映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

デビルズ・ノット

2015年10月12日 | 映画(た行)
解答のない、現実



* * * * * * * * * *

1993年アメリカで実際にあった「ウェスト・メンフィス3」事件を映画化したものです。


児童3人が殺されるという猟奇殺人事件。
警察は「悪魔崇拝」をする16~18歳の若者3人を犯人と断定します。
しかしそれを不自然と感じた私立探偵ラックス(コリン・ファース)が、
独自に捜査を開始します。
また被害者の一人の母、パム(リース・ウェザースプーン)も、
裁判で聞く様々な矛盾点に動揺させられます。
そしてある一つの疑惑を抱くのです。





事件直後現地近くのレストランに現れた血まみれの黒人男性とは?
事件の目撃談を語った少年の言葉の真偽は?
どれも不審なことばかり。
警察の捜査があまりにも断定的だったことは間違いありません。
でもそうだとするならば真犯人は一体誰?



実際、史上最悪の冤罪事件と言われているもので、
2011年に獄中の3人が有罪を認める代わりに釈放されるという
異例の司法取引があったそうなのです。
だから、未だにその真相は藪の中。



だから映画の結末ももちろん真犯人が明かされたりはしません。
それで、なんとも放り出されたような感じがしてしまうラスト。
・・・それこそがリアルな結末なのでした。



キングスマンを見たあとでは、コリン・ファースが嫌味がなく普通にカッコイイ。

デビルズ・ノット [DVD]
コリン・ファース,リース・ウィザースプーン,デイン・デハーン,ミレイユ・イーノス,ブルース・グリーンウッド
KADOKAWA / 角川書店


「デビルズ・ノット」
2013年/アメリカ/114分
監督:アトム・エゴヤン
出演:コリン・ファース、リース・ウェザースプーン、デイン・デハーン、アレッサンドロ・ニボラ
混迷度★★★★★
満足度★★★.5