青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

紅き空っ風の使者

2016年10月16日 21時20分57秒 | 東武鉄道

(東武で一番過疎な駅@板荷駅)

下小代の築堤を後に、電車に乗って板荷駅までやって来ました。最初は1駅くらいだから歩いてみようかなとも思っていたんだが、この辺りの駅間は結構な距離があるのでヤメてしまった。下小代は日光市ですが、ここは鹿沼市。ホームからゴツゴツとした岩山を眺められる駅です。無人の下小代に対してここ板荷の駅は一応駅員が詰めている有人駅ですが、なんでも東武電車の中で一番利用者の少ない駅なのだとか…

 

板荷駅駅舎。駅の周りには小さいながらも集落はあるし、そこまで乗客が少なそうにも思えないけどね。佐野線の葛生の方とか小泉線のあたりの無人駅の方がよっぽど客がいなそうなイメージがあるんだが。ICカードが普及した昨今らしく自動券売機はなく、乗車券が欲しければ出札窓口で買うスタイルというのも珍しい。窓口時間は9時から16時ですが、12時から1時間は昼休みになってしまうのが一人勤務のネック。労働時間厳守。

 

ここは駅から下小代寄りの一つ目の踏切が好ポイント。下り電車は板荷の駅を出てカーブしてくるところを正面がちに、上り電車はそのカーブへの差し掛かりを小首をかしげた感じに角度を付けて撮る事が出来ます。隅田川の流れをイメージした青い塗装が「粋」、スカイツリーのライトアップの色味に似せた江戸紫が「雅」という愛称のスペーシア。この辺りは普通・快速と有料特急の割合が1:2くらいで、圧倒的にスペーシアが走って来る割合が多い。

 

ゴールドのスペーシアと、本来ならば「臨時特急きりふり」で運転されるはずだった350系。午前中の人身事故によるダイヤ乱れで、臨時のきりふりは運転打ち切りかもしくは運休になってしまったらしい。いずれにしろ先ほどの臨時快速同様午後の上り便に充当するために東武日光まで回送された模様。原形1800系は6両ですが、この編成は特急りょうもうを退役した後、4両編成に組成変更された上でリニューアルを受け改番されています。定期仕業はなく、臨時便の波動輸送に充当されているのは同じですけどね。


さて、ここで改めて先ほどの原形1800系が新栃木へ回送されるシーンを狙います。今度は線路っぱたにかぶりついて編成写真を撮りたかった。臨時快速への充当時は、午前中は南栗橋車両区(回送)→浅草(臨時快速)→東武日光(回送)→南栗橋車両区と走り、午後遅くに再び南栗橋車両区(回送)→東武日光(臨時快速)→浅草(回送)→南栗橋車両区というちょっと無駄の多い運用をしているようです。今回の東武行脚は別にこの編成を狙いに来た訳ではないんだけど、さっき下小代の築堤で撮影した時にビビッと来るもんがあったのはやはり体の中に染み込んだ「子供の頃の花形車両」への憧れなんだろうか。

東武と言えば当時は「けごん・きぬ」のDRC1720系が看板列車だったけど、空っ風吹く太田・伊勢崎・桐生方面のビジネスユースと言えばこの「特急りょうもう」の真っ赤な1800系。赤城の駅で上毛電鉄のふっるい電車と並んだ写真は、「ヤマケイ私鉄ハンドブックス」なんかで見た記憶が鮮烈である。そんなに安い本じゃなかったんで、お年玉でばあちゃんに買って貰ったんだよなあ。
コメント
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