資料館(0744・54・3561)。

そんなわけで、5月29日までに私は飛鳥へ行かなければならない。「行きたい」ではなく、「行かなければならない」のである。
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