フライホイール
キャブレターをどけたらエンジン右側の作業はいったん終了。左側の作業に回ります。
最初に対面するのがこのフライホイール。まんなかにナットが嵌まってます。私は電動インパクトで一気に外しました。
ところがこの部品はナットを外すだけではビクともしません。今回購入した特殊工具「フライホイールプーラー」の出番です。こいつを使ってもカタかったです。何とか外しました。
フライホイールを締め付けてある軸なのですが、これが「クランクシャフト」です。エンジンの爆発が一番最初に回転運動に変わる場所です。ちょうどクランクシャフトとフライホイールの間の窪みに「キー」と言う小部品が挟まれています。どれくらい小さいかというと、親指の爪を切ったカケラくらいです。これは点火タイミングを決めるパーツです。簡単に外れますので、無くさないように外して取っておきます。なお今回オートボーイさんに注文した中にはタイミングを早める改造キーも含まれています。爪のカケラサイズながら2500円ですよ!
ホイール取り外し後は、その下についてる発電兼ピックアップコイルも取り外しておいてください。コイルはニュートラルスイッチにアーシングされていて、バッテリー付近にカプラ接続が繋がっています。アースは取り外しますが、残りの配線は繋いだまま車体のどこかにくくりつけておいても構いません。
ところで電動インパクトをお持ちでない場合は、まんなかのナットを外すために「フライホイールホルダー」が必須です。かつ、実はこのフライホイールと反対(エンジン右)側の軸にはまっているナット(「プライマリーギア」の)がかなりの高トルクで締め付けられているため、そちらを緩める時にこのフライホイールを共回り防止のためにホルダーで掴むことになると思います。ですので、電動インパクトを使わない場合は、このフライホイールは最後の最後までまで付けたまま残しておくことをお薦めしおます。
なおフライホイールホルダーには、写真に見えている2つの穴に差し込んで固定するタイプと、全体を締め付けるタイプがありますが、後者の方が使いやすそうです。私は前者しか持ってませんが、これは後の組み立て時に規定トルクで締め付ける際に活躍するでしょう。
オイルポンプ
オイルポンプは一時的に取り外すだけで、特に分解する必要はありません。クランクやシリンダーへオイルを送るホース(写真の緑色のホース。これはゴムではなくて、半透明の樹脂性で多少弾力性はありますが、固いです。)も今回はそのまま付けたままで作業できました。
とりあえずオイルタンクと繋がっているホース(写真、黒色)と、ワイヤーだけ抜いておきましょう。
そのために一時的にオイルポンプの固定ボルトを外して本体をフリーする必要がありました。なおオイルポンプは、後でお目にかかるキックシャフトのギアと噛み合って動く仕組みです。ギアはオイルポンプ裏面にありますが、ここへはまっている樹脂製のピースは、いまのうちに取り外しておくと良いです(クランクを割った時に無くさないように)。
なお、抜いたあとのホースからは、タンクから運ばれたエンジンオイルがどんどん漏れてくるので、栓を準備するのを忘れないでください。
ワイヤーと、ニュートラルスイッチ
写真まんなかは、ワイヤーのアジャスタねじです。仕組みはクラッチワイヤーと同じです。ワイヤーのアジャスタを変えるとオイルポンプの開度=吐出量が変化するわけすが、ひとまずアジャスタめじには一切手を触れる必要はないです。というのは、このワイヤーはタイコ部が外れると、アジャスタからスッポリと抜けるからです。
オイルポンプ本体を一時的に外した時、ワイヤーのテンションがゆるむ方向へ動かし、タイコを本体から外してください。クラッチ同様タイコは別部品(プラスチックのピース)なので、失くさないように。
黄色マルはニュートラルスイッチのフタ。ここも開けてください。中はミッション室と繋がってるので、ミッションオイルのシールがされています。スイッチ(単なる接点)は大きいプラスねじでシフトドラムと接続しているので、これも外してください。
写真でマルのついてない銅色ネジは、上で書いたコイルのアース箇所です。写真では既に取り外してあります。
コレダの点火時期の変更方法がわからなくて困っています、
理由は回転数が上がりづらく、伸びがなくなってしまったからです。
チャンバー詰まりやシリンダーのキズ、などは可能性が低いので点火時期を試してみようと思っています。
キャブレターはつい最近バイク屋でOHしました。
もしご存知でしたら教えていただきたいです。
フライホイールを外すとこまではわかります。
今後のためにこちらでも調べますから、
多少専門用語を交えても構いませんのでお願いします。
さすがにコレダはそろそろうろ覚えなので、その点はご容赦お願いします(笑)
一連の投稿記事の中にフライホイールを外した後のシャフトの写真があったと思います。
シャフトには、切欠きが入っており、その切欠きにはつまようじくらいの細さで、2~3cmの棒が挟まっております。
これが「キー」と呼ばれるものです。投稿記事の写真でもギリギリ写っていました。
この棒がカギの役割を果たし、シャフトへフライホイールを取り付ける位置が決まります。フライホイールとシャフトの組み付け位置が少し変わる(右か左に)と、点火タイミングが変わる仕組みだったと思います。
オートボーイの「キー」はこのキーの形状を少し変えることによって、フライホイールの取り付け位置を多少変えることが出来るのです(右向きか左向きかは忘れましたが、2mm~3㎜くらいずらせます)。
以上ご質問通りに回答いたしましたが、症状をうかがうに私のカンでは点火タイミングが原因ではないと思います。
コレダスクランブラーは1996年以降のモデルですので、点火は無接点型です。摩耗やズレは発生しないと思います。またホイールの取り付け位置はキーが挟まっている限り、どれだけ乗っていても変わりません。
徐々に高回転が伸びなくなった場合に、最初に疑うのは
「エアクリーナーまわり」
「マフラーつまり」
です。
K90に乗っていたときは、常に全開走行80㎞/hでしたが、2万キロで2回、マフラーが詰まって新品交換しております。症状は、フケが悪く回転がのびきらないというものでした。
以上よろしくお願いいたします。
とても勉強になりました。
これからも大事にしていきます。