人骨

オートバイと自転車とか洋楽ロックとか

スズキコレダスポーツ50/K50のエンジン分解(1)

2008年07月05日 | メンテナンス実演(その他)
【1.参考資料ならびに手順】

まずは準備体操として、サービスマニュアルとパーツリストの用意はあった方が良い。一応私もコレダ購入当初から両冊子を持っている。持ってはいるが、ほとんど使用したことが無い。何故かというと、普通に乗ってて壊れたことが無いからだ。耐久性は折り紙つきである。
いざページを開いてみるとこのサービスマニュアルはかなりハイレベルだ。何しろネジのトルク管理・仕様一覧・車種特有の調整箇所等を除き、ほとんど何も書いていない。唯一気合いをこめて説明している箇所と言えば、各マイナーチェンジ時に前形式とどこが変わり整備方法がどう変わったか、だけである(例:「電装が12ボルトになりました」)。そもそも冊子の名称がサービスマニュアルとは微妙に違うのも気になる。「サービスガイド」だ。
思うに、このマニュアルがターゲットとしている人間は、スズキKシリーズごときは丁稚時代に十分知り尽くしていることを前提としているのではなかろうか。2スト50㏄ミッションは、確かにメカニズムとしては最もシンプルな類だろう。バイク屋たるもの、カブを始めとしたビジネスマシンは最も扱う頻度が多い商品の一つであろうし、「この程度のことは知ってるよね?」という編集側の意図が見て取れる。

そういう具合だから、私が期待したようなクランクケース分割方法なんてものは一切書かれていない。腰下についてはいきなりクランクシャフトの計測から始まる。
だがここは裏を返せば、私レベルでも分解できそうな予感がしてくるではないか、人々よ?!
よしやってみよう。

したがって本論は、この不足している「サービスガイド」の説明を補うものとして、私自らの分解体験を綴っていきたいというのが、その主旨である。

なお春先に出かけた「東京モーターサイクルショー」で取得したパンフレットの中に、キタコのMONKEYエンジンチューニング完全マニュアルとかいうのがあった。無料配布パンフレットながら、エンジンを降ろすところからはじまって、クランクケースの切削加工に至るまで、非常に丁寧に工程がひとつひとつ写真つきで紹介されている(パンフ本来の目的は、ボアアップキットや5速ミッションを載せる手順説明である)。これが今回役に立ちそうなので、サービスガイドと併せて参考書籍とすることにした。コレダは2サイクルゆえバルブ機構が無い分さらにシンプルだろう。


参考書籍はコレラダ

コレダエンジン分解にともなうおおまかな手順は次の通りである。

1.ミッションオイル排出
2.マフラー、ドライブスプロケット取り外し
3.ホース、ケーブル、配線等取り外し
4.各部ボルト、ナット類を事前に緩める
5.エンジン本体を降ろす(同時にエアクリーナー取り外し)
6.クラッチ、シフト機構、フライホイールの取り外し
7.トランスミッションならびにクランクシャフトの取り外し


以上。工具は通常のソケットやドライバー類のほか、以下のものを用いた。

1.サークリッププライヤー
 (キックレバーの1箇所は必須。ミッションのギア1枚1枚まで分解する場合も必須)
2.フライホイールプーラー(多分必須)
3.ショックドライバー(プラスねじがあまりに多いため、これも必須)
4.電動インパクトドライバー
 (無い場合:プーリーホルダー必須&クラッチ、プライマリーギア、
  フライホイールの3つの高トルクナットをエンジン本体降ろす前に要取り外し)
5.スクレイパーとオイルストーン(ガスケット(特にシリンダー)を剥がすのに要ります)
6.ビール箱(超必須!今回のために酒屋さんに頭を下げて譲ってもらいました)


なお私は今回タッチしていないが、クランクケース内のベアリングを取り外す場合は別途ベアリングプーラーも用意してもらいたい。ケース内のベアリングの付け外しについては色々なサイトで語られていると思いますでそちらを参考ください(適当)。

用意するケミカル類は、パーツクリーナー、浸透潤滑剤、シリコンスプレー、ネジロックくらいかな。あとはギアオイルとエンジンオイル。
事前に用意しておく純正部品は、まずはガスケット類。それからプライマリギヤのワッシャ(緩み防止に曲げてある)、ドライブスプロケットのワッシャ(同じく)。

では具体的に説明していこう。

(つづく)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コレダスポーツ50のボアアップ | トップ | スズキコレダスポーツ50/K50... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿