星のように月のように

タバコに火をつけてぼんやり月を見ている

月なんて滅多に見ないと言うあなたが

今夜は満月だよと教えてくれた

一緒に流星群を見に行ったのは何年前？

あの時流れ星に込めた願いは

今…現実になっているけれど

月のように満ちては欠けてゆく

この思いがあなたに伝わっても

成就する事なく静かに消えてゆく

流れ星のように最後くらい

綺麗に消えたいのに…

私はやっぱり月のように形を変えて

いつまでもそこにいる

寄り道して

ワイシャツに袖を通してネクタイを絞める
日常の何気ない動作なのに見とれてしまう
なんだか少し嬉しいような淋しいような
仕事帰りで疲れているのに会ってくれて
真っ直ぐ帰って寝たいはずなのに…
会いたい気持ちに応えてくれるあなたが
なんだかいつもより特別な人に感じる
休みなく忙しく働いて疲れていると思うと
会いたい気持ちも我慢しなくちゃと思う
少しの時間だとしても
あなたと一緒に過ごせる事を
当たり前と思ったりしない
頑張った日常のご褒美のような
穏やかで幸せな特別な時間

マヌケな僕ら

君を見つけるとニヤけてしまう

だらしない顔してるよと言われても

君に会えたらそれだけでラッキー


そばにいて耳元で言葉を交わす

他愛もない会話でもそれだけで

今日一日がハッピーだと思える


君に触れると本当はちょっと

ドキドキしてるけど平気な顔して

君にさらりとかわされないか心配してる


欲張りになりそうな自分を抑えて

好きになり過ぎないように抑えて

君の近くに居れたらいいな


親愛なる腐れ縁の君を

愛すべきマヌケな僕を

最期まで腐れ縁の僕ら

行った気分だけ

旅行雑誌を泊まりに行く予定もないのに
こんな旅館がいいな…
ここの地酒は美味しいかな…
なんて一人で考えて少しだけ
行けたらいいな！とワクワクしたり
どうせ行けないな…としょんぼりしたり

遠くに行きたい訳じゃない
思い出が欲しい訳じゃない

あなたと一緒に時間を気にしないで
呑んだり話したり眠ったり…
現実逃避かもしれないけど
そんな時間が欲しいと思う

結果的に現実に引き戻されるとしても

ひとりの帰り道が辛い夜

いのちのカレンダー

余命宣告って大変なことだ…

告知する医師も本人や家族も
いのちの期限を知ってしまうと
一週間…一か月…二か月と…
いのちのカレンダーが頭の中で
一日一日カウントダウンが進む

無力さを痛感してしまうけど
期限付きいのちの為に何が出来るか
何が言えるのか…

知らないほうがいい事もある

覚悟とはなんなのか

誰だって毎日当たり前に

明日の仕事や週末の予定を

無意識に考えたりするのに

いろんな事を考えていろんな事を諦めて

余命と言われる苦悩の毎日を

生きるってしんどいから

どうか穏やかな時間をと

願わずにいられない

パートナー

不思議なほど邪念も欲もなく

ただ単純に恋しい気持ちが

あなたに会いたいという思いを

日々…強くしている


言葉を交わさなくても視線が合えば

それだけでも満たされるような

あなたがくれる小さな幸せが

静かに溢れる毎日


好きだけど…愛とか恋とかではなくて

必要不可欠な存在になっていて

不思議と苦しさや切なさがないのは

今までがあったから


静かにでも確かに浸透している

あなたのぬくもりが穏やかに

冷えた体も心も包み込んでくれるから

もうひとりじゃない


一緒にいれなくても別々の夜でも

あなたがいるから乗り越えられる

恥も外聞もなく言葉にしてしまうと

愛すべきパートナー

愛のないパートナー