青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

7歳男子の紙一重の戦い

2017年12月07日 20時53分54秒 | 東武鉄道

(利用者1日200人@東武鬼怒川線大桑駅)

ホームの先からは遠く高原山を望む島式ホーム1面2線の大桑駅。リバティから降り立ったのは私たち親子だけでした。上り電車を待っているじいちゃんばあちゃんから「こんなところに降りて何しに来ただ?」的な視線をガシガシに浴びながら跨線橋を渡って駅前に出ます。まあ特に何という事もない日光市内の集落にある駅で、乗降客数は1日200人ほどだそうな。昨今首都圏を出てしまうと少子高齢化と車への遷移で鉄道の利用者はどこもダダ下がりの傾向にはありますが、1日200人使っていればまだマシな方なんじゃないかと。

 

PASMOの簡易カードリーダ機があるだけの駅舎には切符の自動券売機すらありませんが、駅前の商店でごくごく近距離までの切符の販売が行われています。この「乗車券簡易委託駅」というのが日光線の新栃木以北や伊勢崎線の末端区間などにはまだ残っていて、東武が駅周辺の民家や商店などに委託料を支払った上で駅の管理や切符の販売を任せている訳ですが、販売する切符自体は受託側が実費で買い取るという制度なので、乗客減やIC化による切符の販売総量の減少が進む昨今では受託側に「売れない切符を在庫で抱えるデメリット」が大きく、制度自体も風前の灯火と言えそうです。


駅から北に約5分歩いて、旧国道121号沿いの線路っぱたにやって来ました。下今市から鬼怒川温泉までの12km程度をのんびりと往復する「SL大樹」をここで撮影しようと言う訳です。東武のSLは走行距離も短いですし、架線柱の間隔も短いしでなかなか撮影ポイントは限られるようですが、この辺りはやや周辺が開けていますので、編成の収まりのいい写真が撮れそうです。


個人的には、少し角度を付けて広角っぽく撮影するのが好みなのですが、このアングルだと必然的に手前の旧国道を走る車との兼ね合いが出て来ますね。前走りの東武日光行きを国道を挟んだアングルで撮影してみましたが、案の定走ってきた車にカブられてしまいました。R121は線路の向こうに新しい2車線のバイパスが出来てますんで、旧国道の車通りは大してないんですが、アングルをどう組むか。子供と一緒に考えてみます。



結論から言うと、オトーサンは線路際から縦構図で正面打ち、子供は旧国道を挟んだサイド打ちの両面作戦。線路際には歩道がないので、クルマが来たらしゃーないと言う事で子供は安全な歩道側から広角で撮ってもらう事に。通りを走るクルマが来ないかどうかヒヤヒヤしながらSLを待っていると、遠くからSLの汽笛が聞こえて来ました。が、おそらく追っ掛けと見られるクルマも何台か確認出来て非常にヤキモキ。「おと~さ~ん!クルマが来ちゃう~!」という背後からの子供の悲痛な叫びに「とりあえずクルマが来ても来なくてもシャッターを切って!」と激励の指示を出して自分はアングルに集中。SLとゆーのは姿は見えどなかなか近付いて来ないものでありますなあ…

クリスマスリースを付けたC11207が、初冬の空に白煙を噴き上げて大桑のストレートをゆっくり進んで行きます。
そして子供のカットを確認すると…何とかクルマが先に抜けてくれたようで、まずまずの一枚を手にする事が出来ました(笑)。
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