青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

天下の嶮の語り部

2018年09月09日 22時19分50秒 | 箱根登山鉄道

(ついに、とうとう、来るべき時が…@箱根湯本駅)

箱根登山鉄道のモハ1・2型。この顔のいない箱根なんて考えられないんだけど、先日小田急箱根ホールディングスから「世界に誇る観光地 箱根への挑戦」と題したプレスリリースが出されました。それによると、総額100億円を投じて箱根ゴールデンコースの大整備を行うそうで、海賊船やロープウェイの新造と同時に、登山電車についても3100型「アレグラ号」の増備が進められる事になりました。アレグラ号の増備により、事実上モハ1・2型は遅くとも2020年には引退する旨の余命宣告がなされた訳ですが、そうなると顔を見たくなるのが趣味人の悪いところ。という事でちょっくら湯本に顔を出してみました。


箱根湯本の駅を出て行く108+ヨンロクのコンビ。生粋の神奈川県民であり小田急沿線民である私にとって、箱根と言うのは実に身近な観光地ではありましたが、干物と塩辛と寄木細工の土産物屋が立ち並ぶいかにもな温泉場であった箱根湯本も、私が小さい頃のイメージとは大きく変わって洒落たお店が増えましたよね。湯本の駅も駅舎自体が大改築されて、大きく見栄えが変わってますからねえ。変わってないのはヨンロクと、駅裏にある「かっぱ天国」だけ(笑)。


駅を出て、いきなり80パーミルの急勾配を吊り掛けの唸りを上げてしがみつくように登って行く姿は昇竜の如し。流石に日本一の登山鉄道の面目躍如と言うべき光景です。屋根上に乗っているのはEBの連続使用を想定した大型の抵抗器で、クーラーキセではありません。登山線の中でこの形式だけは現状非冷房になっていますが、こうも夏が異常に暑くなってくると混雑時にはさすがに非冷房はキツイのかもしれない。昔は夏でも窓を開けていれば箱根の山は涼しかったから何にも問題なかったんだよねえ…。特にトンネルの冷気が車内にサーッと入って来るあの気持ち良さは、モハ1・2型の醍醐味の一つなような気もしますけど。

世界に誇る観光地・箱根の顔として君臨してきた偉大なる語り部にも、終焉の時期が近付いてきたようです。
これから、ちょこちょこと撮り貯めてみようかなと思います。
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