映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

愛にイナズマ

2024年08月28日 | 映画(あ行)

疎遠だったダメ家族だけれど・・・

* * * * * * * * * * * *

26歳、折村花子(松岡茉優)は幼い頃からの夢、
映画監督デビューを目前に控え、気合いに満ちていました。
そんな時に、少し風変わりな、空気の読めない男・舘正夫(窪田正孝)と
運命的な出会いをして、親しくなります。

ところが、映画の企画がプロデューサーらに丸ごと奪われてしまい、
監督の夢は消えてしまいました。
失意の花子を励ます正夫に、花子は泣き寝入りせず闘うことを宣言。

 

花子が撮ろうとしていたのは、元々花子の家族の話、「消えた母」のことを題材にした映画だったので、
実際に自分の家族を使って映画を撮ろうと思いつきます。
そこで正夫を伴い、10年以上も音信不通だった実家へ向かいます。

そこに集まったのは、父(佐藤浩市)、長男(池松壮亮)、次男(若葉竜也)。
花子は、母は外国へ行ったと聞かされていたのですが、
本当はどこにいるのかと父を問い詰めます・・・。

どうしようもなく壊れた家族のように見えていた、この家族。
しかし、「映画」のためといいつつ、この家族の問題を語り合ううちに、
今まで見ようとしていなかった互いの真実が見えてきて、
やはり「家族」なんだな・・・という充足感に包まれていきますね。
ここのあたりが実にお見事でした。

第一この名優揃いの家族、贅沢過ぎませんか? 
私の好きな俳優さん勢揃いなんですもの。
おまけに、正夫の親友役が仲野太賀さんなんですが、
こちらは仲野太賀らしからぬ(?)役柄で、これもまた洒落ている。

すごく気に入ってしまいました。
なんで公開時に見なかったのだろ。

 

「愛にイナズマ」

2023年/日本/140分

監督・脚本:石井裕也

出演:松岡茉優、窪田正孝、池松壮亮、若葉龍也、仲野太賀、佐藤浩市

家族愛度★★★★☆

満足度★★★★☆



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