さて、いよいよキャブレター本体のOHにかかります。
はっきり言ってぼくのやり方はメンテ本でかじった程度の我流です。箇所によっては外道な手段を取っているかも分かりません。経験値としては、4気筒マシンのキャブを数回、VT250FEのキャブを5~6回、原付のキャブを2台分ほど直したことがありますが、いずれも不具合が出たことはなくちゃんと直ったので、まあ多分大丈夫だとは思うのですが、とにかくモグリです。またキャブの機能も完全には理解してません。この記事を見てマネされる方はその辺だけご了承いただければ幸いです。
キャブレターの内部洗浄に使うキャブレタークリーナーという溶剤は強烈です。服に着くと速攻色落ちしますし、Oリングの類にかけると余裕で溶けたりフニャけたりします。キャブ内部のあらゆるゴム類は全て取っ払って作業しているので問題ないのですが、プラスチックの箇所で何箇所か分解不能のパーツがあり、ここはやむを得ずそのまま薬品を使います。このことは、ひょっとしたら誤りなのかも分かりません。
が、自分はこの点を気にせずイってます。溶剤に浸しておく時間にもよると思いますので、放置時間はなるたけ短く済ませています。
それでは参ります。
先ず、前回の最後に書いた「さら」とキャブを分離します。「さら」とキャブ本体はプラスねじ4本で接続しています。ねじには「タングドワッシャー」という特殊なワッシャーが付いており、先端部を折り曲げてねじ頭を覆うようになっていますので、まずはこのワッシャを折り曲げてねじ頭を露出させます。
このワッシャの意味は、おそらく「万一走行中にボルトが緩んでも、抜け落ちてキャブに吸い込まれることが無いように」だと思われます。以前乗ってたVT250FEも同様でした。ただしVTRにはゴム製のエアファンネルがついてますので、仮にネジが外れても滅多なことではファンネルの中にまでは落ちないと思います。VT250FEにはファンネルが無かったので、確かにネジが抜けたら走行中にバルブに落っこちて人生終了な予感がします。とはいえ、まずネジが外れることはないと思われますので、保険みたいなパーツなんだろう、等と色々勘ぐっております。
で、このねじは相当固く締めこまれておりますので、万力を持っているのでなければ、車体に固定されている間(キャブを取り外す前)に一旦緩めておくのが良いでしょう。自分はキャブを外したあとで分離に掛かり、結局ねじ頭を1箇所ナメました。ナメてどうしても外せなくなり、やむなくタガネで切り込みを入れ貫通ドライバーでガシガシ叩いて力づくで外し、ネジをぶっ壊しました。これだからプラスねじは嫌いです。組み付け時にはホームセンターで買ってきた六角ねじに4本とも交換しました(同じことをVT250Fの時もやった記憶があります)。
左側
「さら」のネジを外せたら、写真左から2番目のマルのネジを緩めます。すると前後のキャブはプラプラになるので、「さら」から分離させます(写真は分離後です)。前回も書きましたが、キャブ本体と「さら」の間のネジ部には小さいなピンがはまってますので、失くさないように保管してください。
続いて写真の残りの部分の3箇所を撤去してください。
一番左は「エアカットバルブ」というそうです。この部品の意味は分かりません。これはVT250FEには無かったパーツです。次モデルのVT250FGあたりから採用されていた気がします。写真に写ってませんが、もう片方のキャブにも同じものが着いていますので、両方取り外します。
右から2番目は、前回も登場したアクセルワイヤーのホルダーです。
一番右はアイドリング調整ねじです。外すときに、ついでですから右に左にねじを回してみてください。アイドリングねじの仕組みがよく分かると思います。「アイドリング回転数をあげる/さげる」ということは「アクセルを開く/閉じる」のと同じことなんですね。
右側
こちらもマルのホースを全部引っこ抜きます。細いホースは左右にねじると抜けたりします。固着してる場合は、ガソリンタンク取り外しで説明した要領でドライバーを使ってください。
リンクロッド
前後2基のキャブを連結するリンクロッドを取り外します。
VTはアクセルワイヤーが後側キャブのスロットルバルブに直結していて、このリンクを介して前側キャブのスロットルバルブにもシンクロして2気筒同時に動かす仕組みです。後述しますが、気筒間の同調はこのリンクで調整することになります。リンクロッドは前後2箇所固定されています。割りピン、金属ワッシャ、プラスチックワッシャが挟まっておりますので、ワッシャの順序をしっかり覚えておきましょう。こうやって写真を撮りながら作業すると、組み付け時に元の状態が分からなくなった場合に重宝します。
これで前後のキャブが分割できます。
ガソリンホースのジョイントが間に挟まってますが、引っ張れば抜けます。
(つづく)
はっきり言ってぼくのやり方はメンテ本でかじった程度の我流です。箇所によっては外道な手段を取っているかも分かりません。経験値としては、4気筒マシンのキャブを数回、VT250FEのキャブを5~6回、原付のキャブを2台分ほど直したことがありますが、いずれも不具合が出たことはなくちゃんと直ったので、まあ多分大丈夫だとは思うのですが、とにかくモグリです。またキャブの機能も完全には理解してません。この記事を見てマネされる方はその辺だけご了承いただければ幸いです。
キャブレターの内部洗浄に使うキャブレタークリーナーという溶剤は強烈です。服に着くと速攻色落ちしますし、Oリングの類にかけると余裕で溶けたりフニャけたりします。キャブ内部のあらゆるゴム類は全て取っ払って作業しているので問題ないのですが、プラスチックの箇所で何箇所か分解不能のパーツがあり、ここはやむを得ずそのまま薬品を使います。このことは、ひょっとしたら誤りなのかも分かりません。
が、自分はこの点を気にせずイってます。溶剤に浸しておく時間にもよると思いますので、放置時間はなるたけ短く済ませています。
それでは参ります。
先ず、前回の最後に書いた「さら」とキャブを分離します。「さら」とキャブ本体はプラスねじ4本で接続しています。ねじには「タングドワッシャー」という特殊なワッシャーが付いており、先端部を折り曲げてねじ頭を覆うようになっていますので、まずはこのワッシャを折り曲げてねじ頭を露出させます。
このワッシャの意味は、おそらく「万一走行中にボルトが緩んでも、抜け落ちてキャブに吸い込まれることが無いように」だと思われます。以前乗ってたVT250FEも同様でした。ただしVTRにはゴム製のエアファンネルがついてますので、仮にネジが外れても滅多なことではファンネルの中にまでは落ちないと思います。VT250FEにはファンネルが無かったので、確かにネジが抜けたら走行中にバルブに落っこちて人生終了な予感がします。とはいえ、まずネジが外れることはないと思われますので、保険みたいなパーツなんだろう、等と色々勘ぐっております。
で、このねじは相当固く締めこまれておりますので、万力を持っているのでなければ、車体に固定されている間(キャブを取り外す前)に一旦緩めておくのが良いでしょう。自分はキャブを外したあとで分離に掛かり、結局ねじ頭を1箇所ナメました。ナメてどうしても外せなくなり、やむなくタガネで切り込みを入れ貫通ドライバーでガシガシ叩いて力づくで外し、ネジをぶっ壊しました。これだからプラスねじは嫌いです。組み付け時にはホームセンターで買ってきた六角ねじに4本とも交換しました(同じことをVT250Fの時もやった記憶があります)。
左側
「さら」のネジを外せたら、写真左から2番目のマルのネジを緩めます。すると前後のキャブはプラプラになるので、「さら」から分離させます(写真は分離後です)。前回も書きましたが、キャブ本体と「さら」の間のネジ部には小さいなピンがはまってますので、失くさないように保管してください。
続いて写真の残りの部分の3箇所を撤去してください。
一番左は「エアカットバルブ」というそうです。この部品の意味は分かりません。これはVT250FEには無かったパーツです。次モデルのVT250FGあたりから採用されていた気がします。写真に写ってませんが、もう片方のキャブにも同じものが着いていますので、両方取り外します。
右から2番目は、前回も登場したアクセルワイヤーのホルダーです。
一番右はアイドリング調整ねじです。外すときに、ついでですから右に左にねじを回してみてください。アイドリングねじの仕組みがよく分かると思います。「アイドリング回転数をあげる/さげる」ということは「アクセルを開く/閉じる」のと同じことなんですね。
右側
こちらもマルのホースを全部引っこ抜きます。細いホースは左右にねじると抜けたりします。固着してる場合は、ガソリンタンク取り外しで説明した要領でドライバーを使ってください。
リンクロッド
前後2基のキャブを連結するリンクロッドを取り外します。
VTはアクセルワイヤーが後側キャブのスロットルバルブに直結していて、このリンクを介して前側キャブのスロットルバルブにもシンクロして2気筒同時に動かす仕組みです。後述しますが、気筒間の同調はこのリンクで調整することになります。リンクロッドは前後2箇所固定されています。割りピン、金属ワッシャ、プラスチックワッシャが挟まっておりますので、ワッシャの順序をしっかり覚えておきましょう。こうやって写真を撮りながら作業すると、組み付け時に元の状態が分からなくなった場合に重宝します。
これで前後のキャブが分割できます。
ガソリンホースのジョイントが間に挟まってますが、引っ張れば抜けます。
(つづく)