青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

房総小湊厳冬記。

2023年02月20日 17時00分00秒 | 小湊鐡道

(マイナス3℃の出区前@上総牛久駅)

最近は仕事が忙しく、土日をフルで戦う体力もないのであんまり遠出もしてないんだけど、さりとて何もしないのも面白くないので・・・という感じでちょこちょことカメラを持って外出はしております。先日は、朝活という事で早朝の小湊鐡道に行って来ました。前の日に晩酌して早く寝ちゃったもんだから、朝3時なんかに起きちゃったんだよね。早朝にパパっと遊んで家に帰るなら家族に後ろ指差される事もあるまいってんで、真夜中の横羽線からアクアライン。朝5時の上総牛久、マイナス3℃の出区準備。DMH17型エンジンのアイドリング音が鳴り響く。

上総牛久。房総半島の中央部に位置する街で、東西は木更津から茂原を結ぶ国道409号線、南北は市原から大多喜を通って勝浦を結ぶ国道297号線大多喜街道が交わる交通の要衝。小湊鐡道の運行上も重要な拠点で、2面3線のホームに各方面の始発列車が滞泊しているのも基幹駅ならでは。最近はJRから導入したキハ40が幅を利かせ始めている中、個人的には「いやいや小湊と言えばキハ200っしょ!」と思っている原理主義者なのでありますが、この日の朝の牛久は、そんな私には嬉しいオールキハ200の世界。

時折構内を吹き抜ける風の冷たい事。上総牛久は房総半島の内陸の街で、夏は暑く、冬は寒い。凍て付く空気の中で続く出区準備、車内の清掃とサボの付け替えを行う女性車窓さん。小湊には何人かの女性車掌さんがおりますが、仕事とはいえこの時間から働いているのだから、なかなか大変な仕事である。

定刻AM5:25。時機に合わせて車掌さんが扉合図を行い、僅かながらの客を乗せて出発する五井行きの始発列車。コロナ禍による乗客減で、稼ぎ頭の五井~牛久間でも減車・減便の目立つ小湊鐡道。市原市南部沿線の過疎化と相俟って、鉄道部門の収益はかなり厳しい状況と聞き及びます。それでも房総の、いや日本の里山風景のアイコンともなっている鉄道会社。その主役たる「小湊ツートン」とも言えるオレンジとベージュの塗り分けのキハ200、既に最終増備からも45年を経過し、すっかりとオールドディーゼルカーになりました。プレスドアと車内配管の出っ張り、ドア内側のステップなど、今はないギミックがてんこ盛りの得難い車両。明けの満月の優しい光が照らす中、ディーゼルの白煙を噴き上げて、牛久の駅を出て行きました。


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