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キャブレターの分解と洗浄2

2007年11月28日 | メンテナンス実演(VTR250)

エアカットバルブ

エアカットバルブの拡大です。ダイヤフラム(ゴム製の部分。負圧でスライドする仕組み)とスプリングが一体化しています。特にいじることはないので、外して保管してください。


エアスクリュー位置にマーク

パイロットエアスクリューを取り外します。
このエアスクリューはキャブ調整の大きなキモのひとつです。
役割はスロー系の濃さ調整をすること。仕組みは簡単で、スクリューを緩めたり締めたりすることで、スローエアー用の通路を通る空気の量を変えているのです。水道の蛇口と一緒。
なおVT250系と異なり、エアーではなくガソリンの通路を緩めたり締めたりして調整する「パイロットスクリュー」を採用しているキャブも多数あります。これは「ガソリンの通路」を調整することで濃さを変えることになりますが、いずれにせよ効果は同じ。
エアスクリューの場合は締めると空気が減り混合気は濃くなる。パイロットスクリューの場合は締めるとガソリンが減り混合気は薄くなる。分かりますよね。


エアスクリュー位置メモ

そのまま外してしまうとベストにセッティングされていた空気量の位置が分からなくなってしまいますが、ネジの締めこみ回転数でそのベストの位置を記録することが可能です。これがよくキャブセッティングの項目で見かける「2と1/4回転戻し」とか言われる調整方法です。
やり方は、現在のスクリューの位置から、ネジをめいいっぱいまで締めこむのにナン回転あるかを記録するだけです。注意するのは、めいいっぱいの場所で手応えを感じたら、それ以上締めないこと。このネジは「ネジ留めのため」のネジではありませんので、余計な力を加えると余裕でツブれます。
記録のため、ドライバーと本体にマジックで印をつけ、位置を紙にメモしておくと良いでしょう(本体のマーキングは、キャブクリーナーをかけると100%消えるので)。
取り付けるときはこの記録に基づいて、一番最後まで締めてから、メモの回転数だけ戻せば良いわけです。
なおアイドリング回転数を読みながら戻し位置のベストポジションを探す方法もありますが、フルノーマルの場合は何も考えずマニュアル通りの回転数戻せばOKでしょう。VTR250-03型の場合は、マニュアルによると2と1/4回転戻しです。実際は後ろ側だけ2と1/3回転くらい締められました。写真のメモがそれです。


エアスクリュー専用ドライバー

どうでも良いのですが、このパイロットエアスクリューのねじ頭の形状は特殊です。なんというか、D型のねじ頭です。これを廻すためだけに特殊工具が必要です。ドラスタに行ったらデイトナ製のホンダ専用品(モンキー用とか書いてあった)を売ってたので買ってきました。たったこれだけで2000円もしました。とほほ。
ただしこの特殊ドライバーには良い点もあります。以前のVT250FEでは、このスクリューのネジ頭の形状は単なるマイナスねじでした。実はマイナスねじだと「1回転」がちょっと数え難いのです。実際に作業するところを想像してください。マイナスドライバーは、差した箇所から180度回転すると見た目が全く同じになりますよね?見た目は同じですが、まだ一周してません。1/2回転の状態です。さらにもう180度廻して、ようやく1回転360度です。どうでしょう、180度のところで「1回転」って錯覚しそうじゃありませんか?特殊ドライバーなら360度で1回転なのを間違えません。え自分だけ?


エアスクリューの構成

写真の通り。スクリューを抜いた時に、一番最後のOリングはしばしばキャブ本体に残りっぱなしになるので、忘れずに外しましょう。逆さにしてトントンたたけば大概はポロリと落ちると思います。

(つづく)
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