チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

湧昇

2011年07月08日 | 日記
 最近の海況速報では、伊豆半島や房総半島といった半島の先端部の東側に低水温域があります(7月6日の海況速報で、赤い三角で低水温域を示しています)。

 この低水温域は強い南西風が吹き続けたために、湧昇が発生したためと考えられます。南西の風がおおよそ20時間以上吹き続けると、表層の海水は風の吹き去る方向(北東)ではなく、風の進行方向に対して右(南東)に流れるようになります。地球の自転の影響のためです。流れ去った表層の水を補うように、深層の水が湧き上がってくるので、水温は下がります。地頭方の水温推移は下図のとおりです。7月4日から湧昇が発生し、表面の水温は24℃から20℃まで、4℃ほど下がりました。7月6日には南西風が止んだため、以降は湧昇も解消し水温は上がっています。

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2 コメント

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水深が浅い場所でも温度低下が見れるのですね。 (うみガエル)
2011-08-07 21:59:54
地頭方というと、御前崎周辺で海底地形は遠浅で水深は浅いと思います。それでも沿岸湧昇が起きると表層で水温低下が見れるほどに成層が出来ているのですね。
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Re:水深が浅い場所でも・・・ (資源海洋子)
2011-08-09 09:09:36
 うみガエルさん、コメントありがとうございます。夏に調査で御前崎沖や坂井平田沖を潜っていると、10mの底では水温が低くなっていることが多々あります。南西風が強く、吹き続けると浅い海でも沿岸湧昇が起きるのは確かなようです。
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