a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

行ったり来たり ~振り返ったり~

2024-03-17 21:00:00 | 稽古場ブログ

劇団創立70年記念公演 第一弾『行ったり来たり』
本番まであと1週間となりました。

今日は稽古場であり、劇場でもある野火止RAUMにて照明の吊り込みとシュートです。いよいよ本番へ向けての空間創りの最終段階というところでしょうか。

劇団創立70年。。。考えてみれば40周年の記念パーティーにはもう劇団にいたなぁ。50周年、60周年。うわぁこんなに長く劇団にいるんだと自分でもびっくりしてしまいます。
本棚のたくさんの台本や資料を目の前に、あーこんなにがむしゃらに芝居頑張ってきたんだと思う反面、いまの私は、一体なんだろうと。。。ふと考えてしまいます。

なにが私を私たらしめるのか

『行ったり来たり』
失業して税金が納められなくなったため、暮らしていた国を強制退去となり、生まれた国からも入国を拒否されたハブリチェク。
わたしは一体何者か。わたしの人生は何だったのか。
国境の橋の上を行ったり来たりしながら、政治の規則によって奪われた日常と、アイデンティティーを失うことへの不安が彼を襲います。

『悪童日記』で著名な作家アゴタ・クリストフは、1956年ハンガリー動乱のため、ハンガリーからオーストリアを経てスイスへ亡命。
生きていくために母語であるハンガリー語ではなく、否応なく習得せざるを得なかったフランス語で作家活動をしました。
自分から望んだわけではなく、むしろフランス語を敵語とまで言っていた彼女にとって、亡命生活が、母語を奪われることが自身のアイデンティティーをどれだけ揺るがすものであったのか。

1995年に彼女の『エレベーターの鍵』という作品をやった時、稽古場では
「アゴタ・クリストフが書いた、書いてしまった、書かずにいられなかった言葉、その作品行為を追体験することが大切だし、それが役者の作品行為になる」
と演出家の広渡さんに言われたことを思い出しました。

今回“X”という身分を隠したおじさんの役で出演しています。少年の役は何度かやったことがありますが、おじさんの役は初めてです。演出家には「ダンディなナルシストでやって」と言われているので、かなりイキってやっているつもりなのですが、周りからはもっとやれと言われて戸惑っております。







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東京演劇アンサンブル創立70年記念公演 第一弾
  行ったり来たり

エデン・フォン・ホルヴァート/作
大塚直/訳・ドラマトゥルク
公家義徳/演出

2024
3/23 (土) 14:00★
3/24 (日) 14:00★
 野火止RAUM

3/28 (木) 19:00
3/29 (金) 14:00/19:00
3/30 (土) 14:00/19:00★
3/31 (日) 14:00
 すみだパークシアター倉

全席自由
前売一般/4,300円 
前売U30/3,300円
★=Low Price Day/3,000円
当日/4,800円

Staff
音楽/monje
舞台美術/公家義徳
衣裳/稲村朋子
照明/真壁知恵子
音響/島猛
舞台監督/永濱渉
宣伝美術/本多敬 永野愛理
制作/小森明子 太田昭

Cast
ハヴリチェク/永野愛理
サメク/洪美玉
エーファ/福井奏美
コンスタンティン/雨宮大夢
ムルシツカ/浅井純彦
ハヌシュ夫人/西井裕美(フリー)
X/原口久美子
Y/志賀澤子
個人教育者/二宮聡(フリー)
その妻/鈴木貴絵
レーダ夫人/町田聡子
シュムッグリチンスキー/小田勇輔

公演詳細、チケットのお申し込みはHPにて

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