Edie

映画「イーディ83歳はじめての山登り」見てきました。原題は「Edie」副題がnever too late。夫の介護歴30年のイーディが夫の死と共に幼かったころの夢「スイルベーン」登山に挑戦する物語だ。介護の苦労は洋の東西を問わず誰も分かってくれない。娘はイーディをさっさと老人施設へほうり込もうとする。そんな中、街のフィッシュ＆チップス屋さんに入って「今から注文してもいい」って言うと「食べるのに遅すぎることはないさ」never too lateという言葉に閃いて子供の頃の夢だったスコットランドのスイルベーン山に登る決心を突如するんだ。そのスイルベーンという山がね標高は高くなさそうだったけど形がジャンダルムを二つ並べたようなというか団扇状の特徴ある山でスコットランドではシンボル的な山だとか。標高は高くないけどとてもキツイという四国の山に慣れてる身にとってはこの山はキツイとすぐにわかった。尾根に出るまでほぼ垂直に見えるものね。スコットランドの町に着いて登山ショップのジョニーと知り合って登山の仕方を教えてもらったり登山用品の使い方を習ったりではじめバカにしあいだった二人がうちとけていったときイーディはソロで行くという。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
「僕がいなきゃ無理」という気持ちを呑み込んで見送るジョニー。スコットランドは森が深いというか豊。突然の天候不順で猟師小屋に転がり込んで難を逃れるイーディ。そこへ猟師が戻ってきて寝てるイーディを見てそのまま寝かせてあげる。おまけに濡れた服なんか乾かしてくれて朝にはオートミールなんか作ってくれて。山のルールってどこでも同じなんだね「いいなぁ」と思いながら見てた。天候が悪くなってイーディと連絡が取れなくなったことを心配してジョニーが救出に向かう。翌朝晴れ、元気を取り戻したイーディは最後の崖を登る。途中で荷物もほっぽり出して這いながら登っていく。ついに尾根に出たところでダウン。もう死んだのかと思ってた。そこへようやくジョニーが追いついてくる。「イーディ」と呼ぶが返事がない。生きてるのかなぁと体をゆするとイーディが目を開けるその時の二人の喜びが画面から見る以上に伝わってくる。「頂上はもうすぐだ。もう十分だ」というジョニーに「もうすぐなら連れてって」というイーディ。「もすぐじゃないけどなぁ」と思いながら押しとどめようとするジョニー。「やらなければ、これが夢だったから」とジョニーを頼るイーディ。そして二人して頂上に。「ウ～ン山はやっぱりピークを目指さんといかんなぁ」というのが感想。イーディを演じた女優さんも83歳で実際登ったんだって。この映画を見終わって出て行くとき観客のみんなが「おおの、一緒に登ったみたいにだれた」と言ってましたっけ。観客は15~6人程度、若い人といっても40代かな、これが2人。あとはみな別のおやまに登らないといけない人たちばかりだった。それでも「私も、やっちゃお」と思ってるからnever give upなんだなここに来た人たちは。いやぁ、いい映画を見たなぁ。2017年の映画っていうからこの女優さん生きてるかなと気になって調べたら現在87歳で健在だって。良かった。