青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

古き良き 急行列車で 行く旅路

2016年10月17日 22時29分51秒 | 東武鉄道

(東武の三段ロケット@区間快速会津田島(新藤原)東武日光行き)

板荷駅で撮影した区間快速。多層建ての列車である事はご説明した通りですが、前の2両が会津田島行き、後ろの2両が東武日光行きであるのに加え、真ん中の2両は会津田島行きに付いては行くものの新藤原で解放されてしまうというのも面白い。そのため、前面の方向幕に【会津田島(新藤原)東武日光】という三つの行き先が書かれている訳です。先頭車両のナンバーを見てみると「62102」となっていますが、これは6050系の中でも東武が発注した上で野岩鉄道開業時に同社へ譲渡された2編成のうちの一つ。


6050系に付いては、先代の日光線快速用車両だった6000系の下回りを流用してハコだけ乗っけたグループと、一切を新造したグループの2つに分かれています。その大きな違いは台車にあるんですが、この画像で言うと右が流用車、左が新造車ですね。どちらも東武らしい軸箱から平行に板が伸びるミンデンドイツ式の台車ですが、6000系由来のFS357は真ん中に空気バネを置いているクラシカルな形の美しい台車です。


 

下今市駅での解結風景。自動幌などは装備されていないので、連結器の解放後は乗務員が自ら幌と渡り板を畳んでいくスタイル。東武日光線の6050系快速って座れてナンボみたいなとこがありますんで、結構前の4両からここで東武日光行きの後ろ2両に乗り換えて来る客も多いですね。

 

解放作業は約5~6分程度で終了し、会津田島(新藤原)方面の車両が先に発車して行く。三連休最終日とは言え午後の下りで立ち客まで出る盛況の車内であった。さすがに日光は世界遺産登録地だけあって海外勢が目立ちますな。成田からだと京成で日暮里まで出て北千住から東武線乗って来るのかなあ。京成高砂で普電に乗り換えて京成関屋→牛田乗り換えを颯爽と使いこなす海外勢もひょっとしたらいるかもしれんがw


 

下今市に残った東武日光行きもおもむろに発車。2両編成では繁忙期には輸送力不足の気配ありありと言った感じなのだが、まあこっから東武日光までは2駅しかないので我慢しろと言う話なのだろう。そもそも行楽シーズンは北千住からかなりの乗車率で走る事も少なくないので、(東武動物公園2+東武日光2)+(新藤原2+会津田島2)の8連で走ればええんちゃう?と言う感じもするのだけど、どうしても東武の優等に関しては浅草駅が狭くて基本的に6連までしか無理という物理的な問題が付きまとうのであります。

 

主に特急きぬ・きぬがわに接続する下今市~東武日光のシャトル便。南栗橋以南では2時間ワンサイクルの区間快速・快速でしか姿を見ない6050系も、ここまで来るとまさに独壇場。全ての車両が新栃木の車両区に所属し、昭和末期から野岩線や会津鉄道を含めた運用をカバーして来ました。しかしながら早くも登場から30年を経過しており、来春に投入される東武日光線系統の新型特急車両500系は3両固定編成で、基本的には分割併合前提の3+3の6両で運用されるそうなので、ある程度この形式の淘汰も進むのではないかと。来春に新型特急車両の投入、そして来夏には鬼怒川温泉~下今市間でのSL運行開始と何だか色々なことが変わりそうな2017年の日光・鬼怒川界隈であります。


先に到着した東武日光からの区間快速に、ホームの駅員氏に誘導されながら併結される会津田島からの4連が慎重に近付いてきました。幌部分の上にある小さな2つの急行灯が点灯していますね。分割併合の出来ないスペーシアを補完して来た6050系、さすがに大所帯なので一気に淘汰されることもないのだろうけど、浅草口からの長距離運用の縮小や、よりローカルな新栃木以北の短距離輸送にシフトする可能性は十分考えられます。東武5700系の時代から続く、古き良き急行列車風の雰囲気を残す車両で楽しむ長旅。楽しめる時に楽しんだ方が良さそうです。
コメント
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