青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

偉大なる 東武の色彩 いつまでも

2019年11月17日 09時00分00秒 | 東武鉄道

(ある晴れの日に@東武アーバンパークライン大宮駅)

相変わらず貧乏性なのか、平日の晴れ空を見ると「もったいねえなあ、働いている場合じゃねえよなあ」という気分になってしまうのは撮り鉄の性(笑)。6月に撮影した東武8000系8111F、前回は6月という時期が悪かったか雨だったので、どっかで晴れカットを撮影してみたいなと思ってはいたところ、ひょんなことからこの秋にまた臨時列車として運行するという話。ようやく最近は天気も安定して来ましたんで、再び撮影に行ってみました。湘南新宿ラインを降り、乗客の多いコンコースを抜けて降り立った大宮駅ホーム。新8000系の向こうに何より目立つ「やきとりセンター280円!」が、「フン、アーバンパークラインっていうのかい?ぜいたくな名前だねえ。所詮お前は東武野田線だ、いいかい、東武野田線だよ!」という湯婆婆の気持ちにさせてくれるのであった。

今回の臨時列車の行路は、大宮から春日部を通って東武動物公園までの片道のみ。なんでも東武動物公園駅で行われる「宮代トウブコフェスティバル(詳細不明w)」に合わせての運行なのだとか。大宮から東武動物公園までというとそんなに距離がある訳でもないし、風光明媚な場所を走る訳でもないし・・・と一瞬躊躇したんだけど、どっかに撮るとこくらいあんべ!と事前にGoogleマップで調べてアタリをつけてみる。だいたいのロケハンはGoogleマップで分かるから楽なもんだ。大宮から春日部の間は基本的に埼玉南部の住宅街を走る野田線ですが、目星をつけたのは七里~岩槻間に広がる見沼代用水の田園地帯。その辺りなら多少開けていて構図が組みやすいのではないかという算段である。同じ電車に乗ってたいかにも8111F狙いっぽい若い子と一緒に、大宮から5つ目の七里駅で下車。

ぽけぽけと駅から15分くらい歩いて件の田園地帯に出てみたのだが、案の定既にめぼしいポイントにはクルマで乗り付けた東武鉄がひしめいている。うーん。遅かったか。現着は通過45分前くらいだったのだけど、8111Fは相変わらず人気だよなあと改めて思いますねえ。別に集団に入ってしまえば撮れないこともなさそうだったのだけど、まだ時間もあるので気楽に撮れる場所を探してみることに。目当てにしていた田園地帯のもう少し先、国道16号の東大宮バイパスをくぐって、用水路を渡る小さな橋に向かって線路が小上がっていく辺りで座を構えてみます。通過して行ったのは野田線の最新型車両60000系。デビュー時は「野田線にウン十年ぶりに新型車両が!」「東武本社は野田線のことを忘れてたと思ってた!」と様々な方面からの驚嘆の声が上がりましたが、新車の投入ペースが速いようでもう過半数がこの形式になっているようです。

座を構えて30分程度、お目当ての8111F送り込み。太陽の動きをヤキモキしながら気にしていたのだけど、通過までに正面まで日が回りきらなかったのは残念。あんまり東武のネタの細かいことは知りませんが、たぶん北春日部の車庫から出てきて、春日部から大宮に送り込まれ、大宮→春日部→トブコの本運転の後は回送で北春日部という行路になると思われる。定期列車の合間を縫っての臨時運行なので、1面2線の大宮駅での留置時間もごく僅か。送り込まれた後は大宮からあっという間に折り返してくるので、撮影出来るのは往復一回ずつ(しかもあまり場所も動けない)のチャンスしかない。ひょっとしたらイベントに合わせて何かカンでも付けてくるんじゃないか?みたいなマニアのうわさ話も現場であったんですけど、いつも通りの素っ気ない「回送」の赤幕で通過して行きました。

送り込みから折り返しまでに新しいアングルを探そうと思ったんですが、一緒に撮影していた同業の方にアテを聞いたら「今から動いても正直時間なさそうですよね」という答え。なので、立ち位置を100mほどずらした場所で同じようなアングルを組まざるを得なかった。ケーブルやら架線柱やらもっとやりようはあったと思うのだが、先客の構図とかの兼ね合いで立ち位置決めるのに時間もなくて(20分弱でしたかね)あんまり細かいところまで気が回らなかったなあ・・・ちなみに最初は背後にある国道16号の陸橋上から撮影しようと思っていたのだが、この直前に大宮行きの列車が通過しており、あちらに座を構えていたらおそらく被っていたのではないかと思われる。なんだかんだとありましたが、それでもセイジクリーム一色の色味に身を包んだ昭和の東武の偉大なるマンネリ(当時は)こと東武鉄道8000系の姿を令和の御代に拝めることは、ありがたや東武博物館!という感想以外にない(本編成は東武博物館の所有する動態保存の車両という位置づけ)。

改めて考えてみる東武8111Fの動態保存の意義。例えば小田急が9000系とか5200系を6連の1編成保存してたり、京急が旧1000系の6連を保存してたりするとしますよね。そんで、こうしてなんかのイベントだけでも年に数回走らせてくれるとかあったら、天気もクソもなく絶対通っちゃうと思うんだけど、そんなマニアの夢のようなことをしているのが東武という会社なんだよなあ。この動態保存については東武博物館の館長である方の尽力が非常に大きいと聞きますが、小田急ももう少し博物館(ミュージアム)の建設が早ければ、生方良雄御大でも館長に担いで5000系の4連1本くらいは保存出来たかもしれないねえ・・・とあらぬ世界線に妄想を広げてみたりするのでありました。


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