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スズキコレダスポーツ50/K50のエンジン分解(2)

2008年07月07日 | メンテナンス実演(その他)
【2.エンジン着脱】

以下、分解画像に載せる黄色いマルは外すボルト・ナット類。赤丸は工具を使わずに外す部位という位置づけです。要するに全部外すんです。

1.ミッションオイル排出
省略。

2.マフラーとドライブスプロケの取り外し
マフラー詳細省略。ナット3つのみ。フランジはフックレンチで外せますが、私のは手で緩みました。
注意点は、マフラーはセンタースタンドを跳ね上げた時のストッパーを兼ねているため、マフラーを外したあとにセンスタを勢いよく跳ね上げるとスタンドのスプリングが吹っ飛ぶこと。マフラーを外してから車体を動かす場合は、センタースタンドをそーっと跳ね上げましょう。
ドライブスプロケは、ゆるみ止めにワッシャが折り曲げてあるため、このワッシャを貫通マイナスドライバー等で平坦に叩きのめしてからナットを外してください。チェーンが張ってる場合は緩めておかないと外れません。
なお私の場合はワッシャをしばいて展ばして、いざナットを外そうと思ったら、このナットもプランプランで手で緩みました。各種増し締めが必要なバイクなんですね。

3.ホース、ケーブル、配線等の取り外し
私の場合はすでにシリンダーとピストンを撤去した状態で始まってます。よってシリンダーを固定するスタッドボルトが4本飛び出している状態。まずはこいつを抜いてしまおう。
ここは特殊工具は使わずに、頭を使う…。
とか言って実は上記MONKEYマニュアルに書いてあった方法の受け売りである!
まずナットを2つ、ねじ山に噛ませてください。そしてその2つを互いにガッチリ締め付けてください。あとは締めつけたナットのうち根元に近い方にメガネレンチをかければ、スタッドボルトが緩む方向に回せるわけです。なるほど~。

これでトレタ



クランクカバーのそのまたカバーを開ける

パーツリストによればこのカバーにはキャブレターインスペクションなんたらとかいうものすごい名前が付いているが、開けても何も起きないから臆することは無い。
ガスケットは油紙状のものであり、何度でも開け閉めが可能だ。ただしキャブからこぼれたガソリンを吸うとフニャけるので注意(私のがそうだ)。
ここを覗いてアレ?と思うのがキャブレターの位置。普通キャブは外部に露出しているものだけど、コレダ君は女の子だったようだ。今日からコレダちゃんと呼ぶことに決まった。
このなんたらインスペカバーの内部は、エアクリーナーボックスの役割をしていると考えることができる。1960年代の技術?後にも改めて説明しますが、この空間はクランクケース上部にいたるまで広がっており(写真キャブ左上のホース方面)、各部で二次エア吸入が無いよう注意しなくてはならない。

まずは写真左半分に写っているクラッチケーブルでも外しましょう。
ケーブルはクランクケースカバーにアジャスタねじで締めこんであります(写真左上部)。はじめに固定ナットを緩めまくります。そのあとでアジャスタネジをどんどん閉め込むと、だんだんケーブルのテンションが緩みます。弛みきったところで、スプリングを外して、左にあるレリーズのナットを緩めると、ワイヤーのタイコ部分がするっと抜けます。タイコは真鍮製の別部品となっていますレリーズ機構はそれ以上いじらず放っておいて構いません。ワイヤーが外れたら、閉め込んだアジャスタねじを今度は逆に緩めて、クランクケースカバーから抜いてしまいます。以降クラッチワイヤーも放置でOKです。

続いてキャブの処理。
キャブの真上にあるゴムフタを、ネジ4本取って開けます。ゴムフタ自体は取り外さずに、上の方へずらします。写真には写ってませんが、もっともっと上の方までずらしてあるだけです。ケーブルとゴムフタはこびりついちゃってましたが、隙間にシリコンスプレーをするとゴムフタだけ「ズリズリ…」と上に引き上げることができます。
キャブ本体。てっぺんの丸いフタを、プライヤで掴んで左へ回し緩めてください。フタが外れると、そのままピストンバルブ(ニードルつき)とアイドル調整スクリューがすぽっと抜けるので、そのまま引き出して、軍手とかを被せて保護し、あとはそのままにしておきます。


キャブのケーブル


同様にして、丸いフタの右手にあるチョークバルブ(この写真)もスパナで緩めてから手で緩めて抜き取ります。
今回キャブのOHを行うわけではないので、これらはケーブルごと束ねて単にどかしておくだけにする。


クランクケースカバーのゴムキャップ×2

この2か所のゴムキャップは超重要ですよ!上述の通りキャブレターインスペなんたらの内部に直結しています。よって外しっぱなしにすると二次エア吸いまくりになりますので、整備時以外は開けてはいけません。外す時も破損させないようシリコンスプレーで滑らせてヌルリと抜き取りました。
キャップの中身は何かというと、右がキャブレターをクランクケースカバーへ接続するクランプのネジ、左はキャブ本体のエアスクリュー調製用のネジです。ということで今回左側は放置。右側にアクセスし、中に見えてるネジを緩めます。緩んだら、キャブレターを引っこ抜いてください。あそうだ、引っこ抜く前にガソリンだけは抜いておきましょう。キャブ本体の一番下にあるネジ(2つ上の写真)を緩めればフロート内部のガソリンはトクトクと流れていきます。


真鋳製のフロート

今回キャブレターをいじる必要はありませんが、主に夜間中心の室内作業をしているためガソリン臭いのは妻を怒らせます。フロートチャンバーを開けて換気扇の下で揮発させておきました。
ところで見てください、真鍮製のフロートです!旧車は真鋳製らしいとウワサに聞いていましたが、まさかウチのバイクに採用されていたとは。生きた化石コレダくん、解剖して明らかになる謎の生態です。

なおキャブOHは大した作業ではないので、是非皆さんが身に付けておくことをお勧めします。ほとんどの軽度の不動車はこれで蘇るのですから。エンスーの第一歩です(わたしは違いますよ!)。
ただし火気厳禁をお忘れなく~。こんな下らない理由で失火したくないですもんね。
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66 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (すとむ)
2008-08-12 12:38:20
エンジンがかからなくなったためキャブレターの清掃などしましたが
かかりません。アイドリング調整やエアーの調整をしていますが上手くいきません。かれこれ半月バイクに乗ってません。マフラーも取りたいのですが取り方がわからずどうやったらマフラーとれますかね?
返信する
すとむ様 (人骨)
2008-08-12 13:52:20
はじめまして。ご覧いただいてありがとうございます。
さて、エンジンがかからないとのこと。半月くらい載っておられないとのことですから、半月前には動いていたということで宜しいでしょうか?
キャブレターが清掃済みで問題が無いのなら、あとはこのような原因が考えられます。

1.点火
プラグに火は飛んでいるか

2.ガソリン
ガソリンコックからちゃんとガソリンが来ているか

3.空気
エアクリーナーの空気吸入口に、カブトムシ等が詰まって塞いでいないか。

私はいくらキックしてもチョーク全開でないとエンジンがかからず途方にくれましたが、実は単なるガス欠だったことがあります。

マフラーなのですが、センタースタンド付近のボルト数本と、フランジボルト(エンジンに刺さってるところ)を回せば外れます。
コレダのフランジボルトには、汎用工具のリアサスペンションプリロード調整用のスパナが使えます。無ければ、多少手荒いですがマイナスドライバーで叩いても外せるでしょう。
注意しなくてはいけないのは、緩める方向の向きです。もちろん左に回せば緩みますが、フランジとかドレンボルトは左右の勘違いをしやすいからです。

文面だけではなかなか難しいので、解決できるかまでお手伝いできるかは分かりませんが、出来る限りお手伝いしたいと思います。
込み入ったご相談でしたら、こちらまでメールください。
tank_yamaアットgoo.jp
(アットは直してください)
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よろしくお願いします (すとむ)
2008-08-16 12:57:17
昨日 マフラーフランジを取るべく左方向へマイナスドライバーをあて叩きましたがびくともしませんでした。緩めるために551などのスプレーを吹いたほうがいいのでしょうか?エンジンはかかるもののすぐに止まってしまいました。アイドリング調整とエアー調整もどの位がいいのか?…いろいろすみませんがこれからもお世話になります。
返信する
すとむ様 (人骨)
2008-08-19 17:54:17
緩まないでしょうか?
ソコは緩みやすい場所で、私は走行中にフランジが外れかけたことがあったほどです。
クレ556は有効と思いますので、試してみてください。どなたかお知り合いにCB400等のバイクにお乗りの方がいたら、車載工具フックレンチが入っていると思います。これも試してみてはいかがでしょうか?

アイドリングとエアーの件ですが、後ほどマニュアルから数字を拾って、アップロードしておきます。
とはいえ、コレダはタコメーターが無いのでアイドリングは適当に合わせることになりますね。

エンジンかかるがすぐに止まるとのこと。
他になにか分かることはありませんか?たとえばアクセルを開けるとどうだとか、チョークを使うとどうだ、とか・・・。

はやく元に戻ると良いですね!
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お返事お待ちしておりました (すとむ)
2008-08-20 17:13:35
アクセルを少し開かないとエンジンがかかりません。戻すとすぐに止まってしまいます。アクセルを開いたときに音がこもってるような気がします。マフラーから黒いオイルがポトポト落ちます。マフラーはマイナスドライバーで叩いても多少動きますが完全には動きませんでした。いつになったら動くのやらです。アドバイスお待ちしてます。
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すとむ様 (人骨)
2008-08-21 17:27:41
苦戦されてらっしゃるようですね!
アクセル開けるとエンジンかかるとのことですが、開けてるときの回転数は、高めですか?
徐々にアクセルを閉じていってアイドリング程度の高さになっても、まだアクセルが戻せるようでしたら、単純にアイドリングが低すぎるのかもわかりません。
アイドリングねじは、緩めるほうに回すとアイドリングが上がります。
いったんこれを大胆に緩めてみて、アクセルに触らないでアイドリングが維持できるかどうか試してください。

なおエアスクリューの戻し回転数は、マニュアルによれば「1と1/2」でした。エアスクリューを最も締めきったところ(ご存知かもしれませんが、キツクねじこむ必要はないです。軽くです)から、ネジを1回転半戻してください。
コレダはただのマイナスネジ頭ですので、1/2回転を1回転だと勘違いしないように・・・(釈迦に説法でしたら申し訳ありません!)。

マフラーからオイルが垂れるのは、私のにもよくありますよ。
フランジ緩めは、やり方さえ間違えていないのならば、あとは気合いしかないです!
(ところで、どうしてマフラーを外したいのでしょうか?)
がんばってください!
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治りました (すとむ)
2008-10-22 12:34:52
結局自分で治せず修理だしました。8000円ぐらいかかりましたがメンテナンス込みですよ。いろいろ有り難うございました。

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それはよかったです! (人骨)
2008-11-10 09:01:17
すとむ様

あまり御役に立てず申し訳ないです。8000円程度なら、あまり痛くなかったでしょうか?!
とにかくおめでとうございます。寒くなりましたが、元気に乗っていきましょう!
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はじめまして。 (ひろ)
2009-01-07 01:17:22
中古のコレダに乗って2か月ぐらいなのですが、
エンジンはかかるのですがアクセルワイヤーが切れたのか、アクセルが戻らなくなり走れない状態です。
アクセルワイヤーの取り換え方を教えてください!
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ひろ様 (人骨)
2009-01-08 15:54:23
コメントありがとうございます。コレダについてご質問ありがとうございます。

アクセルワイヤーの取り替え方ですね、カンタンっす!
その前に、本当に切れてるのかを確認したいと思います。切れてしまった場合は、反対にアクセルは閉じっぱなしになると思うので…。

この記事の上から2番目の写真を見てください。ここのインスペなんたらはのフタはネジ4本であけられます。
フタを開いた中の、右側に映ってる物体がキャブレターなんですが、キャブレターには丸い穴があいていて、その中に金色の物体が見えてるかと思います。

アクセルをひねると、そいつが動くのかどうか、まずは確認してみてください。

(いま非常に「初心者むけ」に書いていますが、その程度のことはとっくにご存知でしたらば、そう仰ってください!説明の仕方を変えます!)
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