映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ぼくの名前はズッキーニ

2019年10月03日 | 映画(は行)

世界中のズッキーニたちに幸せを

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第89回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされた、ストップモーションアニメ。
そのときから気になっていたのをやっと見ることができました。

 

アルコール依存症の母と暮らす9歳少年ズッキーニ。
ズッキーニの過失により母親が亡くなり、孤児院で暮らすことになりました。
不安でいっぱいの新生活。
ちょっと意地悪な子もいます。
しかし、周りの友達もそれぞれの問題を抱えていることを知り、次第に打ち解けて、
ズッキーニは自分の居場所を見出していきます。
そんなとき、また新たに一人の少女・カミーユが入所してきます。

 

この「ズッキーニ」というのは、本名ではなく、彼の母が彼をそう呼んでいたのです。
いつも飲んだくれてガミガミ言う母ではありましたが、
ただ一つ母と自分との絆のような気がして、彼はそう呼ばれることを好んだのです。
実のところいくらフランスでも、野菜の名前なんておかしいと、
他の子供たちははじめ、笑うのですが。

 

ここの施設の子供たちのボス格なのだがシモン。
はじめにズッキーニに「ようこそムショへ」なんて言ったりするツッパリくんです。
でも次第にそう悪いやつでもないというのが見えてきます。
はじめからみんな仲良し、なんていうのよりずっといいですね。
子供たちは親が刑務所に入っていたり、虐待を受けていたり、それぞれにそれぞれの事情があって、
そしてまたここへやってきてもなお、心に受けた傷が癒えずに
行動に影響が出ている子がいたりするのです。

 

けれど、ここの施設の職員や、ズッキーニを保護してくれた警官のように、
子供たちをしっかり見守る大人がいるのは救いですね。

世界中の「ズッキーニ」たちに幸せが訪れるようにと願ってやみません。

 

ぼくの名前はズッキーニ[DVD]
ガスパール・シュラター
ポニーキャニオン

WOWOW視聴にて>

「ぼくの名前はズッキーニ」

2016年/スイス・フランス/66分

監督:クロード・バラス

子供たちの実情度★★★★★

満足度★★★★★

 



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