青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

相鉄が都心へ行く日

2019年12月01日 09時00分00秒 | 相模鉄道

(都心直通・御祝奉候@羽沢横浜国大前駅)

奥大井の紅葉のお話は少し置いときまして、11月30日はいよいよ相鉄の悲願とも言える都心直通、神奈川県の交通計画でいうところの「東部方面線」の開通の日。ここんとこまた何日かグズグズとした天気で通勤も寒くて寒くてしょうがなかったんだけど、この土曜日は久しぶりの爆晴れと言わんばかりの好天に恵まれました。このイベントに関しては珍しくヨメさんすら乗り気であったので、久し振りに家族全員で新線区間に乗りに行ってしまいました。なんたるミーハー(笑)。まあ一応、地元神奈川において鉄道系のニュースでは今年ナンバーワンのエポックメイキングな出来事ですからね。

さすがに親子連れで開業一発目の始発電車!なんてマニア極まる所業は出来ませんので、とりあえず午前中は控えめに朝の爽やかな光線で開業初日の直通列車を撮影なんぞしてみる。相鉄線内を走るE233系というものにも違和感がありまくりなのに、お初にお目に掛かったのが、と・とっきゅうむさしうらわいきだと・・・??衝撃の相鉄線内での「特急武蔵浦和」という表示。たぶん田園都市線民が「急行南栗橋」という表示を初めて見た時や、東横沿線民が「特急森林公園」という表示を初めて見た時の衝撃に近いものがあるのだろう。どこやねんそれ、みたいな。相互直通運転というものは、そーいう地理感覚の時空を飛び越えて来るというトコロがある。 

今回相鉄でJR線直通に使用される車両はこの12000系。デビューしてからまだ1年も経ってませんが、とりあえず直通対応の車両を揃えるために、突貫工事で5編成を用意しての開業となりました。「特急・JR埼京線直通」の表示が誇らしげ。私ら沿線民は最近編成数も増えてますから慣れて来ましたけど、このフロントマスクは相鉄が都心に進出するための強烈な自己主張をヒシヒシと感じてしまうよね。冷静に見れば相鉄イキりすぎ、という事になるのかもしれないが(笑)。

冷え込んだ朝、うっすらと雪化粧した丹沢の山並みをバックに朝日の中を行く直通E233系・・・LEDががががががが。ってかE233なんて普段撮り慣れてないからよう知らんのだけど、このLEDはかなり撮影者泣かせだな。そう言えば小田急4000と同じLED使ってるんだっけ。あれもどうやっても走行中のLEDが写らない車両なんですよねえ・・・聞けば編成によってはSS1/60くらいにしないと映らんシビアなものらしい。風景と一緒に映し込むのが好きなタイプとしては難儀な車両ですね。

相模大塚の電留線にE233系がゴロゴロ休んでいる光景。それこそ昭和の時代の沿線民が想像できた未来であったかどうか。昭和と言わずとも、平成の半ばくらいまでは相模大塚の電留線に並んでたのは、同じ緑でもなんか野暮ったいバッタみたいな色をした若草色の車両だったのだぞ(笑)。直通車両の編成数で言えば、相鉄が5編成しか用意していないのでおそらく圧倒的にE233が多数を占めることになると思われますが、ダイヤ乱れになった時にどうなるかだよなあ。当然想定されているのだとは思うけど、取り残されたE233が相鉄線内の運用を担当したりすることもあるのかもしれない。

やって来た直通列車はE233の各停新宿行き。「各停新宿行き」という言葉は基本的に小田急とか京王のものであった。今日からは相鉄も仲間入り。車内の乗客は物見遊山の新線初乗り組が半数以上・・・驚くのが、ただの鉄道マニアだけでなく、沿線のフツーの若い夫婦とかじいちゃんばあちゃんも「新線の開業」を楽しみに乗車していること。さすがにこの新線開業都心直通というものに関しての相鉄のプロモーション活動はハンパなく、沿線住民にも深く浸透していると同時に喜びを持って迎えられていることを実感します。ただ、三ツ境から乗って来たお客さん「確かに早いけど、渋谷まで東横より280円も高いから会社が定期出してくれない」ってボヤいておりまして・・・東部方面線の計画が決まった時代より、確実に社会の経済情勢が厳しくなっている誤算はあるよね。

直通各停は西谷で後続の横浜行き特急と接続。既に西谷駅のホーム自体がラッシュ時並みの混雑でまともにカメラなんぞ撮れる状態ではなかった。横浜方面から来た乗客と、おそらく何度もこの区間を折り返していたマニアとで車内は大混雑。新線を通過する列車と一緒にピースサインでポーズを決める子供の姿。羽沢横浜国大への新線は、西谷のホームを出るとあっという間の急な下り坂でトンネルに入り、何やら暗闇の中をゴウゴウと走ってはあっという間に登り坂になって、ものの3分程度で新駅に到着してしまったので特に感慨はない(笑)。

羽沢横浜国大前駅ホーム。不勉強ながら、半地下の駅だという事を来てみて初めて知る。いや、貨物駅の横浜羽沢が地上駅だったからその横にでも作るのかと思ってたんだよね(笑)。真新しい駅なのでホームドア完備。そう多くの乗降客を見込んでいないと見えてホーム自体は狭く、ホント必要最低限で作りましたという感じがする。「横浜国大前」なんて名前は付いてますが、そんな目の前にあるもんでもなくて、実際に横浜国大に行くには横浜駅西口からバスか和田町から歩くのが一般的ではないかと思われる。今まで鉄道とは無縁の場所だったので場所が説明しづらいのだが、横浜市民だと「環2で新桜ヶ丘から新横浜行く途中にある」と言えば分かるかなと。

開業初日の風景を色々と。この日は開業フィーバーに沸いた羽沢横浜国大前駅。ですが、駅前に何がある訳でもなく周辺整備はこれからといった感じ。現状日中30分ヘッドのダイヤでは、首都圏の駅として活用出来るか微妙なところだよなあ・・・コンビニの一軒でもあるかと思ったんだけど、まじめな話見事になんもない。調べてみたらおそらく最寄りであろう三枚町の交差点のセブンイレブンまで1kmとか。どうやら駅の開業に伴って神奈中バスのバス停だけは設置されたみたいですが・・・(笑)。新横浜から環2を通って、上星川から洪福寺の交差点を曲がって保土ヶ谷駅に向かう系統のバスで、今のところ1時間に1本くらいの運行。開業記念のイベントも行った時間が遅かったのか終わってしまっていたようで、特に何をすることもなく滞在時間は次の列車が来るまでの僅か30分だけなのでありました。

子供が駅の時刻表を見て「1時間に2本とか東成田みたい!」と危険な発言をしていた(笑)。失礼なことを言うな!あっちは40分ヘッドやないか!
これからの発展に期待しましょう。

 


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