「未公認なんですぅ」で、カバーデザインについての記事を読む。「カバーデザインはむずかしいっす」とある。
編集のプロが難しいと言ってるのにおこがましいが、私にとってカバーデザインは嬉しい仕事のひとつだ。
いや、難しいのはもちろんだ。が、とにかく「好きなように作れる」のに「コストがかからない」し、「やってて楽しい」のに「仕事である」というのは、これくらい。
ちなみに注文受けや納品も嬉しいが、カバーデザインほど楽しくはない。
私の場合、だいたい原稿が形になってきた時点で、周りに「ちょっと読んでみて」と声をかける。読んでもらってる間に、持ってるイメージをとりあえず描いてみる。
もうすぐ本が出来上がるというワクワク感もあって、どんどんイメージが膨らむ。どんどん膨らむが、膨らんだイメージが「ウケる」とは限らないのが、少々悲しい。
しかし、描いてる本人はその時点では「これしかないだろ!」と思ってるので、とりあえずのつもりがどんどん細部にこだわってしまう。1冊目のDTPを頼んだデザイン事務所の若いデザイナーが、チラシはささっと済ませて、会社案内なんかになると夜も寝ずにこだわってた気持ちがわかる。
イラストレーターとフォトショップを使う。トンボの付け方とか左横にCMYKとか付けることだけ、そのデザイン事務所の友人に教わった。あとは趣味を活かしている。(こう言うとカッコいい)
本文中のイラストを外注するときは、カバーのイラストも頼んでおく。けど、装丁(というのか、イラストをどうはめるとか全体とか)は、自分でやる。こういうときは、楽しさは80%くらいになる。
今回の本は、全部自分でやるから楽しさ100%! だけど、凝るわりにはものぐさなので、私のデザインはいつも、よく言えば「シンプル」、悪く言えば「誰でもできる」程度。
そして、大切なことがひとつある。
印刷屋は、注文した部数以外にカバーとスリップの予備も納品してくれる。はじめは知らなかったけど、書籍専門の印刷屋に出会ってからは、黙っててもしてくれる。オビがあるときはオビの予備も来る。
問題は、返本の消しゴム作戦(今後は紙やすり作戦、正しくは改装というらしい)のとき、自分でその予備カバーを折らなきゃいかんということ!
簡単そうに聞こえるだろうが、本屋に並んでいる新刊のようにビシッと折るのは意外と難しい。まず、背表紙が左右にズレる。折り返すところのサイズが小さすぎて本体の表紙が曲がったり、逆に大きいと緩くなる。
なので、最近は「折りやすさ」に結構重点を置いてデザインする。背表紙のバックの色を変えたり、ちょっと印をつけたり。そういう装丁デザイナーはあまりいないと思われる。威張ることじゃないが。
ISBNとかJANコードのところは、価格を決めるまでアタリだけ付けておく。
価格で思い出した。
恥ずかしいことに、私はカバーを二回刷り直している。
1回目は、消費税込みで千円の本のとき。本体価格が違うと、見本納品(部決でしたっけ)のときに言われてしまった。1週間後くらいに書店に並ぶと思ってたのにショック!で、慌てて刷り直した。もちろんコストもかかる。
消費税って、1円未満切捨てとか切り上げとか、売るほうで勝手に決めていいもんだと思い込んでいた。他の業界、そうじゃないですか? 知らんけど。
トーハンの仕入部の人の説明によると、書店のPOSレジがどうのこうの。どうのこうのって、要するに説明をちゃんと聞いてないんですけど、ムカついてもしょうがないらしかった。
2回目は、例の総額表示のとき。本体価格を入れてなかった。出版何とかの団体からガイドラインの手紙をもらっていたけど、すっかり忘れていた。後で見たら、ちゃんと本体価格も表示せよと書いてあった。これは自分のミスなので、ムカつくというよりは情けなくなったが、しょうがなかった。
印刷屋のお兄さんには呆れられている。「次は前もって仕入部に見せに行ったら」とまで言われた。このお兄さんは印刷屋だけど、出版について私なんかより全然詳しいので、いろいろ教えてくれる。(教えてくれるが、後から教えてくれるので、いつまでたっても「一つ一つ学んでいく」苦労は変わらない)
そうじゃなくても、作っているときに取次の意見を聞くのはいいことらしいので、今回は見てもらうことにする。
「久しぶりですね~」の嫌味を言われるのはわかっているが、見てもらわなくても部決のときに言われるので、嫌なことは先に済ませたほうが良かろう。
編集のプロが難しいと言ってるのにおこがましいが、私にとってカバーデザインは嬉しい仕事のひとつだ。
いや、難しいのはもちろんだ。が、とにかく「好きなように作れる」のに「コストがかからない」し、「やってて楽しい」のに「仕事である」というのは、これくらい。
ちなみに注文受けや納品も嬉しいが、カバーデザインほど楽しくはない。
私の場合、だいたい原稿が形になってきた時点で、周りに「ちょっと読んでみて」と声をかける。読んでもらってる間に、持ってるイメージをとりあえず描いてみる。
もうすぐ本が出来上がるというワクワク感もあって、どんどんイメージが膨らむ。どんどん膨らむが、膨らんだイメージが「ウケる」とは限らないのが、少々悲しい。
しかし、描いてる本人はその時点では「これしかないだろ!」と思ってるので、とりあえずのつもりがどんどん細部にこだわってしまう。1冊目のDTPを頼んだデザイン事務所の若いデザイナーが、チラシはささっと済ませて、会社案内なんかになると夜も寝ずにこだわってた気持ちがわかる。
イラストレーターとフォトショップを使う。トンボの付け方とか左横にCMYKとか付けることだけ、そのデザイン事務所の友人に教わった。あとは趣味を活かしている。(こう言うとカッコいい)
本文中のイラストを外注するときは、カバーのイラストも頼んでおく。けど、装丁(というのか、イラストをどうはめるとか全体とか)は、自分でやる。こういうときは、楽しさは80%くらいになる。
今回の本は、全部自分でやるから楽しさ100%! だけど、凝るわりにはものぐさなので、私のデザインはいつも、よく言えば「シンプル」、悪く言えば「誰でもできる」程度。
そして、大切なことがひとつある。
印刷屋は、注文した部数以外にカバーとスリップの予備も納品してくれる。はじめは知らなかったけど、書籍専門の印刷屋に出会ってからは、黙っててもしてくれる。オビがあるときはオビの予備も来る。
問題は、返本の消しゴム作戦(今後は紙やすり作戦、正しくは改装というらしい)のとき、自分でその予備カバーを折らなきゃいかんということ!
簡単そうに聞こえるだろうが、本屋に並んでいる新刊のようにビシッと折るのは意外と難しい。まず、背表紙が左右にズレる。折り返すところのサイズが小さすぎて本体の表紙が曲がったり、逆に大きいと緩くなる。
なので、最近は「折りやすさ」に結構重点を置いてデザインする。背表紙のバックの色を変えたり、ちょっと印をつけたり。そういう装丁デザイナーはあまりいないと思われる。威張ることじゃないが。
ISBNとかJANコードのところは、価格を決めるまでアタリだけ付けておく。
価格で思い出した。
恥ずかしいことに、私はカバーを二回刷り直している。
1回目は、消費税込みで千円の本のとき。本体価格が違うと、見本納品(部決でしたっけ)のときに言われてしまった。1週間後くらいに書店に並ぶと思ってたのにショック!で、慌てて刷り直した。もちろんコストもかかる。
消費税って、1円未満切捨てとか切り上げとか、売るほうで勝手に決めていいもんだと思い込んでいた。他の業界、そうじゃないですか? 知らんけど。
トーハンの仕入部の人の説明によると、書店のPOSレジがどうのこうの。どうのこうのって、要するに説明をちゃんと聞いてないんですけど、ムカついてもしょうがないらしかった。
2回目は、例の総額表示のとき。本体価格を入れてなかった。出版何とかの団体からガイドラインの手紙をもらっていたけど、すっかり忘れていた。後で見たら、ちゃんと本体価格も表示せよと書いてあった。これは自分のミスなので、ムカつくというよりは情けなくなったが、しょうがなかった。
印刷屋のお兄さんには呆れられている。「次は前もって仕入部に見せに行ったら」とまで言われた。このお兄さんは印刷屋だけど、出版について私なんかより全然詳しいので、いろいろ教えてくれる。(教えてくれるが、後から教えてくれるので、いつまでたっても「一つ一つ学んでいく」苦労は変わらない)
そうじゃなくても、作っているときに取次の意見を聞くのはいいことらしいので、今回は見てもらうことにする。
「久しぶりですね~」の嫌味を言われるのはわかっているが、見てもらわなくても部決のときに言われるので、嫌なことは先に済ませたほうが良かろう。
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