青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

あんかけの 雨が降る降る 権堂に。

2023年02月08日 17時00分00秒 | 長野電鉄

(郊外電車@信濃吉田駅)

村山橋を渡り、しな鉄北長野駅前の「ノルテながの」にクルマを放り込んで、ここからは暫し長野電鉄の乗客になります。北長野の駅に隣接する信濃吉田駅。長野市の副都心的な地域で、再開発された高層マンションや住宅街が立ち並ぶ様は、東京の近郊風景とそう変わりありません。こうして見ると、長野電鉄が「地方鉄道の雄」として優秀な経営基盤を持ち、意欲的な車両への投資や地下化などの近代化を進められたことが何となくでも分かる。橋上駅舎から眺める信濃吉田の駅、3000系の信州中野行きが進入して来ました。

信濃吉田から、意外にも若い男女でそこそこの混雑だった上りの長野行き3000系。善光寺下から地下鉄になる長電を、権堂の駅で降りた。権堂と言えば、善光寺の門前町として広がる長野市の中心街。正月明けのアーケード、正直開いている店は昔に比べると減ってはいるのだろうけど、そぞろ歩きの人やクラブのお姉さんが歩いてる様子に、初春の繁華街の華やかさみたいなものが感じられて・・・

久し振りに権堂に来たのは、決して長野のお姉さんのいる店が目的ではなくて、長野市民のソウルフード「いむらや」のあんかけ焼きそばで味のみちくさをキメに来たんですよね。パリパリポキポキの揚げ麺に、甘く煮たキャベツとキクラゲの餡を乗せ、錦糸卵と絹さやと焼豚をトッピング。これを酢でゆるゆるに溶いた和辛子とウスターソースをかけながら食べるという謎が謎を呼ぶ長野名物。もんじゃ焼きとちらし寿司と中華丼のハイブリッドみたいな味がする。美味いのか・・・?と言われると好みが分かれそうな味(笑)。いわゆる中華料理屋の「固焼きそば」をイメージして食べるとひっくり返る。この店はシュウマイも名物なのだが、これもやたら玉ねぎが効いていて、甘くてフヤフヤしてて肉っ気が少ない不思議なシュウマイで、崎陽軒のシウマイみたいな「肉とホタテの旨味でプリップリ!」みたいなイメージで頼むとひっくり返る。

不思議な固焼きそばとシュウマイで腹を満たし、権堂のアーケードをブラブラ。権堂と言えば長野大通りを挟んだ本社の真向いにイトーヨーカドーがあって、おそらく長野電鉄の大事な不動産収入になっていたと思うのだが、いつの間にか綿半スーパーセンターになっていた。権堂のイトーヨーカドーってそこらのデパートくらいの大きさがあったのだが、綿半になってかなり建屋が小さくなっちゃったなあ。権堂のイトーヨーカドーは「ながでん買い物きっぷ」とかやってましたよね。買い物した金額の10%が乗車券で戻ってくるヤツ。今でも須坂のイオンではやってるみたいだけど。

長野市の中心部。特に権堂あたりは、長野電鉄を利用してのショッピング・街ブラ的需要で発展した街で、それこそ長野市の衛星都市である須坂市や中野市を商圏にして大きなニーズがあったものと思われます。だからこそのイトーヨーカドーであり、買い物きっぷであったのでしょう。ただ、地方はどこもクルマ社会ですからね。どちらかと言うと上信越自動車道とか国道18号バイパス沿いに進出した大型店舗への遷移が目立ちますし、電車を使って繁華街にやって来るのは年配者と若年層が中心です。コロナ禍によって本数が減ってしまった長電ですが、ダイヤ改正後は電車1本逃すと結構待つなあという印象が。せめてこの区間(長野~須坂)だけは20分に1本とか、もうちょっとフリークエンシーが欲しいなあと思う。長野~朝陽の区間便でもいいけど。

本家東急田園都市線では、先日全車両が引退した8500系。長野ではまだ健在。
一日だけのショート・トリップだったけど、結構楽しめた長野電鉄でした。


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