映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

偶然と想像

2024年07月20日 | 映画(か行)

偶然なんだけれど・・・

* * * * * * * * * * * *

濱口竜介監督による、3編からなる短編オムニバス。

 

★「魔法(よりもっと不確か)」

親友が「いま気になっている人がいる」と話題にした男が、
2年前に別れた元カレだったと気づく・・・

★「扉は開けたままで」

50代にして芥川賞を受賞した大学教授。
落第させられた男子学生が逆恨みから彼をハニー・トラップに陥れようと、
女子学生を研究室に送り込む。

★「もう一度」

仙台で20年ぶりに再会した2人の女性。
しかし実は双方思い違いだったのだが・・・

それぞれに偶然の出会いがあったり、できごとがあったり・・・。
そんな中から、彼女たちの過去の後悔が浮かび上がってくるのです。
彼女たちは、想像する。
もしこんな風だったら・・・。

 

中でも二作目「扉は開けたままで」は、かなりのインパクトがあります。

大学教授を誘惑しようと研究室を訪れる女。
けれど教授は常からいつも扉を開けたままにしているのです。
アカハラやらセクハラ疑惑を持たれないように。
そんな中で、次第に2人の関係が変わっていく・・・。

しかし、その結末がまた、意外でショッキング。

短編で描かれるからこその作品であると思います。

 

<WOWOW視聴にて>

「偶然と想像」

2021年/日本/121分

監督・脚本:濱口竜介

出演:古川琴音、中島歩、渋川清彦、森郁月、占部房子、河井青葉

 

偶然度★★★★☆

満足度★★★★☆