青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

都心直通四方山話

2019年12月03日 17時00分00秒 | 相模鉄道

(西谷トンネル・羽沢側坑口@羽沢横浜国大前駅)

土曜日の相鉄都心直通線開業、その他のスナップをいくつか。西谷~JR東海道貨物線の横浜羽沢間を結ぶ西谷トンネル(1,442m)。このトンネルの完成と、横浜羽沢での貨物線との接続部分を建設するのに時間が掛かり、都心直通線の開業は当初計画より何年か遅れました。羽沢横浜国大の駅はそんな西谷トンネルにくっついた半地下の駅ですが、ホームからは駅に接続したトンネルの大きな坑口を見る事が出来ます。

こちらは西谷トンネル西谷側坑口。本線の外側から、急勾配で本線に合流します。坂を登り切ったところにすぐホームがあって、設計面ではあまり余裕がない作り。坂を登り切った場所でピタリと止めなきゃならないの、運転士氏のハンドル捌きは苦労しそう。トンネルから顔を出したE233系、相鉄線内では「特急」の表示を出しますが、編成ごとに緑地表記と赤地表記があって統一されていません。プログラムの問題のようなので、いずれ直すのでしょうが。

新装なった西谷の駅に進入する相鉄12000系各停新宿行き。この形式はJR直通対応車両ですが、羽沢から新横浜を経由しての東急目黒線日吉延伸の際には、先に導入された20000系が東急直通に充当されることになっています。西谷の駅なんて駅の横に板橋のほうさい殿(葬祭場)と吉野家くらいしかめぼしいもののない駅ですが、今回の新線開通で一気に特急停車駅へ昇格。にわかに脚光を浴びるようになりました。西谷の新築マンションの広告なんかも沿線に撒かれ始めたりしてるんだけど、以前は駅から少し離れれば畑のあるような横浜の郊外だった西谷にも、開発の波は遅まきながら押し寄せるのでありましょう。

相鉄12000系の車内には、都心直通プロジェクトの一環として作成された「100YEARS TRAIN」というYoutubeムービーの宣伝ポスター一色。キャストが二階堂ふみと染谷将太、サウンドがくるりとサカナクションというラインナップは、何というか相鉄どうしたと(笑)。本当に今回の都心直通プロジェクトにおける相鉄のPR活動というものは、今までのものと一線を画している。たぶん企画に付いては、そこそこカネ払った上で大手の代理店に外注に出してんだろうなあ(笑)。「関東の大手私鉄で唯一都心へのアクセス路線を持たなかった相鉄」が、精一杯着飾って都心の繁華街へ駆け出していくような、そういう面映さというかコソバユサみたいなものがあるよね。

100 YEARS TRAIN|相鉄都心直通記念ムービー

 

うーむ。相鉄がこんなストーリー仕立てのホロリとしたショートムービーを作るなんて。相鉄自体はいわゆるフィルム・コミッション的な窓口を持っていて、コマーシャルムービーやテレビドラマ、映画なんかの使用に積極的で、たまにボケっとテレビ見てると「あ、ここ相鉄の駅だ」みたいな映像が流れることがある。企業CSRとPRの一環としてやっているのだろうけど、ここでそういった取り組みが花開いた感じ。

羽沢横国大から東海道貨物線に入る直通線は、そのまま横浜市の北部を港北トンネルで抜け、京急の花月園前あたりで地上に出る。家族で子供と一時期良く電車を見に行っていた辺りでもあり、「えっ、ここに出て来るの?」というヨメさんの軽いオドロキが。新鶴見信号場までは貨物線(羽沢線)のルートを走るので、いわゆる湘南新宿ラインと合流するのは新川崎の駅の先。よって羽沢の次は新川崎の駅を車窓でスルーして武蔵小杉になります。ここが微妙。小杉から新川崎に行きたい人は海老名方面の電車に乗ってはいけません。

相州の母なる山、大山をバックに都心へ急ぐE233。この週末は開業フィーバーに沸いた相鉄沿線ですが、相鉄が都心に繋がって受ける恩恵ってのはどの辺りになるのか?と考えてみる。相鉄の都心乗り入れは、対新宿で考えてしまうと、海老名~大和辺りは快速急行が走っている小田急優位は明白でしょう。ただ、都心直通の電車を武蔵小杉で降りると、だいたい同じホームに横須賀線が追っ掛けて来るダイヤになっていて、相鉄の西谷以西からの品川・東京方面のアクセスは改善されたかなあと。何がいいって、都心へ行くのに相鉄横浜→JRの乗換って人も多いし階段の上り下りはあるし、最低10分は掛かるので面倒なんですよね。あれが不要になっただけでもエライ効果あるっしょ。例えば東京から新幹線乗るのに、大きい荷物を持って横浜乗り換えとかかったるくてしょうがないもの。

この日は「相鉄都心直通パーティー」と称して、夕飯は駅前の焼き肉屋で肉を焼いてしまった(笑)。正直埼京線沿線の人が「直通したから」みたいなノリで相鉄沿線に来られても、観光的におススメ出来るものは何もないからな!強いて言えば神奈川県の県央地区は昔っから養豚業(高座豚)が盛んなせいか焼き肉やらホルモン焼きの美味い店が多いので、ホルモン酒場をフラリとしたい人は来てみてもいいかもしれないが。シロ、ミノ、ハツ、レバ、カシラ、ハラミ、カルビでお腹いっぱい。

本当にこの新線が評価されるのは、羽沢→新横浜→日吉の相鉄新横浜線開通が図られた時でしょう。目黒線と接続して、初めて相鉄沿線民に本当の恩恵が出てくるように思います。ただ、趣味的な側面から見た時に、相鉄にE233が走っているこの風景はとても新鮮で、久し振りに地元でカメラを握ってしまいました。またちょこちょこ撮りに行きますかね。


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