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フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

途中からだったけど

2015-03-26 07:10:10 | Weblog
BSのドキュメント番組、途中からだったけどビックリした。というのが正直な反応。山の事故で両手両足を失った登山家がマッターホーンへ挑むドキュメンタリーだ。イギリスの制作なんだろうか。どういう経過でそうなったかは番組の半分くらい見てないからわからないが一緒に行くプロのパートナーと訓練を繰り返していた。いよいよ今年、マッターホーンに挑むという時になってパートナーが雪崩に飲み込まれて死んでしまうんだ。2年くらい落ち込んで徐々に立ち直っていく姿を映し出す。そしてイタリアのプロ登山家にパートナーを依頼して挑戦へのトレーニングを開始。見ていたら痛々しい。それでも岩にへばりついてなんとか訓練に耐える。そしてマッターホーンに挑む。

なんでも天候に左右される山ということでこの時は登れるのが1日しかなかった。午前5時30分に出発して午前9時までにソルベイ小屋まで登らなければこの山は登れないと言う。鎖とザイルを頼りに岩をよじ登っていくんだが義足が滑ったり手がないもんだから岩穴に腕を差し込んで登る姿は痛々しい。どうしても普通の人より遅れる。「遅い」と叱咤激励の声が上から響く。それでも20分遅れでソルベイ小屋に到着。「20分遅れた」「上に行くか」「もうこれ以上早く登れない」「それでも行けるとこまでいきたい」と二人は上を目指して登り始める。あと300mというところでタイムオーバー。ここで下山の決断をしたときの彼の表情が山男らしくてとてもよかった。山では登らないよいう勇気がもっとも必要だから。「僕は満足している。あの時登ろうと思えば登れただろう。でも家族に生きて帰ると約束してたからそっちを選んだんだ」とあとで言ってた。この時オレは五体満足なんだからもう少しガンバロウと思った。そしてグレートネイチャーの白馬のキレットを見たとき止めようコワっと思った。五体満足でも根性はなってないのだ。しかし世の中エライ人がいるもんだね。
コメント
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