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フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

hangouts

2020-06-07 09:39:05 | Weblog
むかし、と言ったら昔なのか
たまり場って言うのが、男にはあって
暇さえあれば
そこにたまって 腰を落ち着けていた
何かを特別するでもないが
妙に心地よい居場所だった
それはたいてい 小さなバーであって
カウンターとテーブルが2個もあれば十分で
ビールとウイスキーだけの店だったけど
たまにマスターが男の手料理を作ってくれて
振舞ってくれたりもした
歳が微妙に分からないマスターはグラスを磨きながら
ボソボソとしゃべるオレの話を聞いてくれて
時たま短い言葉を挟んではにかむのがクセだった
その姿が妙にカッコよくてさ ちょっと
真似したもんさ
俺のお気に入りのたまり場だったけど
流行り病で街が寂れた時
その店も傾いてとうとう断念したと聞いた
街に賑わいが戻りかけた時
その店を訪れた
ドアにオレへのメッセージが挟んであった
どこかに吹き溜まれたらまた会おうと。
マスクをつけたオレの顔が
店のガラスに映っていた





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