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フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

une lettre

2020-06-18 09:27:17 | Weblog
Gauguin とGoghの書いた手紙が競売にかけられて210,600ユーロでゴッホ美術館が買ったてね。イギリスの新聞ではletter about brothel visitと書かれていたから「訪問した宿についての手紙」ということかな。brothelって売春宿って意味もあるんだけど内容が美術論であったりしてるからゴッホのイエローハウスのことかな?1888年11月1-2の日付。あて先はEmile Bernard。ゴーギャンとゴッホ両方があーだコーダと書いてるから二人の関係が垣間見えて面白い。「ゴーギャンってオレに興味があるんだぜ」 とゴッホが書けば「あいつを甘やかすんじゃないぞ」とゴーギャン。ゴッホに見えてゴーギャンに見えなかったもの、ゴーギャンに見えてゴッホに見えなかったものなんかが想像出来て手紙って面白いね。SNSやメールでないから行間が読めてね。まぁ勝手な想像なんだけどね。ゴッホは37くらいで自殺だったね。ゴーギャンは54歳で死亡。巨匠っていうからもっと年取ってるかと思ったら意外とみんな若い。老成度は高いけど当時の平均寿命を見ればそんなもんかな。ゴッホはどんどん絵が明るくなっていってゴーギャンは晩年は静かな落ちついた絵に変わっていっている。ゴッホも54まで生きていたら絵が変わったのかもしれないと思うとまた別の物語が生まれて来そうで頭の中で絵が回っていく。不潔で埃っぽい部屋で男二人がそれぞれの絵を描いていた。絵具の匂いとかテレピン油の匂いとかに混じった二人の体臭まで匂ってきそうなこの部屋の外ではアルルの風が爽やかに吹いて木陰に影が揺れる。甘えん坊のゴッホとマッチョなゴーギャン。そんな静かな午後のひと時を過ごしたこともあったんでしょうね。
コメント
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