映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

木曜組曲

2021年04月06日 | 映画(ま行)

女たちの競演



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恩田陸さんの原作は確か読んだことがあるのですが、
例によって内容はほとんど覚えていませんでした。
でも実のところ、あまりピンとこなかったような印象が残っていまして、
そのため映画化された本作も見ていなかった次第。

 

 

4年前、謎の自殺を遂げた女流作家・重松時子(浅丘ルリ子)。
時子を偲び、5人の女たちが今年も集まります。

時子の長年の編集者で、同居して身の回りの世話をしていた、えい子(加藤登紀子)。

編集プロダクションを営む靜子(原田美枝子)

ノンフィクションライターの絵里子(鈴木京香)

ミステリ作家の尚美(富田靖子)

純文学作家のつかさ(西田尚美)

皆、書くことに関わる仕事をしていて、えい子以外は時子の親類でもある。
皆時子には一目おかれる新進気鋭の立場で、
毎年時子の家に集まり、食事やワインを楽しむ気のおけない関係なのでした。

ところがこの日、送り主不明の花束が届き、
「みな様の罪を忘れないため、この花束を捧げる」というメッセージが・・・。
時子の死は、自殺ではなかったのか?
女たちは食事をとりながら、4年前の出来事を思い返していきます。

 

きっぱりと証拠固めで結論の出るミステリとはちょっと違う。
言ってみれば心理劇に近い。
本格ミステリにハマっていた私は、そういうところで本作、
物足りなく感じたのだと思います。
でも、今にしてみればこれもまた良しかな、と。

何より本作、実力派女優陣が豪華ですよね。
共演、というか競演。
一見和やかな食事風景でありながら、
どこかそれぞれ胸中に何かを秘めているようなひんやりした部分も感じられる。
いい感じです。
だから本を読むよりも、むしろこちらの方がオススメ。

そしてほとんど20年前の作品なのですが、
皆さん「若いな~」という感じがほとんどしない。
つまり、今も20年前の美しさをほとんど変わりなく保っていらっしゃる。
さすが女優。驚きです。

 

作っている料理がどれもおいしそうで、これも楽しみの一つでした!

 

<WOWOW視聴にて>

「木曜組曲」

2002年/日本/113分

監督:篠原哲雄

原作:恩田陸

出演:鈴木京香、原田美枝子、富田靖子、西田尚美、加藤登紀子、浅丘ルリ子

 

豪華女優競演度★★★★☆

満足度★★★.5

 



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