青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

五年越しのリベンジ

2012年05月01日 22時25分12秒 | 日常

(画像:浜松浜北IC)

御殿場JCTから新東名をゆるゆると走りつつ、SAなんかに寄りながらお昼前に浜松浜北ICで降りる。あれ、新東名コンプリートじゃなかったんか?と訝る向きには申し訳ない、三ケ日JCTはまだ先ですが、道活動の後は鉄活動もしっかりしなきゃいけません(笑)。あ、旧東名だと静岡から浜松って走ってても結構長げえなあなんて思ったのだが、新東名だと静岡~浜松の体感距離が短いような気がしますね。新静岡からトンネル越えて、大井川を渡って島田金谷から牧之原台地の北側をバンバントンネルで抜けるともう森掛川だし、そっから少し走れば天竜川を渡って浜松浜北ICですからね。朝早いので子供もヨメさんも夢の中。一人でK-MIX(FM静岡)とか聞いてたらあっという間に着いてしまったよ。

 

浜松浜北ICから天竜方面へ国道を北上し、やって来たのは天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅。略称天浜(てんはま)線。確か平成19年の秋に掛川から新所原の全線を往復したんだっけかな。浜名湖の北岸を迂回するように走る第三セクターである天浜線の中間点にある主幹駅で、ここに同社の本社がございます。二面三線のホームと木製の上屋を持ち、東の掛川から来る列車、西の新所原から来る列車、半数程度はこの駅で折り返して行く系統の分断点でもあります。焦げ茶色の木造平屋建ての駅舎は昭和15年建造のものですが、駅出口にある丸ポストとかがいい感じですなあ。

  

駅前には交通の要衝らしく小さな公園があり、国鉄二俣線時代に活躍していたC58389号機が鎮座しております。ここ天竜二俣駅(当時は遠江二俣駅)には国鉄二俣機関区が置かれ、天竜川流域で切り出された材木や沿線の農産物なんかをせっせと貨車で出荷していたそうだ。秩父のC58363とナンバーが近いけど、あっちは川重製でこっちは汽車会社が作ってるんですね。最終的には汽車会社ってのは川重と合併してしまったのだけど。ローカル線向きとは言え、やはりテンダ機ってのはタンクとは迫力が違います。


時刻はお昼どき、まずは昼食をと言う事で、駅に併設されたラーメン屋「ホームラン軒」へ。静岡まで出て来てラーメン屋ってのもアレですが、天竜浜名湖鉄道は駅へのテナント誘致に熱心なのが特徴でしてね。ここの他にも宮口駅と浜名湖佐久米駅に喫茶店、金指駅にラーメン屋、西気賀駅には洋食屋、都築駅にはパン屋があり、特に西気賀駅の洋食屋「グリル八雲」は普通に評判らしいっすよ。金指駅以外は無人駅ですが、店を誘致する事で間接的に無人化を防ぎ、なおかつ駅の荒廃を防ぐと言う思惑なんだろ~ね。西気賀駅の洋食屋みたいに評判が良ければ、鉄道に乗って来ようと言う人も多少はいるだろうし…何より駅に店があるだけで、ややもすると失われつつある「地域における駅の存在感」の回復に繋がる効果はありそうですが。GW初日の昼時、「ホームラン軒」は近所の住民や天竜川畔を流すサイクリストで満員。勢いで注文したジャンボラーメン950円は、麺2玉&チャーシュー7枚&ニンニクの効いたワンタンが載った豪華版。麺はともかくバラ肉のチャーシューが胃に来る(笑)。細麺にスープはちょっと懐かし系のさっぱり味で、普通に美味しくいただきました。


さて、わざわざここまでただラーメンを食いに来た訳ではなくここからが本チャンの鉄活動。五年前の天浜線訪問時、天竜二俣駅の旧二俣機関区が見学出来る事を知り、いつかそのリベンジを果たそうと思っていたんですよね(笑)。果たそうと思っておいて既に時間はかなり流れていますが…その当時は入場券だけ買えば好きなように見れたようですが、今は一日一回、GWは午前と午後にそれぞれ一回見学時間が設定されて、ガイドの社員さん付きで案内をして貰えます。この会社、開業当時から残る古い施設を、平成23年に「産業的価値のあるもの」としてみ~んな登録有形文化財に登録し、そんなお上のお墨付きをこの鉄道は「国登録有形文化財を巡る旅」みたいなコンセプトでウリにしてしまいました(笑)。何だかそれって世界遺産ビジネスみたいだな。深読みすると、文化財登録しちゃえばそんな簡単に廃線に出来ないでしょ!ってのはうがった見方過ぎるのかなあ。

  

腹も膨れて、午後の見学時間まで駅の待合室で一休み。子供の手を引いて一緒に駅の中を危なくない程度に散歩してみると、ローカル線の駅とはいえさすがに本社を持つ主幹駅だけあって人の表情が駅にあります。交代する運転士、対向の列車を待ちながらフロントガラスをフキフキする運転士、GWを楽しそうに過ごすおじいちゃんと孫たち。都会のせかせか感と比べるべくもないのんびりした空気が、夏を思わせる日射しの下で流れているような感じでした。


ちょうど時間となりまして、集まった人数は20人程度。もっとマニアっぽい人種が集まるのかと思ったら、フツーの家族連れが多くて意外だったな。ともかく、そんなこんなで見学ツアーにそれなりの人数が集まるのだから戦略は成功してるのでしょうか。現れたガイドのおばちゃんの前説も終了し、構内踏切を渡って行く見学ご一行様。結構来るもんですねえなんて聞いたら、おばちゃん曰く「平日は苦戦しておりますです」との事だが…

と言う訳で、天竜二俣駅の文化財巡りは後篇へ続く。
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